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日本在住日記#5 おにぎり

以前、日本人とオオサカ人のハーフの友人と名古屋に行った時、おにぎり専門店で買ったおかかおにぎりを片手に城下町をブラブラ巡っていた。

名古屋城を左手に眺めながら友人が話し始めた。

友人「ベル、お前は日本に来て間もないからおにぎりってなにか知らないだろ?」

ベル「今食べてた rice ball のことだろ? おいしかったぜ。成り立ちってなんだ?」

友人「そうか。おにぎりにはこんな伝説があるんだ。ここらの地方はな、昔っから稲が豊富だったんだ。将軍様から農奴までみーんな米を主食にしていたらしい。あまりにも稲が取れちまうもんだから、道端に米がいっぱい落ちてたんだ。今じゃ考えられないだろ?食い物に困ることなんてなかったんだ。」

ベル「ほほーん」

友人「そんでな、ある時山奥に住む翁が米の入ったお茶碗を落としてしまうんだ。落とした米の塊は坂道で転がり始めたんだ。そしたらよ、転がるにつれて雪だるまみたいに地べたの米がくっついていってドンドンドンドンデカくなっちまうんだ。」

ベル「これがおにぎりの発明なんだな」

友人「まだ続きがあるんだ。転がり続けた米の塊は山を下り終えるころには町を覆い尽くすくらいに巨大になっちまったんだ。名古屋の町は大パニック。その大きさってのはな、海を挟んだ遠くの国からも視認できるほどの大きさだ。そしてその巨大な米の塊を見た外国人は言うわけだ。
『oh… rice ball !!』」

ベル「すげぇ!!!!!!」

友人「ほんでな、その巨大な米の塊が名古屋城に衝突する直前で、憎まれ恐れられていた『鬼』がやってきてそいつをぶった切るんだ。

なんとか大惨事は免れて鬼と人間はうまくやっていくわけだな。それから鬼への感謝と敬意を表し、米の塊を『おにぎり』って名付けたんだ。」

ベル「すげぇぇぇぇ!!!!!!本当かよ!?」

友人「全部嘘だ。」

ベル「lies ball !!!! (嘘の塊)」

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