【速報】作曲家、カイヤ・サーリアホ死す
フィンランドの現代作曲家、カイヤ・サーリアホ(Kaija Saariaho 1952年生まれ)が6月2日、パリの自宅で亡くなった。享年70歳。
生きている作曲家の中で、最も演奏されている1人だった。noteで1月に取り上げたばかりだ。
2022年の演奏回数で、男性も含めた存命作曲家の11位、女性ではソフィア・グバイドューリナ、アンナ・クラインにつづいて3位だった。
2022年、最も演奏された存命作曲家(bachtrack調べ)
Top 20 contemporary (living) composers (☆印が女性 11位以下は女性のみピックアップ)
1. Arvo Pärt
2. John Williams
3. John Adams
4. Thomas Adès
5. Philip Glass
6. Jörg Widmann
7. Sofia Gubaidulina ☆
8. Anna Clyne ☆
9. Wolfgang Rihm
10. Sir James MacMillan
11. Kaija Saariaho ☆
12. Olga Neuwirth ☆
14. Unsuk Chin ☆
15. Cecilia McDowall ☆
16. Anna Thorvaldsdottir ☆
19. Missy Mazzoli ☆
20. Errollyn Wallen ☆
現代作曲家の中でも、きわめてスケールが大きく、美しく壮大でかつ神秘的な音響空間を築く作曲家だった。
サーリアホ「オリオン」(2002)
サーリアホ「ラテルナ・マジカ(マジック・ランタン)」(2008)*本人が登場してインタビューに答える
サーリアホ「6つの日本庭園 武満徹を偲んで」(1994)*1993年夏に京都の庭園を訪れたときの印象を音にしたもの
マルチメディアアーティストのフランス人、ジャン=バティスト・バリエールと結婚し、2人の子供がいる。
家族名で以下の声明が出ている。
家族によれば、2021年2月に脳腫瘍と診断されたが、意識は最近まではっきりしており、作曲活動を続けた。骨折により車椅子生活を余儀なくされ、免疫不全症でコロナに2度感染した。死因は脳腫瘍(brain cancer)。
遺作のトランペット協奏曲は8月に初演される。
あまりに早い死に驚く。
彼女の音楽への注目と評価はこれからも上がっていくだろう。
ご冥福を祈りたい。
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