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ボヤキ漫才はドツキ漫才より好き~詩と雑録

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つぶやき、ヘボな詩の、はきだめです。はあ~
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2022年5月の記事一覧

小詩集・海を意識した時

小詩集・海を意識した時

#海を意識したとき

12才のころだったろうか

僕が内なる変異を感じ

海を意識したとき

その巨大なプリズムの中で

僕は曖昧なシルエットになった

僕は意味をはぎ取られた

軟体動物のように

沈没してゆく睡魔の影になった

ああ生きることはできない

嵐がまきおこる

僕は海岸に打ち上げられていた

それからの流浪

時折海は眠たい水音をよみがえらせる

僕は幾度も変異を経たのかしら

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都市は共生空間

都市は共生空間

街の生き物に餌やりをすることは、迷惑行為とみなされています。

地域により、増えすぎた鳩やカラスに、住民が迷惑している、事実があります。また、度をこえた大量の餌やりをしている人もいるのかもしれません。

しかし、人間と共生する動物がいない都市は、一種の廃墟です。

餌やりを完全に禁止したら、鳩はふんをしなくなるんでしょうか。鳩は生きるために、食べられるものを探しますし、なんでも食べてふんをするでし

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現実の愉快な曖昧さ~詩三編

現実の愉快な曖昧さ~詩三編

断酒会ではいつも

アルチュウで糖尿病と

自己紹介をする

大酒呑みで糖尿病で死んだ

父と兄の思いでを語る

脳梗塞から片足をえそで喪い

静かな五年の闘病で亡くなった父

いつもベッドに寄り添い

老いを迎えた三毛猫

生への疑念に沈んでいた

私は父のように酒呑みになって

はたちの命をなんとか保った

やがて兄が糖尿病の

あらゆる合併症を併発し

八年の混乱のすえ

死んでいった

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