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なぜあの人は痩せるのに私は痩せないのか?(解決編)~腸内環境に及ぼす運動×断食の素晴らしき効果~

チャールズ・ダーウィンは、人体の設計に関わる神を排除した。

ガリレオ・ガリレイは、人間中心の宇宙観を否定した。

ワトソンとクリックは、生命に宿る“何か”などないと証明した。

ドーキンスやデネットやガザニガは、心に魂など存在しないと断言した。

時代は常に進化している。

今や、私たち腸内に棲みつく何兆もの細菌たちの驚くべき機能や役割が、続々と理解され始めている。

これまで全く無視されてきたのが信じられないくらいだ。

さて、3章にわたってお伝えしてきたこの記事も今回の解決編が最終章となる。

ここでは、リバウンドをしない価値あるダイエットを実現するためには絶対に欠かせない、腸細菌の種類を増やす方法を紹介する。

ここまでの論点の要約|ダイエット成功の秘訣とは


前編と後編の記事で私は、リバウンドしないようにダイエットを成功する為の秘訣を、たった2点に絞った。

一つ目は、体重を減らすペースを早くし過ぎないこと。

脳にバレないようにゆっくりと体重を減らすということだ。

「急がば回れ!」は、長期的な意味でのダイエット成功のために、最もふさわしい格言だと私は思う。

二つ目は、腸内細菌の種類を豊富に保つことだ。

そうすれば、後は細菌たちが勝手にやってくれる。

つまり、ダイエットをしたい!痩せたい!と願う人たちは、体脂肪の量や筋肉の量、毒素の排出などを改善の指標に始めるのではなく、『脳』と『腸』に狙いを定めるべきなのだ!

脳と腸にとって適切な方法でダイエットを進めていけば、あなたがリバウンドで苦しむことはないだろう。

ところで上記した二つ目の秘訣、腸内細菌の種類を豊富にするにはどうすればいいのだろうか?

腸内環境を整える①|運動と腸内細菌

ここでは、信頼できる研究によって示された方法を2つご紹介する。

まずは運動と腸内環境との関係性だ。

結論から言えば、運動は腸内細菌の種類を増やす効果がある。

運動がどうやって腸内に影響を与えるか不思議に思うだろう。

ところが運動は、免疫系の刺激を与え、腸内細菌に化学シグナルを送ると考えられているのだ。※1

そして、ラットを使った研究では、回し車があるケージのラットは、回し車がないラットに比べて、(要は運動をするラットの方が)腸内細菌が合成する酪酸が2倍の量あったことがわかった。※2

詳しい解説はウィキペディアに譲るが、腸内細菌が合成する酪酸は、美と健康の為には欠かせない最重要物質だ。

さらに、ラグビーのアイルランド代表選手40人、年齢とBMIが同じアイルランド人23人、それから痩せたアイルランド人を比較した決定的な実験結果がある。

その結果では、ラグビーのアイルランド代表選手の腸内の細菌の多様性が圧倒的に高かった。

したがって、腸内細菌の多様性は運動量の高さと正の相関があると結論できる。※3

つまり、腸内の細菌の種類を増やすには、食事の管理だけでは不十分だと言えるのだ。

やはり私たちの人体は、活発に動くために設計されているのである。

※1:Viloria,M.,Immunol Invest(2011) Effect of moderate exercise on IgA levels and lymphocyte count in mouse intestine.
※2:Matsumoto,M.,Biosci,Biotechnol Biochem(2008)
※3:Clarke,S.F.,Gut(Dec 2014) Exercise and associated dietary extremes impact on gut microbial diversity

腸内環境を整える②|断食と腸内細菌


次に注目したいおすすめの方法は、“断食”だ。

アメリカとイギリスの大規模なプロジェクトが、腸内細菌に最も有益な食事パターンを調査した2015年の研究によると、断食を行ったグループの成績が最も良く、腸内細菌の多様性が大幅に向上していた。(特にアッカーマンシア属の増加)※4

断食と聞くと、宗教的な慣習やヨガのスペシャリストを想像するかもしれないが、そこまでのものでなくていい。

断食道場にこもる必要もない。

一週間のうちどこか2日間、1日の摂取カロリーを500~600キロカロリーに抑えるだけで十分有益な効果が得られることがわかっている。※5

この研究では2日となっているが、難しければ1日でもいいだろう。

どちらにしてもまずは試してみて、ある程度の期間で効果を自分で判断し自分で試行錯誤を重ねていこう。

そして言うまでもないことだが、毎日自分が口にする食材には細心の意識を向けるべきだろう。

私たちの体は私たちが食べたものでできている!と、お決まりの文句を言いたいところだが、ここにもう一つ付け加えなければならない。

私たちの体と、私たちの“腸内に棲みつく細菌たち”は、私たちが食べたものでできている!と。

※4:Remely ,M.,Wien Klin Wchenschr(May 2015) Increased gut microbiota diversity and abundance of Faecalibacterium prusnizii and Akkermansia after fasting : a pilot study.
※5:Hanley,C.,FASEB Journal(Apr 2015) A Systematic Review of the Literature on Intermittent Fasting for Weight Manegement.

エピローグ~ダイエット成功が意味するもの~

さて、ここまで3章にわたってお伝えしてきた、ダイエットとリバウンドにまつわる真実のお話は、いよいよ終わりを迎えようとしている。

私たちはなぜこんなにもリバウンドを繰り返すのか?

ダイエットが成功する人と失敗する人の、決定的な差は何なのか?

これらの理解を踏まえて、リバウンドせずにダイエットを成功するにはどういった方法が最も効果的なのか?

何を改善すればいいのか?

おそらく、ここまで読み進めてきた読者の方はこれらの問いに答える知識をすでに身につけたはずだ。

あとは行動を起こそう。

行動を起こさなければ、情熱は芽生えない。

だが、あえてここで立ち止まって自分自身にもう一度尋ねてみてもらいたい。

果たして、ダイエット成功があなたの人生の成功を意味するのだろうか?

理想の体重のその先に、人生の幸せを垣間見ることはできているだろうか?

答えが「イエス!」なら、今すぐ立ち上がるべきだ。

そう願う人たちの為になら全力を尽くしてあげたい。

そう、私は思っている。

この記事を書いた神尾健太という人物➤https://wp.me/P9oEaZ-41

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