高橋海斗

知床移住。旅のように生きる。 https://instagram.com/kaito_…

高橋海斗

知床移住。旅のように生きる。 https://instagram.com/kaito_takahashi_

記事一覧

ヒグマ。その一瞬。

 昨年の秋、僕は、ヒグマを追い続けていた。知床に移住して3年半、ようやく彼らと真剣に向き合う決心がついたような気がする。ウェダーを履き、10kgほどの機材を背負い、…

高橋海斗
2年前
16

21歳になりました。

21歳になりました。 知床に移住して2年と数ヶ月、相変わらず、ここでの生活を楽しんでいます。そろそろ海外に放浪の旅か、移住を考えていたのですが、コロナで難しくな…

高橋海斗
4年前
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霧に誘われて。斜里。

高橋海斗
4年前
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真夜中の原生林を歩く。

 「真夜中の原生林を歩く」  晴れた夜空に沢山の星が輝いていた。今夜は、写真を撮りに行こうと思った。  前々から撮りたい場所があった。  とても景観が良い所なの…

高橋海斗
4年前
16

日本画家・千住博先生に会いにいった話

 早くも2019年が終わろうとしていますね。 皆様は、どんな一年を過ごされたでしょうか。 これから、僕の2019年一番の思い出を書いていこうと思います。  突然ですが、…

高橋海斗
4年前
86

20歳になりました。

20歳になりました。 不思議なもので、これぐらいの年になると自分の程度がわかるようになってきます。 10代の頃は、無我夢中でやっていれば、何者にもなれる、いつかはた…

高橋海斗
5年前
25

キタキツネを轢いた。

これを載せるべきか迷った。 自分が犯してしまったこと。それを出すべきなのか。でも、内に抱えたまま生きるのは、違う気もする。そのうち消すかもしれない。 この文章は…

高橋海斗
5年前
30

クマを撮るということ。

2018年11月8日。 ある一頭のヒグマが死んだ。 捕殺だ。 このクマは母親だった。 今年生まれの小さな子熊をつれていた。 子熊は捕殺されなかった。 だが、あの小さな…

高橋海斗
6年前
18
ヒグマ。その一瞬。

ヒグマ。その一瞬。

 昨年の秋、僕は、ヒグマを追い続けていた。知床に移住して3年半、ようやく彼らと真剣に向き合う決心がついたような気がする。ウェダーを履き、10kgほどの機材を背負い、ベアスプレーを2本持ち、森の獣道を辿る。土を踏みしめてゆくことで、改めて彼らをとりまく環境の豊かさを実感する。川にはマスたちが泳ぎまわり、ミズナラには青いドングリがなっている。苔むした岩と、何本もの巨木は、美しい景観を生み、その上空をオ

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21歳になりました。

21歳になりました。

21歳になりました。

知床に移住して2年と数ヶ月、相変わらず、ここでの生活を楽しんでいます。そろそろ海外に放浪の旅か、移住を考えていたのですが、コロナで難しくなってしまいました。

色々と激動の世の中ではありますが、いつもと変わらない表情をみせ、着実に季節の歩みを進めていゆく自然には、心癒されるものがあります。

キタキツネやフクロウなどの動物たちは、春から初夏にかけての子育てを無事終え

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真夜中の原生林を歩く。

真夜中の原生林を歩く。

 「真夜中の原生林を歩く」

 晴れた夜空に沢山の星が輝いていた。今夜は、写真を撮りに行こうと思った。

 前々から撮りたい場所があった。

 とても景観が良い所なのだが、車を置ける場所から、2kmほど、原生林を抜けていかなければならない。

 昼間、歩く分には、どうってことないが、暗い時には、やはり緊張する。

 気温は-10℃。この時期の知床にしては冷え混んでいる。

 防寒を着込み、カメラと

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日本画家・千住博先生に会いにいった話

日本画家・千住博先生に会いにいった話

 早くも2019年が終わろうとしていますね。

皆様は、どんな一年を過ごされたでしょうか。

これから、僕の2019年一番の思い出を書いていこうと思います。

 突然ですが、皆様は、千住博という方を知っていますか?

東洋人で初めてヴェネツィア・ビエンナーレ絵画部門の名誉賞を受賞した現代を代表する日本画家です。

一枚の絵が数千万円で取引されるような雲の上の存在です。

現在も世界遺産のお寺に襖絵

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20歳になりました。

20歳になりました。

20歳になりました。

不思議なもので、これぐらいの年になると自分の程度がわかるようになってきます。

10代の頃は、無我夢中でやっていれば、何者にもなれる、いつかはたどり着けるだろうと漠然と思っていた。

でも、人生はそうじゃない。

人には、もって生まれてきた「才能」や、積み重ねてきた「時間」がある。

努力をしたからといって、皆が報われる訳ではないし、才能があるからといって、かならず成功する

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キタキツネを轢いた。

これを載せるべきか迷った。

自分が犯してしまったこと。それを出すべきなのか。でも、内に抱えたまま生きるのは、違う気もする。そのうち消すかもしれない。

この文章は、僕の日記からです。混沌のなかで書いたものなので、見苦しいかも知れません。



キツネを轢いた。

斜里からウトロに向かう道で。

「写真をどうやって社会に出していこうか、どうやって売るべきか」

そんなことを考えながら、時速70k

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クマを撮るということ。

クマを撮るということ。

2018年11月8日。

ある一頭のヒグマが死んだ。

捕殺だ。

このクマは母親だった。

今年生まれの小さな子熊をつれていた。

子熊は捕殺されなかった。

だが、あの小さな命が、たったひとりで知床の厳しい冬を越すことはできないだろう。

誰が、この命を死に追いやったのか。

それは、決して一人の人間が悪いわけではない。

多くの人々の興味や欲、エゴや無知、

そんな物が複雑に入り交じり、こう

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