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「胸が熱くなるよ。スタジオマンってなんだ?」

お世話になっております。代表ことカメラマンの植田翔です。
文章書くことがちょっと恥ずかしいのですが、今回は私が経験したことのお話をさせていただきましょう。

みなさんスタジオマンって職業ご存じですか?
広告写真撮影を行うスタジオに勤めているスタッフのことで、プロカメラマンの指示に従いストロボ機材などの準備や撮影の補助などを行い
ます。私も都内のスタジオに2年半ほど勤めて修行しておりました。

この日々が今思えばエモいのなんの。

というのも当時カメラマンになるための登竜門として全国から志高い連中が集まり、業務はけっこう厳しめ。
広告撮影ってたくさんのクリエーターが関わり、タレントさんを企業が起用して限られた時間で撮影を進行していくので些細なミスもできない緊張感のある現場です。入社当初は簡単な片付けやお客様の車の駐車の補助など、これ誰でも出来るんじゃねの?と思う業務ばかりでなかなか撮影機材など触らせてくれません。
先輩からは「ホテルマンのように気を配って動け!」と叩き込まれます。
あれ?カメラマン目指してきたのにホテルマンにならなきゃいけないの?

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と最初は何もわからず戸惑いますが、写真を撮る上で気を配る大切さは後々になってわかりました。
空いた時間に自分で使い方を勉強したり、先輩に頼んで遅くまで会社に残ってもらいテストなどみてもらってたりしました。
そうして1年程でメインスタッフとしてスタジオに入り、プロカメラマンさんの指示を直接聞いて自分で考えて撮影をお手伝いしていくんです。
プロの方々に「きみ良い動きするね!」なんて褒めてもらえたりした日は最高な気分で撮影終了後の片付けをしていたもんです。
そして大体の人が2年程でスタジオマンを卒業して好きな写真家の専属の弟子になったり、そのままフリーランスとして活動したりしています。

仕事になれてきた頃にはエモさボルテージがぐんぐん上がっていきます。

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一人暮らししていたアパートに同期の友達があつまって、「将来こんなカメラマンになってやる!」なんて酎ハイ飲みながら話してましたし。
職場が恵比寿で大体の人らが三茶や学芸大学駅近辺に住んでいて自転車で通勤してるなんてエモさ最高潮でした。
仕事帰り・夜の目黒川・いつか夢叶えようぜ。なんて、まるでおしゃれな青春系MVの主人公になってるかのような錯覚。
まだ何も成し遂げていないけど、「東京で俺夢に向かって頑張ってます感」全開放出で今思うと恥ずかしいですね。


ただ真面目な話1年くらい勤めたら多くの人が葛藤してた気がします。


そう。エモさとは裏腹に毎日同じ場所で変わらない職場風景の中、激務の撮影お手伝いの繰り返し。
これがなかなか辛いのです。
スタジオマンは基本お客様のカメラマンのお手伝いなので仕事で写真は撮りません。
仕事として写真を撮りたくてうずうずしてて、カメラマンになりたいのにお手伝いばっかり写真の技術があがらない!もう自分で作品作って売り込む!なんて言って辞めた人は何人もいました。

もちろんスタジオマンは辞めたけどその後カメラマンとして成功している人も何人もいますが、当時はどんどん同期や先輩がいなくなるのはけっこう辛かったです。9人いた同期も1年で3人しか残ってませんでした。

理想と現実は違い、いつまで下積みを続けるんだろうと考えると虚無感が容赦無く襲いかかってくる。
ここくらいでエモさに浸っていた私がマジになれた気がします。

諦めることや道を変えることを否定するわけではないのですが、いつかのゴールのためにひたすら努力を続けることは難しいことだと思います。


それから2年半勤め、退職後はプロカメラマンの専属の弟子(直アシスタント)になり4年修行してさらに下積みました。
おかげさまで昨年カメラマンとして独立でき、今はスタジオマンの時とは違う悩みがたくさんあり、それはそれで大変ですが楽しく生活してます。

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修行って聞くと覚悟を持って厳しい経験に耐えなきゃいけないみたいなイメージしちゃいますけど、スタジオで過ごした時間は同じ夢を持つ友達たちと真剣に部活動してたような日々でした。

今回はこの辺で。
引き続き次回もよろしくお願いいたします。



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