マガジンのカバー画像

経済の話

5
運営しているクリエイター

記事一覧

国家財政を考えてみよう その17:潜在的国民総負担率の国債比較の意味するところを考えてみよう

国家財政を考えてみよう その17:潜在的国民総負担率の国債比較の意味するところを考えてみよう

先週、財務省が、国民や企業が所得の中から税金や社会保険料をどれだけ払っているかを示す令和3年度の国民負担率が48・0%となり、過去最大になるとの見通しを発表した、と報じられた。

3年度国民負担率48・0% 財務省推計、過去最大:産経新聞 https://www.sankei.com/article/20220217-J5X264AVBRLARD2IAUXAXBEB5E/

財務省は国民負担率の国

もっとみる

国家財政を考えてみよう その13 プライマリーバランスは黒字化しなければならないのか?

大手マスコミで日本の財政再建が報道される時必ず言われるのが、「プライマリーバランスの黒字化目標時期が先送りされるのは問題だ」ということ。実際政府はプライマリーバランスを黒字化すると宣言し、目標時期もコミットしている。

そもそもプライマリーバランスって何?

初めてでもわかりやすい用語集
SMBC日興証券
https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/fu/J02

もっとみる
国家財政を考えてみよう その16:2019年10月の消費増税は本当に必要だったのか?令和元年度(2019年度)一般会計決算が参議院で承認

国家財政を考えてみよう その16:2019年10月の消費増税は本当に必要だったのか?令和元年度(2019年度)一般会計決算が参議院で承認

ものすごく久しぶりに財政の話を書きます。

令和元年度(2019年度)一般会計決算が参議院で承認されたというニュースが今日(2021年6月9日)流れました。

そこでその決算の数字を見てみると、

歳入決算総額: 109,162,375,922,318円
歳出決算総額: 101,366,467,228,454円

したがって
歳入歳出の決算上の剰余金は 7,795,908,693,864円

この

もっとみる

国家財政を考えてみよう その15: 「消費税増税と法人税減税は企業優遇」は本当か?

過去30年税制変更の積み重ねでもっとも大きなものは、消費税導入とその増税に対して、法人税率の引き下げで、直間比率を是正するという建前が一般的な認識だと思います。

これに対して、企業優遇との批判が繰り返されますが、本当にそうか?とふと思って数字を見てみました。

主要税目の税収(一般会計分)の推移:財務省
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condi

もっとみる
労働生産性の話その1:日本の労働生産性は世界一だと正しく認識しましょう。

労働生産性の話その1:日本の労働生産性は世界一だと正しく認識しましょう。

過去数年、政治の場でも、多くのマスコミでも、政治家や「有識者」が「日本は労働生産性が低い」と断じて、生産性の向上を訴えたり、生産性が上がらない理由を終身雇用のせいにしたりという、出鱈目が飛び交っています。

これ、真面目な話、出鱈目です。日本の本質的な労働生産背は世界トップクラスであり、決して低くありません。間違った現状認識を元に、政策を作ったり、法律を変えたりすることは、未来を歪めてしまいます。

もっとみる