かんべたかこ/介護の未来研究家

「わたしの看護師さん」代表。https://my-nurse.jp/ あさイチ出演、内…

かんべたかこ/介護の未来研究家

「わたしの看護師さん」代表。https://my-nurse.jp/ あさイチ出演、内閣府主催女性のチャレンジ賞 他。「家族がすべき介護」を代行、介護に前向きに向き合える社会を模索しつつ、ヤングケアラー支援を行っている。福岡出身。趣味は美味しい果物の発見。今は「おいCベリー🍓」

最近の記事

年末年始こそ「家族会議」のチャンス。介護の専門家でも、親の介護は難しい#04

今回こそは。 そう、密かな決意を胸に東京から福岡へ飛び立つ。 先日、数年ぶりに実家のある福岡に帰省しました。 目的は、父と「家族会議」をすること。 年末年始も迫る今回は、「家族会議」の話を書くことにします。 「老後の暮らし」について、避けられ続けた4年コロナの影響も徐々に緩和されたこと、仕事の予定が上手く重なり、鳥取から東京を経由して、福岡へという工程が実現したんです。 父親が脳出血で倒れてから4年。これまで何度か、介護が必要になってからの生活について話をしてきた

    • 無理のない介護で、最高の親孝行を。

      「もし今、介護がはじまったら。準備はできていますか?」 年末年始、ご実家でゆっくり過ごされた方も多かったのではないでしょうか。 久々に会う親御さんの様子は、みなさんの想像どおりでしたか? 「思ったより元気そうだった」という方もいれば、 「薬の量が増えている」 「以前よりも口数が減ったような気がする」 「手作りのおせちが、今年は市販のものに変わっていた」 など、少なからず「老い」を感じた方もいらっしゃると思います。 介護は急にやってきます。だからこそ事前に備えておくこ

      • 10代の頃から家族の介護をする、ヤングケアラー(架橋47号 2022年8月号 寄稿記事)

        ヤングケアラーという言葉。最近、メディアで取り上げられる機会も多く、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。ヤングケアラーとは、本来大人が担うと想定されているような 家事や家族の世話などを日常的に行っている子どものことを言います。 私は介護保険の対象にならない家事・介護を家族に代わってサポートする介護保険外サービス「わたしの看護師さん」をはじめ、昨年度からはヤングケアラーを対象にしたSNS相談窓口を運営しています。 昨年8月から鳥取県と協働してスタートしたLINE

        • 介護の専門家でも、親の介護は難しい。(遠距離介護実録#03)

          「まだ目が十分に見えてないし、右手も動きが悪いから、運転なんかできっこないでしょ」 「お父さんが車の事故を起こしたら、周囲の迷惑でしょ。なんで病気の親に無関心なんだって周囲に責められるから止めてね」 「とにかく、リハビリだと思って歩くようにしてよ」 「なんでそんなに理解してくれないの?これだけ家族が心配しているのに、本人がその気になってくれなきゃ、やってられないわ」 …… お恥ずかしながら、実父が退院に向けて試験外泊をした時、私が父に浴びせた言葉です。 父は庭先で

        年末年始こそ「家族会議」のチャンス。介護の専門家でも、親の介護は難しい#04

          私が日本最強の城を毎朝散歩するわけ#2

          「今日はストックではなく、雨傘なんですねー」 「いつもと服装が違うから、別の人かと思っていました」 「2-3日お顔を見なかったから、体調崩されたのかと心配してました」 米子城址を朝の散歩コースと決めてから、ほぼ毎日出会う男性がいました。 城友1号推定年齢75歳、背筋はまっすぐ伸び、肌艶もいい、歯並びもいい・・・・。満点のアクティブシニアです。(あっ、ついつい、人を観察してしまうという職業病が出てしまいました) 胸ポケットに入っている手帳に何やら記録を付けつつ、歩いていま

          私が日本最強の城を毎朝散歩するわけ#2

          私が日本最強の城を毎朝散歩するわけ#1

          出勤前に朝の散歩をはじめて50日を越えました。 みなさんから言われるのが、 「夜型だったのに簡単に朝型に切り替えられるの?」 「返って体調崩すんじゃない?」 「いつまで続くやら・・・・(笑)」 と、意見はマイナスなものが多い多い(汗) ただ朝散歩をはじめてみると、当初自分が思っていた以上に得るものがありました。 朝が弱い私がなぜ散歩を始めたのか40代も半ば過ぎ、いつまでも元気でいられる保証はなくなりました。 周囲の友人たちも高血圧だとか、高脂血症だとか、健康の不調

          私が日本最強の城を毎朝散歩するわけ#1

          親の介護は突然やってくる。50息子を救う、介護・家族のパーソナルコーチ

          「親の介護がはじまりました。どうしたらいいですか?」 私は介護保険外サービス「わたしの看護師さん」を運営していますが、冒頭のような相談がたびたび、電話やメッセンジャーで届きます。 無理もありません。親の介護は「突然」はじまりますから。介護は「事前準備が大切」と至るところで書かれていたり言われていますが、大抵は準備は「不十分」ですからね...。 今回はある1本の電話から、介護・家族へのパーソナルトレーニングがはじまったお話です。 介護の基本は、ご本人やその周囲の「力を活

          親の介護は突然やってくる。50息子を救う、介護・家族のパーソナルコーチ

          家族に暴力を振るう高齢男性の最期

          ある高齢男性にガンが見つかりました。 本人はすぐに精密検査をして、間に合うのなら手術をし、余生を過ごしたいという希望。 けれど、受診結果を知った家族からは意外な一言。 「もうお父さんは高齢だから、治療なんかしなくてもいい。 治療で苦しむ人もいるし、長生きしても良いことはない」 最近は、延命治療を望まない人たちが増えています。苦しまずに、自然に穏やかに最後を迎えたい・迎えてほしいという願いが背景にあります。 でも、ご家族から発せられた「長生きしても良いことはない」とい

          家族に暴力を振るう高齢男性の最期

          薬を過剰摂取してしまったおばあちゃんの本当の気持ち。不安で受診したがる高齢者たち

          「最近、腰が痛くなってきてね」 「この前、火を消し忘れてあわや火事になるところだったの」 「薬飲んだかな?って不安になるのよね」 介護が必要になった親の動向、心配は尽きませんよね。 危なっかしく見える日々の様子を心配して、親が怪我をしないようにあれはダメ、これはダメ、ヘルパーさんに来てもらいましょうと、転ばぬ先の杖をたくさん用意する。そうやって、まわりの気持ちが先行して介護がすすむことがあります。 でも、親の、高齢者自身の本当の思いに気づかずに、自由を奪う介護をしてしま

          薬を過剰摂取してしまったおばあちゃんの本当の気持ち。不安で受診したがる高齢者たち

          介護の専門家でも、親の介護は難しい。(わたしの遠距離介護#01)

          介護の専門家でも、親の介護は難しい。(遠距離介護実録#01) 「お父さんが倒れたの」 母から連絡が入った。 幸い一命は取り留めたものの、病状は、脳出血。 いつか、そろそろかとは思っていたけど。 いざ目の前にすると「突然」だと慌ててしまう。私にも「遠距離介護」が急にやってきた。 「ピンピンコロリたい」 なんて言っていたのに。 —看護介護の専門家が家族に代わって病院受診や見守りを行う、『わたしの看護婦さん』を運営するかんべたかこです。 遠距離介護の家族を支えるサービ

          介護の専門家でも、親の介護は難しい。(わたしの遠距離介護#01)

          自分の暮らしと親の介護を両立する、ハイクオリティな介護サービス「わたしの看護婦さん」

          「介護のことはよく分からないけど、年老いた親をいたわってあげたい」「年齢相応だと言われても、親が健康であり続けることを諦めたくない」 「今、自分があるのは親のおかげ、恩返しができるまで長生きしてほしい」 親にはいつまでも、長生きして欲しい。 親御さんが住む地域から遠く離れて暮らしている息子さんから寄せられた声です。 親御さんは90歳越え。高血圧症や糖尿病、認知症などのご病気を抱えていらっしゃいます。 悪化しないためにも毎日の内服は欠かすことができませんが、認知症がある

          自分の暮らしと親の介護を両立する、ハイクオリティな介護サービス「わたしの看護婦さん」

          久々の帰省だからこそ、親と介護について話しておきたい6つのこと聞くポイント

          コロナ禍で迎える2回目の年末年始。感染者数がいったんの落ち着きを見せ、いよいよ今年は帰省できると荷造りに励んでいる方も多いと思います。 ようやく対面して話すことができる年末年始の帰省。そんな今こそ、親の介護について話してほしいことがあります。 ついつい、「まだ元気だから...」「また会えるから」と介護の話題は後回しにしてしまいがち。でも、いつか必ず訪れる親の介護。「まだ先」は大間違いで、そのときは突然訪れます。  親と介護について話しておきたい6つのことを、具体的な聞き

          久々の帰省だからこそ、親と介護について話しておきたい6つのこと聞くポイント

          価値観を通せない介護保険サービス

          アナタはどっち派? スプーンを筒状の入れ物に立てるとするならば、持ち手を上にするか下にするか、さぁどっち? スタッフの意見が二分しています。 スプーンを取る時に口に入れる方を手で触れるのがイヤなので、持ち手を上にしたいとスタッフが提案してくれました。 もう一人のスタッフは、筒の下に埃が溜まるから、口に入れる方を底に向けるのがイヤだと。 色んなお宅に訪問していると、掃除の仕方や洗濯物の干し方、千差万別で面白い。 面白いくらいなら良いのですが、こだわりのお宅もあり、タオル

          価値観を通せない介護保険サービス

          地元銀行と協業する意味

          【鳥取銀行と協業します!】 この度、N.K.Cナーシングコアコーポレーション合同会社は、鳥取銀行と業務協定を結びました。 え?介護と銀行?関係あるの?ってピンと来ないかもしれません。 わたくし、かんべたかこには、こんな思いがあります。 「公的制度だけでは介護が賄いきれず、 困っておられる高齢者の方やご家族様がいる。 そんな方々へ、保険外介護サービスを、 迅速にお届けできるようにしたい」。 今回の協業は、それを実現する1つのステップとなります。 コロナ禍と少子高齢

          地元銀行と協業する意味

          ヤングケアラー支援にご協力をお願いします。

          ヤングケアラーSNS(LINE)相談窓口を、全国に先駆けて8月からスタートしました。 運営から2ヶ月で、 登録者、67名 延べやり取り件数 919回 (集計期間:2021年8月1日〜9月30日) 相談は、中学生や高校生のヤングケアラーから。(中には、成人を迎えた若者ケアラーも)一人当たり、約30回の相談のやり取りが続いています。 鳥取県は電話による相談窓口を2021年4月から、県内3拠点で開設しています。 私たちのLINE相談窓口に相談が多く寄せられるのは、平日の2

          ヤングケアラー支援にご協力をお願いします。

          自分のため、家族のために。実際に終活ノートを書いてみた。

          親御さんやご親戚さんの介護が心配な世代のみなさま、こんにちは。 介護をする人の応援団をしている神戸です。 介護に関する講演で、 「人生会議をしましょう。親御さんがピンピンしている間に、受けたい介護や医療について話し合いましょう」 とお伝えしますが、コロナ禍において、その話し合いがもてるお盆もなくなってしまいました。 私自身、40代半ばを越えまして、若い時みたいに子どもと海水浴に行くようなこともしなくなりました。だって、日光を浴びるだけで疲れてしまうんですもの・・・。

          自分のため、家族のために。実際に終活ノートを書いてみた。