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米国こぼれ話:フロリダのWithコロナ

クリニック再開して、あっという間に一ヶ月が過ぎました。

再開直後は、いつまた感染増加や再規制で強制クローズになるかとか、また積極的に患者の方を呼び込むことはビジネス的にも感染上でもリスクがあるため、特に宣伝もせず、ひっそりクリニックを再オープンして、とりあえず慣らし的に様子をみることにしました。

4部屋あるので一度に3-4人の方を施術できるのですが、規制と自分的なキャパも考えて、30分おきに一人と少な目にしました。患者さんが極力鉢合わせしないことで、自然にソーシャルディスタンスがとれるからです。

またクリニック勤務時間もフルタイムではなく、4-6時間のパートタイム的なシフトを組みました。屋内のエアコンを通して空中飛沫が回るかもとかちょっと考えたのですが、それよりも感染場所としての共同トイレが心配で、職場滞在時間を限ればトイレ使用回数が減らせると判断しました。

過去SARS感染の震源地広州の病院勤務の経験を持つ中国人上司は、神経質なほど感染予防に気を使っていて、勤務中は飲食はもちろん、ビル内の共同トイレを使用しない徹底ぶりです。

しかしフタを開けてみると、よくも悪くも、順調に患者の方々が来院されて、先週あたりから予約枠はいっぱいになることがたびたびです。

「よくも」というのは、やはり患者さんのお役に立てるのは嬉しいですし、またそうやって頼りにされて選んできてくださるのはありがたいです。もちろん、ビジネスとして存続可能であることにもほっとしています。

「悪くも」というのは、いくら感染防止を徹底しても、人との接触が増えるたびに感染する確率は多少なりとも上がっていくので、慣れていくともにうっかりして感染や施術ミスなどおこさないよう、気を張るため、やはり疲れます。仕方ないのですが。

私の悩みなど、もろにコロナ罹患の方に対応される病院の方々に比べたら大したことないとはいえ、2か月ぶりなのと、コロナ対策の装備や消毒、および施術の手順変更などで、精神的にも肉体的にも以前より負担が増え、疲れ=うっかりミス、につながらないよう、まるで初めて鍼灸治療を始めた当時のような心持です。

患者の方々は、やはり鍼や漢方じゃないと、他に手の打ちようがない体調をどうにかしたくて来院されるわけで、きちんとマスクしてきて下さり、症状が軽快するにつれて、すごく嬉しそうにするのを見るとやっぱり再開してよかった、このお仕事を選んでよかったと思います。

一方、往来にいる一般の方々を見ると、経済再開以来、患者数が順調に増加して警戒レベルになってマスク必須の規制が発令されるほどなのに、やっぱりマスクしていない人が多く、これでは日本ではなく海外で大流行してしまうわけだと、体感する日々です。

多いというとあいまいなので、おおざっぱな印象でいいますと、街を歩くときちんとしている人が半数、マスクをあごの下とか耳からぶらさげたり、しゃべるときにマスクを手で持ち上げるなど、正しいマスク着用していない人が4分の1、全くマスクしていない人が残りの4分の1、という感じです。

ページトップの写真は家の前のビーチで、オープン直後はまずまずの人出でした。そしてほぼ全ての方々がマスクしてませんでした。。。。

クリニックでは手指消毒、手袋マスク、フェイスカバーと帽子、、診療室の消毒徹底をしている限り、自分への感染はあまり心配していません。むしろ重装備を解いて、一歩クリニックを出て、その他の方々と接近の機会があるときの方が要注意という感じです。

フロリダは既に連日30度超えて蒸し暑いので、タダでさえ暑がりで、またマスク装着に不慣れな文化のアメリカ人は、マスクがすごくつらいみたいですね。

普段は寒がりの私でさえ、いつもなら凍えるほど強い冷房が当たり前のフロリダの屋内で、マスクや帽子のせいで汗ばむようになり、薄着の工夫をするほどになってしまいました。

そんなこんなで、家とクリニックの往復を車で通勤する以外、引き続き家から出ないようにしています。コロナ対策として免疫力を高めるのには最適な漢方と鍼を自分にも施術して万全を期しているとはいえ、疲れは最大の敵なので、当分は引きこもりが吉と考えています。

もともと内向的な行動が得意なので、それはラッキーだったかな、と思います。外交的な方たちは、この陽気なフロリダで、2か月の外出規制が解けた分、ことさらタガが外れてついでにマスクも羽目も外して、たまった鬱憤を発散している感じがします。

抗議行動がこれだけ世界的に盛り上がったのも、根強い人種問題と政策への不満に加えて、外出規制中の行き場のなかったエネルギーがあったのでは、と思います。


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