見出し画像

創太、コンビニバイト辞めたってよ。

この季節は出会いと別れの時期である。さて今年はどんな出会いがあり、どんな別れがあるのだろうか。例年通り、楽しみと悲しみが入り混じっている。


僕は、そんな季節に2年半のコンビニバイトに別れを告げた。少しだけ悲しい。でも、卒業式のような悲しさはない。

そもそもコンビニバイトとの出会いは、大学1年の夏のこと。スーパーに行こうと、たまたま原付でコンビニの前を通った時だった。「リニューアルオープン!!スタッフ募集」との大きな張り紙を目にしたのがキッカケだ。

当時バイトを探していた僕は「やるしかない。」と思い、サッカー部の同期を誘い応募する。そして晴れてコンビニ店員になった。

だがいざ決まると普段からコンビニをよく利用していた僕は、自分にも手際よく接客できるのかと不安になった。そして全国のコンビニ店員の方に対して一種の尊敬の念を抱いた。ここで一言、「いつもありがとうございます。」

そんな不安な気持ちを抱えたまま、初出勤を迎える。その不安は見事に的中し、結果的に辛いデビュー戦となってしまった。サッカーに例えるなら、2014年のW杯準決勝でブラジルがドイツに大敗したくらいのものだった。分かる人には分かるが、本当に散々なものである。

そんな結果になるとは知らない当時の僕は、初めて店員として入店する。挨拶は大事と両親に教わっていたので、挨拶、挨拶と頭の中に刷り込んできた。そして「こんにちは!」という大事な挨拶を店長にしたが、僕を一目見て挨拶に応じることなく早速一つの指示が下される。それはなんと、直ぐに帰宅することだった。

というのも、僕は時計を左腕に付け半袖半パンで出勤したことがそうさせた。店長からは「今すぐ帰って長ズボンに履き替え、時計は置いてきて。」との指示。家を出る前に長ズボンを履こうかと考えた自分を後悔した。夏は半ズボンという僕の譲れないポリシーが邪魔をした。

店長は怒っていなかったが、僕はめちゃめちゃ焦った。怒っていなかったことが唯一の救いだったのを覚えている。

まぁ前半に5失点を食らったブラジルの気持ちをいきなり味わったのだ。テメェのコンビニバイトと同じにするなというブラジル国民の声は届いているのは分かってほしい。

そんなスタートだったが、長ズボンに履き替え何とか店員になれた。見た目だけは、、

そして店長から、店の後ろにあるウォークインと呼ばれる倉庫での掃除を命じられた。いきなりレジ打ちをするのかと思っていたので、少し安心した。

でも僕以降に入って来た店員の方は、いきなりレジ打ちから始めていたので最悪の印象からのスタートだったと思う。それからというもののレジ打ちからスタートする新人を見ると、いつも初日のことを思い出す。悔しいとかは全く思うことなく1人で密かに笑っている。

それから少しでも挽回しようと一心不乱に倉庫内の掃除を続けた。なので、あっという間に3時間が経ち初日を終えた。

そして家に帰ろうとした際に、店長に「お疲れ。」の一言をもらった。その一言をもらった僕は、一声かけてもらえた喜びと店員としての未来にまたもや不安な気持ちになる。 

あぁ果たしてやっていけるのか。。

今思うと、何とかコンビニ店員として、やってこれた。当時の自分に「安心しろ。」と言ってあげたい。少しは街中のコンビニ店員っぽくなれたはず。

一つの別れが、一つの出会いを彷彿とさせる。

創太、コンビニバイト辞めたってよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?