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【古都を眺めて#2】〜身体を扱う〜

少し古い本になるが養老孟司さんのヒット作「バカの壁」の中でこんなことが書いてあった。

「教育とは身につけるもので、頭につけるものでない」

なるほどなぁと唸らされる思いだった。
現代人は物事を頭で理解できると思い込んでいる。知らないものの答えはgoogleで調べればいいだろ、と言うが「分かる」ということを軽んじている。
例えば転んだ人の痛みを知りたい時、googleに聞けば分かるのだろうか。初めて満天の星を見た時の感動はAIに聞けば分かるのか。
ウクライナ戦争について僕たちはニュースで耳にして衝撃な映像も見られるが、それで戦争について分かった。と言えるのだろうか。
人の気持ちについても同じだ。頭で完全に理解できることなどあり得るのだろうか。

現実はもっと複雑で多様である。

日本は八百万神の国で、不気味で曖昧な自然を柔軟に捉えて上手くやってきた。対して西洋の自然哲学は理性をもって世界を捉えようとしてきた。

現代は理性を過信しているのではないか。

少し前まで勉強漬けの毎日だったが、最近は余裕が生まれ趣味で運動をするようになった。体を動かした日はよく眠れる。
次の日はお腹いっぱい食べれて元気になる。
こういう当たり前のことを身体で理解していなかった気がした。
逆に運動をしないと夜眠れない。
自分の身体について知りたければ身体を動かすのが1番早い。脳で理屈をこねているだけではだめだ。

養老さんはこんなことも言ってた。

「個性とは身体に宿るもの」

京都には散歩道がたくさんある。

気が向いたら明日も出かけてみよう。



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