見出し画像

SNSが「アタリマエ」を破壊するしくみを考察してみた

今度は社会心理学を勉強しているので、社会心理学とSNSをテーマに「従来の価値観が破壊される話」をします。

参考図書はこちら。

私は毎日のように暇さえあればTwitterを見ているのですが、最近は実名アカウントも増え、“Twitter上の”有名人も増えたように思います。

そして、実名アカウントに対して誹謗中傷な言葉を投げかけたり、「どうしてこのツイートを読んで、そんな返信をするのだろう?」と首をかしげるような“クソリプ”を見かける機会も増えました。

いい意味でも悪い意味でも、個人が自由に意見を主張できる時代です。たった1つの投げかけを中心に、「何故、就活で髪の毛を黒くしなければいけないのか?」とか「何故、同じ会社に勤め続けなければならないの?」とか、「このビジネスマナーは何のために存在しているの?」といった問題提起が生まれているのをたくさん目の当たりにしています。なぜなのでしょうか。

人は生きていくために「同調」する

人間は社会を形成している特殊な生き物です。種として生き残っていくためには環境へ適応する必要があるのですが、人間はそれ単体ではとても弱い生き物です。生存競争に勝ち残っていくために、他人と言語を通じてコミュニケーションを取り、種を存続させるために社会を形成しました。

しかし、全員が自分勝手に行動してしまうと、協力関係も生まれず生存競争に破れて滅びてしまう。そうならないために「同調」というシステムを備えています。

有名な実験だと、線の長さが異なるA・Bがあったとして、自分以外の全員が「B」と答えると、被験者も「B」と答える確率が高くなるという結果があります。実際はAのほうが長い、にも関わらずです。

日本はコミュニティ間に差がない

日本におけるコミュニティの代表例は「村」でしょう。村の中では強力な結束が求められます。村では、ルールを破ると村八分されてしまったり、村の外からやってきた人に対して当たりが厳しかったりします。つまり、日本人は生来的にコミュニティ内で「波風を立てない」ことが染み付いている。それが生存していくための「同調」の仕組みゆえだったと考えられます。

日本は島国です。そして、同一民族です。歴史上、他民族からの攻撃を受けることはあったものの、異なる民族同士が交わることはほとんどありませんでした。

そして、文化や宗教に大きな違いが生まれることはなく、先述したような村の特長が、村によって(コミュニティによって)大きく異なることはなかったと推測されます。つまり、日本人すべてがほとんど同じ「アタリマエ」を共有していた。今考えると「なんだかおかしいな?」ということでも、みんながそう思っているし、そうなっているから、「アタリマエ」のままだったんです。

いきなり歴史を進めますが、この観点に立つと、日本企業の終身雇用制度と年功序列制度は、本当に日本に適していたんだなと感じます。同じ会社の中で勤め続けることは、同じ村の中で生きていくこととほぼ同義のように思います。

SNSが破壊した「アタリマエ」

インターネットが登場すると、情報革命と言われるように情報の流動性が高まりました。情報という面では物理的な制約を超えて、「インターネットがなければ知らなかったこと」も、簡単に知ることができるような世の中になります。

そして、SNSの登場。あらゆる個人が発信者となれることで、誰か一人が抱いた違和感に対して、同じ違和感を持っていた他の誰かが同調しやすくなりました。そして、冒頭に述べたような「これっておかしい!」の議論がどんどん増えていく。村や会社のような同じコミュニティの中でその違和感を唱えても、他のみんなにとっての「アタリマエ」だから、文字通りに出る杭打たれてしまうことのほうが多かったのではないでしょうか。

価値観が破壊され続ける世の中を生きていく

従来の価値観の変革は、いつどこで起こってもおかしくない時代です。これからも、これまで「アタリマエ」だったことがどんどん「アタリマエ」ではなくなっていくでしょう。

大切なのは、自分なりの倫理観や価値観なんだと思います。
同調という“人間として”標準搭載のシステムがあることは理解しながらも、物事の是非を決めるのは、どんどん自分自身の手に委ねられています。だから、いっぱい勉強すべき。

でも悲観することはなくて、自分なりの「生き方」が受け入れられやすくなっている時代になっているのではないでしょうか。SNSを通じて、受け入れてくれる人たちとは出会いやすくなっている時代だと思います。

そして、今の若い人たちは、SNSと一緒に生きてきたと言っても過言ではない人たちです。若い人たちは、今の大人の「アタリマエ」には染まらないという考え方の元で付き合っていくべきなんでしょうね。

現在の環境でビジネスをしていくのであれば、どういった変化が生まれようとしているのか、というアンテナをSNS上に張り続ける必要があるように思いました。Twitter最高。

BtoBマーケティングのプロを目指すため、日々精進しています! ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます! スキくれる方はみんな大スキです(*´ω`*)