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[英文法]need+-ingは受け身を表さない。

突然ですが、下記の日本語を英訳してみてください。

その車は洗う必要がある。

答えはいろいろありますが、今回取り上げるのは「The car needs washing.」という英文です。

時折、この英文を「その車は洗われる必要がある」と訳し、”need+-ingは受け身を表す”と言われることがあるのですが、これ間違ってます。

間違っているは言い過ぎな気もしますが、この教え方はやめた方がいいと思います。理由は主に2つ、1つ目は「分かりずらい」2つ目は「和訳が不自然になる」です。一つずつ解説していきます。

理由一つ目「分かりずらい」

言わずもがな、進行形はbe動詞+動詞のing形ですよね、しかしThe car needs washing.」にはbe動詞どころか一般動詞のneedが使われています。以前書いた連鎖関係代名詞の記事でも触れましたが、日本の英語の授業では何かと例外をつくる傾向があります。もちろん例外はありますが、正しく説明すれば例外じゃないのに〜っというのが割とあります。

need+-ingは普通のSVO

need+-ingが受動態じゃないのなら一体なんなんだと思いますよね。答えは簡単で、ごく普通の第3文型です。第3文系は過去に解説記事を書いていますので、分からない方は下記の記事を読んでからこの記事に戻ってくると、この記事をより楽しめます。

要するにThe car needs washing.」は

The car needs washing.
     S        V           O

なんです。washingは動名詞で「洗うこと」です。主語が”The car”で、動詞”need”の目的語がwashing(洗うこと)です。つまり正しく直訳すると

その車は洗うことが必要だ。

となり、綺麗に意訳すると

その車は洗車が必要だ。

となります。

理由2つ目「和訳が不自然になる」

これはneed+-ingに限ったことではないのですが、受動態の英文を和訳する際に違和感のある訳をつくる人がとても多いです(かつての僕もそうでした…)。

違和感のある例文をいくつか見てみましょう。

The house is haunted by a ghost.
-その家はお化けに出られる。

Mt. Fuji is seen from my house.
-富士山は私の家から見られる。

違和感ありまくりですね。ではこの違和感お正体を解説していきます。

英語の受動態と日本語の受動態の違い

日本語の受動態の特徴として、”利害を表す”というのがあります。例えば、
「財布を盗まれた」
これは被害ですよね。他にも「契約を切られる」など例を挙げればいくらでもあります。逆に
「友達においしいレストランを紹介してもらった」
これは利益ですよね。

この性質を考慮すると英語を日本語に訳す際に、利害を表していない受動態の英文をそのまま受動態で日本語にすると、違和感の残る不自然な文になってしまいます。

これが違和感の正体です。

※本記事はneedで統一しましたが、requireなども同じ理由で受動態ではありません。

今回は以上になります。最後までお読みいただき、ありがとうございます。




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