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新人デザインマネジャーが気をつけている10のこと

こんにちは。ヤマダカイト(@slash_kaito)と申します。

株式会社ECスタジオというサプリメント・化粧品の通販メーカーでデザイナーのマネジャーをしております。

いつから僕がデザイナーのマネジャーに就いたか、正確な日付は忘れてしまいました。が、約1年ほどデザイナーのマネジャーをする中で、僕が気をつけていることをご紹介します。

これからマネジャーになるという方や、デザインマネジャーを目指す方、自分のところのマネジャーの考えが理解できない方。

そんなあなたのお役に立てたら幸いです。

1 何でも自分でやらない

マネジャーあるあるで、つい自分で手を動かしてしまいがち。

「このタスクはまだ彼にはちょっと重いかな・・・」

「この雑務はメンバーの成長に寄与しないからコッチでやっちゃおう」

そんな感じでタスク割り振ってると、作業ばかりが増え、マネジメントする時間がなくなります。

弊社にはアートディレクターが別にいるんですが、少し前に制作物のクオリティが下がったことを注意されたことがありました。タスクを抱えすぎて、一つ一つのクオリティが下がってしまったんですね。

それ以来、『自分一人ができることはそんなに多くない』と意識するように気をつけています。

2 メンバーのスキルと作業スピードに考慮して、タスク量とスケジュールを調整する

じゃあどうすれば、自分でやることを増やさずにすむのか。

僕が意識しているのは、得意な仕事も不得意な仕事も、ほどほどに均等に振り分ける、ということです。作業が早い人には『雑務7:重めのタスク3』くらいの割合にして、じっくり良いものを作るのが得意な人には『雑務3:重め7』にするようにしています。

「全てのタスクが成長案件ではない・やりたくない仕事もある」

これを意識して、自分だけに雑務を割り振らないように意識しています。要は、たまには一緒に泥水すすろうぜ、ってことです。

3 メンバーとしっかり会話する時間を持つ

毎週メンバーと1on1して、コミュニケーション取るようにしています。

一生懸命仕事してたら色々あると思うんです。

「あんな仕事がしたい」「なんでこれをしなきゃいけないのか」

「このやり方っておかしくないですか?」

そんなアレコレを聞いて、拾い上げるのもマネジャーの仕事。

一に傾聴、二に傾聴。三四も傾聴、五に喋る。くらいの感覚で、とにかく話を聞くように意識しています。

4 会社のビジョン、ミッション、バリューについて理解しておく

マネジャーの仕事はチームの旗振り役です。会社全体の旗振り役である代表取締役から降りてきた会社のやるべきことや目指す理想像を理解して、メンバーに伝達できなければなりません。

僕はこの話をする時、よくこんなふうに例えます。

「会社は船です。船の目的地が、この会社が目指すべき理想の状態です。船が前に進む理由が、会社のミッションとなります。真っ暗な夜の海でも進路を照らしてくれる北極星が、この会社のバリューです。」

要は、「なぜこの会社が存在するのか」「何を目指しているのか」「大事にしている価値観はなにか」これらを自分の言葉で伝えられるようにしましょう、ということです。

でないと、メンバーが同じ方向を向けなくなってしまいます。

5 業界サプライチェーンを理解しておく

ビジョン、ミッション、バリューと同じくらい大事なのが、会社のサプライチェーンです。サプライチェーンとは製品の原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの全体の一連の流れのこと。

ステークホルダーがどこにどれくらいいて、どんな収益構造で、どういったビジネスモデルなのか。これを理解することで、自分の職域の意義とポジション、重要性を知ることができます。

6 タスクの優先順位を明確にする

リソースは有限です。

「なぜそのタスクをやるのか」という判断基準を自分で持っていないと、上からは押さえつけられ、下からは突き上げられて板挟みになってしまうかもしれません。

ビジョン・ミッション・バリューとサプライチェーンの理解は、このジャッジラインを自分の中に作るという意味でも役立ちます。

7 マネジメントはただの役割と認識する

マネジメントはただの役割です。別に偉いわけではありません。マネジャーが納得できないことを言ってきたらメンバーは説明を求めるべきだし、何でもかんでも言うことを聞く必要は無いのです。

逆にマネジャーは皆に様々なこと理解してもらわないといけないし、そこをないがしろにするのはマネジャー失格です。

同じように、デザインマネジャーだからデザインが一番上手くなければいけない、というわけではないと僕は思っています。デザインとマネジメントは全く別の職能だということを認識しておきましょう。

8 何かを新しく始める時は、メンバー全員に相談しておく

偉いわけでもなんでもないので、何かを新しく始める時はメンバーそれぞれにお伺いを立てておきましょう。

「現状こんな問題があるんで、こんなことをしてみようと思うんだけどどう思います?」

これをするかしないかで、新しいことを始める時のメンバーの反応が大きく変わります。なぜなら、相談を受けてアドバイスをすることで「自分ごと化される」からです。

自分が関わった。話を聞いていた。アドバイスをした。これらのことがあるだけで、新しいことに対するアレルギー反応がかなり減るのです。

最近だとナレッジシェアの仕組みを作る時。メンバー全員にアドバイスを求めて、そこから議論に発展させた上で導入しました。おかげで自発的に仕組みがまわるようになりました。

9 メンバーそれぞれに、リーダーシップを発揮してもらう

上の「自分ごと化」にも近いんですが、自らが責任を負うことでリーダーシップを発揮できるようになります。

例えば、デザインの体系的な知識があるメンバーには勉強会の企画をお願いしたり、コミュニケーションに自信があるメンバーには朝礼でのファシリテーターをお願いしたり、数字に強いメンバーには分析データの共有をお願いしたり。

それぞれの分野で各自がリーダーシップを発揮することで、「ここはまかせてね。逆に得意な分野は彼に頼ろう」というように、フォロワーシップも醸成されます。これが上手く回り始めると互助作用が起こり、チームはより強固になっていきます。

10 とにかくメンバーの成長にコミットする

色々言ってきましたが、結局ここに集約されます。マネージャーが最も重視すべき仕事は「メンバーが成長すること」。

なぜなら『会社は人』だからです。

この2年間で、弊社の状況は大きく変わりました。大ヒット商品が薬機法(旧薬事法)の影響で販売できなくなったり。検索アルゴリズムの変動で、新規が激減したり。もちろん新型コロナの影響もあり、前期の売上はかなり落ちました。

しかし、大ヒット商品がない中でも会社の売上は徐々に戻りつつあります。それは『人』によるものです。それをモチベーションというのか、エンゲージメントというのか、はたまた危機感というのか。よくわかりませんが、メンバーの『意識』は大きな変化があったと思います。

それを見て、会社における一人ひとりの役割の大きさを改めて意識しました。中小企業なら、なおさらです。

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以上、『デザインマネジャー気をつけている10のこと』でした。

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