五月に野の花を食べる・その2・エルダーフラワーの4つの食べ方
先週花を摘んだアカシアの木は、雨が降ったこともありもうすっかり花は終わっていますが、にわとこはまだ咲き続けています。
アカシアとほぼ同時期に咲くにわとこの花=エルダーフラワー。
アカシアよりも少し先に咲き始め、アカシアの花が終わっても一、二週間は咲き続けます。
エルダーフラワーもまた食べられます。というか、こちらの方が西欧では一般的かも。
料理をするためにたくさん花を摘んで家に持ち帰ると、料理を終えた翌日も家中花の香りで一杯で嬉しくなります。
今週はエピソードなしで、にわとこの花=エルダーフラワーの食べ方を4つご紹介します。
1・エルダーフラワーのお好み玉子焼き
(ソルティー&ベジタリアン)
今回も2番目に揚げ物のレシピを書きますが、揚げ物はキッチンが汚れるし、太るし、できれば避けたい、と思う方も少なくないと思います。
私もその一人。
そこで一つ目は、エルダーフラワーの香りを活かす簡単レシピ。
一人分でもささっと数分で作れる手軽さが嬉しいです。
「お好み玉子焼き」と名付けたのは卵だけだと卵の味が強過ぎるので、和らげるために薄力粉を少量足してみたら、
「これちょっとお好み焼きっぽくない?」と思えたので。
でもお好み焼きほど沢山薄力粉は入れません。
<材料> 1人分
・エルダーフラワー 2−3房
・卵 中 1個
・小麦粉 大さじ山盛り1杯(約20g)
・ブイヨン ペースト状または顆粒 なければ塩でOK
<作り方>
1・エルダーフラワー は洗って太めの枝は除いておきます。
2・ボウルに卵を解きブイヨンを加えます。
*ここでは自家製野菜のブイヨンを使用していますが、既製品の顆粒や粉末、ジェル状のものでもOK。
それもなければ塩適量だけでも可。
自家製野菜のブイヨンのレシピはこちら:https://note.com/kajorica/n/n9b026f6654e6
3・2に1のエルダーフラワーを加え、必要なら少し水を足します。
4・小さめのフライパンにオイルを熱します。
*オリーブオイルだと重たくなるのでサラダ油でOK。
写真では食用アーモンドオイルを使用しています。
5・4に3を流し込み、中まで火が通るように両面焼いて出来上がり。
お好み玉子焼きと名付けましたが、お好みソースは味が強すぎます。
もしも物足りなかったら少しだけマヨネーズを足してみてください。
2・エルダーフラワーと干し葡萄のフライ
(ソルティー&ビーガン)
またまたフライですが、こちらは上新粉と水だけのとてもシンプルな衣にしました。
衣はシンプルですがエルダーフラワーと干し葡萄のコンビネーションがとても美味です。
<材料> 2人分
・エルダーフラワー 8−10房 *大きさにより加減
・干し葡萄 一掴み *好みで量を加減
・上新粉 80g
・冷水 適量
・塩 適量
・揚げ油
・レモン
<作り方>
1・干し葡萄はぬるま湯に15−20分程度漬けて絞っておきます。
2・エルダーフラワーは洗って太めの枝は除いておきます。
3・ボウルに上新粉と冷水を合わせます。好みで白ワインを足してもOK
4・3に1の干し葡萄と2のエルダーフラワーを混ぜ込みます。
5・たっぷりの揚げ油で4を一口大に揚げます。
6・熱々をテーブルに運び、レモンの絞り汁をかけていただきます。
*私観ではお醤油、天つゆ系の調味料はエルダーフラワーには似合わないと思いますが、個人の好みで判断してください。
3・エルダーフラワーとレモンピールのジャム
(スイート)
<材料>
・エルダーフラワー 30房
・レモン4個 皮にワックスのかかっていないもの。
・上白糖またはグラニュー糖 300g
・水 100ml
<作り方>
1・小さめの鍋に湯を沸騰させ、レモンの皮を薄く剥いたものを投入し、10分間茹でます。
*この工程はレモンの皮の苦味を取るために行います。
2・エルダーフラワーは洗ってできるだけ枝を除いておきます。
3・大きめの鍋に2のエルダーフラワー、砂糖、水を入れて弱火にかけ、花の水分が出てきたら中火にして煮ます。
4・1が茹で上がったら小さく切り、3に加え20ー30分程度水分が概ね飛ぶまで煮込みます。
*ジャムの場合、花だけを使うのが理想ですが、残ってしまった枝は煮ている間にできるだけ除くようにします。
5・皮を剥いたレモンは2個分汁を絞ります。(残りの2個は次のレシピのシロップに使用)
6・4火を止める3分前に、5のレモン汁を加えます。
*この量で大きめのジャム瓶1個分なので、今回は瓶消毒、真空加工、という工程は省きました。
以前ミラノの知人がフェースブックでエルダーフラワーのジャムが美味しいと力説していたので、昨年初めて作ってみて、二人の友人にプレゼントしたら好評でした。
「こう言う食べ方もある」という意味では興味深いです。
お花のジャムというのも洒落ています。
でも正直なところ、心底美味しいと思うのは「にわとこの花」ではなく「にわとこの実」のジャムです。
「にわとこの実」は生で食べるとあまり味がしないのに、お砂糖で煮込むととても奥深い味になる不思議な実なのです。
こちらは実のなる7月頃に投稿する予定です。もちろん花だけでなく実も八百屋やメルシェでは見つからないのでどこかまで取りに行って来ます。
4・エルダーフラワーのシロップ、パオラ風
(スイートドリンク)
エルダーフラワーのシロップは冷水で薄めて飲むと、爽やかに喉の渇きを癒してくれます。
薄めずにパンケーキのシロップとしても良い香りで素敵です。
北イタリア以北の欧州諸国で広く作られているもので、広範囲で作られる大衆料理同様、作り方には幅広いヴァリエーションがあります。
このレシピは親友パオラのものでりんご酢を入れますが、他にりんご酢を入れるレシピを知りません。
<材料>
・エルダーフラワー 15ー20房
・レモン2個
・水 1lt
・上白糖またはグラニュー糖 1000g
・りんご酢 100ml (パオラのレシピでは 200ml でしたが半分にしました。)
<作り方>
1・エルダーフラワーは洗って太い枝を除いておきます。
2・レモンはスライスします。
3・容器に1、2と水1ltを入れ3日間冷暗所に置きます。
*冷蔵庫に保管しました。
4・3日経ったら液体のみを取り出します。鍋の上に大きめのザルを置き、清潔な布巾を広げます。
5・4に3を流し入れ、絞ります。
6・鍋に残った液体を火にかけ、砂糖とりんご酢を加えて1、2分沸騰させます。
7・冷めたら瓶詰めし、冷蔵保存します。
*冷蔵庫で保管し、飲みたい時に水や炭酸水で薄めて頂きます。
薄めずにパンケーキやアイスクリームなどに加えてもエルダーフラワーの香りが楽しめます。
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家に常駐しているお手伝いさんが2、3人いたようなミラノのブルジョワ家庭で育った同年代の友人たちに、にわとこの花を食べる話をすると、皆口を揃えて「うちの母はにわとこの花でケーキを作った。」とい言います。
にわとこの花を乾燥させてケーキの上に散らしていた、とか、ケーキのスポンジの中に沢山にわとこの花が入っていていい香りだった、などと話してくれます。
最近あまりスイーツを食べなくなった事もあり、まだケーキの方は研究不足なのでまた花が咲く季節に研究、試作してみたいと思っています。
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レシピの1と2は日曜日に自転車で遠乗りした時に採ってきたクレーマという町のサイクルロード沿いに咲いていたエルダーフラワーを使いました。
3と4のレシピに使用した花はミラノ近郊のマルテザーナ運河沿いで採取しましたが、それにしてもにわとこの木、大半は運河の対岸、遊歩道のない側にあり、接近できなくて困ります。。。
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