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毎日新聞と産経新聞は合併しなさい

古巣の新聞業界の昨年のニュースをぼーっと見てたら、大異変が起きていた。

毎日新聞の部数が、3位から5位に転落していたのである。

2020年9月度の部数(ABC)で、まず中日新聞に抜かれ(中日208.3万部、毎日207万部)、

そして10月度部数で、日経新聞に抜かれた(日経206.9万部、毎日205.9万部)。

現在、日本の新聞部数は、

1位 読売 770万部

2位 朝日 510万部

3位 中日 210万部

4位 日経 206万部

5位 毎日 205万部

6位 産経 130万部

みたいな感じになっている。

朝日が410億だかの大赤字、というニュースは見たが、毎日の5位転落は、話題にもならなかった気がする。

それ自体が、毎日新聞の凋落を示しているだろう。

「朝毎」時代は、昭和の初期から半世紀は続いた。戦後すぐは、毎日のほうが朝日より多かったはずだ。

その後、「朝毎読」の時代になったが、もうその時代も終わった。

中日はブロック紙だから、日経は経済紙だから、と言うなら、少なくとも「読朝毎産」と、産経を入れないとおかしくなった。

産経が最近、微増だが、部数を増やしている。毎日の激しい落ち方からすると、産経に抜かれる可能性もゼロではなくなってきたのだ。

最近の毎日の論調は、「桜」にせよ、「学術会議」にせよ、赤旗と見分けがつかないほど左傾化している。

これは、やはり部数が苦しいからだろう。活動家や運動体に向けた紙面は、一時的に部数を増やすカンフル剤になる。

しかし、雑誌などで、潰れる前に誌面が過激化するのは、よくあることだ。例えばマガジンハウスの「ダカーポ」は、なぜか左翼系の書評家を使い始めて政治化したなと思ったら、そのあとにすぐ潰れた。

私は神奈川に住んでいるが、「革新」が強い神奈川でも、最近、毎日新聞のプレゼンスはほとんどない。近くの図書館にもない(読売、朝日、神奈川新聞にスポーツ紙しかない)、コンビニでも売っていない(朝日、読売、日経とスポーツ紙、業界紙)。

私は、毎日は産経と合併すればどうかと思う。左と右で中和されて、ちょうどいいのではないか。

毎日と産経は、関係が薄いと思われるかもしれないが、案外そうではない。

毎日も産経も大阪発祥で、産経新聞創業者の前田久吉は、大阪毎日新聞の取締役も務めていた。

福沢諭吉が創刊した時事新報の経営が傾いたとき、最初は毎日新聞が救済を任されたが、毎日はそれを前田の産経新聞に譲った。

毎日新聞、時事新報、産経新聞は、大きく「実業系」である特色がある。つまり、いずれも実業界をバックに創刊した新聞だ(ほかは政界などをバックに持っていた)。

結局、毎日も産経も、実業系の高級紙であった時事新報を救済できなかったが、その遺産は、毎日と産経の両方に流れ込んでいる。いま、時事新報の題号や著作権などは産経が引き継いでいるが、日本音楽コンクールなどの時事新報のイベントは毎日が引き継いでいる。

だから、毎日と産経が合併し、シン時事新報という名の新聞にでもなれば、泉下の福沢先生もお喜びになるというものだ。ついでに名前が似ている時事通信社も一緒になればよい。

なお、政治的に右や左に傾きがちな政党系新聞を排し、日本で最初に「不偏不党」を新聞の綱領にしたのは、福沢の時事新報である。




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