BellingReagan(ベーリングレーガン)

ジャパン生まれニッポン育ち、現在日本在住中!

BellingReagan(ベーリングレーガン)

ジャパン生まれニッポン育ち、現在日本在住中!

最近の記事

【古都を眺めて#2】〜身体を扱う〜

少し古い本になるが養老孟司さんのヒット作「バカの壁」の中でこんなことが書いてあった。 「教育とは身につけるもので、頭につけるものでない」 なるほどなぁと唸らされる思いだった。 現代人は物事を頭で理解できると思い込んでいる。知らないものの答えはgoogleで調べればいいだろ、と言うが「分かる」ということを軽んじている。 例えば転んだ人の痛みを知りたい時、googleに聞けば分かるのだろうか。初めて満天の星を見た時の感動はAIに聞けば分かるのか。 ウクライナ戦争について僕たち

    • 【古都を眺めて#1】〜遅く考える〜

      21世紀は情報の時代と称されることがよくある。毎日世界中からニュースが手元のスマホという金属板に飛び込んでくる。 はやく、楽に、効率よく。 18世紀から今日に至るまで産業は基本的にこのモットーで発展してきた。作業の機械化、蒸気機関による交通革命、そして情報革命。 確かに人口の大半が貧しかった時代と比べると生活は楽になったし、便利になったし暮らしは豊かになったのだろう。 この流れにならって、僕たち人間も「はやく考えれる」ようになった。 分からない言葉はgoogleで調べれば

      • 日本在住日記#9 マスク

        新型コロナウイルスの感染拡大が終息に向かっている昨今、マスク問題が残っている。 いわゆる外す外さない問題だ。 僕は普段は外すようにしているが、公共交通機関を利用する際は必ず着用または顎マスクをしている。これは感染拡大防止というより完全に世間体を気にしているからだ。 住んでいるのが田舎で、変な噂が回りやすいのもあってマスクを持っているというだけで安心感がある。 今日も用事で外出をした。 最寄りの駅に着き電車に乗ると、マスクを忘れたことに気づいた。 しかし心配無用だ。かばんに予

        • 日本在住日記#8 忘れ物

          ワイヤレスイヤホンを失くさない人達を心から尊敬している。 いわば、忘れ魔である自分とは正反対に位置するので、畏怖の念すら覚える人種なのだ。 ワイヤレスイヤホンを失くさないということは、几帳面さの最骨頂である。 あれほど小さなモノにまて気を配れる彼らは、きっと恋人がネイルを変えた時はいち早く察知して、飲み会で輪に入れていない人がいたら声をかけて、手持ちの小説のブックカバーは綺麗なままで、小さな秋を見つけられる豊かな感性も兼ね備えてるはずだ。 それに比べて僕は忘れ物ばっかりだ

        【古都を眺めて#2】〜身体を扱う〜

          日本在住日記#7 新年の抱負

          僕にはアホの友人がいる。 そいつとは1年に1度だけ大晦日の日に会う仲だ。 今年もその友人がやってきた。 そいつのことは謎ばかりで知らないことがたくさんある。 3年前に出会い、名前を聞いたら「難しい方のダニエル」と答えた。難しい方の渡邉や齋藤なら聞いたことがあったが、ダニエルにも難しい方があるとは知らなかった。 一昨年は誕生日を尋ねてみた。「今年は10月2日だった」と答えた。僕はダニエルにその年も、翌年も、死ぬまで誕生日は10月2日であることを教えてあげた。 去年はこちらも

          日本在住日記#7 新年の抱負

          日本在住日記#6 食パンマン

          街を歩くのは楽しい。いろんな人間に出会えるからだ。 人間観察が趣味といったら少々気味悪がられるが、人を見るのは面白い。 今日も新宿の街を歩いていた。 すると一際存在感を放つ女性が目に映った。ハイヒールがよく似合い、黒くつややかな髪をたなびかせて歩く姿は凛としている。 なにより目立つ理由は彼女の、パリコレでしかみたことがないような個性的なファッションである。 アウターの肩の部分が大きく突き出ていて、さらに角は直角になっている。 わかりやすく例えるなら「胴体版食パンマン」だ。

          日本在住日記#6 食パンマン

          日本在住日記#5 おにぎり

          以前、日本人とオオサカ人のハーフの友人と名古屋に行った時、おにぎり専門店で買ったおかかおにぎりを片手に城下町をブラブラ巡っていた。 名古屋城を左手に眺めながら友人が話し始めた。 友人「ベル、お前は日本に来て間もないからおにぎりってなにか知らないだろ?」 ベル「今食べてた rice ball のことだろ? おいしかったぜ。成り立ちってなんだ?」 友人「そうか。おにぎりにはこんな伝説があるんだ。ここらの地方はな、昔っから稲が豊富だったんだ。将軍様から農奴までみーんな米を主

          日本在住日記#5 おにぎり

          日本在住日記#4 クビ(後編)

          (前編から続き) そうして家へ着いた後に僕は接骨院に向かった。 接骨院の先生に「周りを見ていたら首を痛めた」という旨の内容をカクカクシカジカ説明する。 先生は僕が共通テスト直前だということも知っていたので、心配してくれた。 試験に影響が出たら大変だということで、電流を流したりマッサージをしてくれた。 先生には感謝だ。 しかしそれでも足りないと思ったのだろうか。 帰り際に首輪(コルセット)をつけられた。 え? 大袈裟じゃね? 完全に重傷者だ。電車に乗れば妊婦さんに席

          日本在住日記#4 クビ(後編)

          日本在住日記#3 クビ(前編)

          日本の大学入試制度には共通テストというものがある。(旧センター試験) 試験は1月の中旬に行われる全国の高校生が受けるテストだ。 過去には僕もその試験を受けたことがある。今日はその時の話をしよう。 それは冬休み明け最初の登校日。忘れもしない1月6日。試験の1週間前だ。簡潔にいうと、その日の2時間目の体育の授業で首を痛めてしまった。 サッカーで怪我をしたと聞くと、深刻な事故を思い浮かぶだろう。 「コーナーキックで相手と競り合って頭から着地をし首を捻った。」 「相手の強烈なシュー

          日本在住日記#3 クビ(前編)

          日本在住日記#2 スタバ

          スタバの小洒落た雰囲気が苦手で僕のような田舎育ちのものを寄せ付けないような空気を感じられるので、いつも飲み物を注文するときは変な緊張をする。以前スタバ特有のショート、トール、ベンティといったサイズ表記を知らず「普通サイズで。」と頼んで 店員に「え?普通ですか?え?トールですか?」 僕「トール?いえ、普通で。」 店員「。。。」 と恥をかいたことがあるが、今回は予習済みだから心配ない。僕は堂々といった。 「スターバックスラテの、トールのホットサイズで。」 間違えた。さすがにス

          日本在住日記#1 文化祭のこと

          こんにちはベルです。今日は僕が日本の高校に通っていた頃の話をしたいと思います。 日本の高校には文化祭と呼ばれる行事がある。祖国でいうところのBravo Educational Festivals(通称BEFs)にあたるイベントで、各クラス劇や動画、屋台、展示等を行う。 そこで僕のクラスは劇でアラジンを演じることになった。 主役のアラジンは…僕だ。外国人だからという理由だけで主役を押し付けられた。別に主役が嫌ではなかったが、「ベル!お前アラブ系のハーフやから、呪文とか使える

          日本在住日記#1 文化祭のこと