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日本在住日記#9 マスク

新型コロナウイルスの感染拡大が終息に向かっている昨今、マスク問題が残っている。
いわゆる外す外さない問題だ。
僕は普段は外すようにしているが、公共交通機関を利用する際は必ず着用または顎マスクをしている。これは感染拡大防止というより完全に世間体を気にしているからだ。
住んでいるのが田舎で、変な噂が回りやすいのもあってマスクを持っているというだけで安心感がある。

今日も用事で外出をした。
最寄りの駅に着き電車に乗ると、マスクを忘れたことに気づいた。
しかし心配無用だ。かばんに予備マスクを常備しているので、予備マスクを取り出そうとした。

あれ。

ない。

ないぞ。

ない…予備マスクがない‥!

すると空は急激に暗くなり、重くなり、不気味な雰囲気を漂わせる。
遠くからは雷鳴が聞こえる。

ピンチだ。大ピンチだ!

僕の膝の震えで地球は少し揺れた。

もう一度鞄を確認する。

ん、?

いや

あったぞ。

あったぞ!!!

マスクがあったぞーーー!!!!

僕の心の歓喜は地をはり、海を超え、遠くアメリカ合衆国の自由の女神像にまで伝わった。
すると自由の女神の右手に持つロウソクから日本の上空を目掛けてレーザー光線が放たれる。
どんよりとした重たい空をレーザー光線が撃ち抜き悪天を切り裂いた。
その空の隙間から希望の光が車窓に差し込み、僕の手元を照らす。

アイマスクやないかい!!!!!

全米がずっこけた。

仕方がないのでアイマスクで顎マスクをしてバレないようにした。


アイマスク・アゴマスク 氏

ツッコまれようがお構いない。マスクはマスクだ。自信を持って着けた。

しかし花粉症でくしゃみや鼻をかんだりしているのになんでマスクを鼻に着けないのだと怪奇の目で見られる。

僕は赤面して頬が熱くなっていただろう。

しかし、それより熱いのはホットアイマスクに熱せられている顎だった。



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