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読書の記憶

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#本が好き

2022年4月

2022年4月

読んだ本の数:8冊

■狂うひと :「死の棘」の妻・島尾ミホ/梯 久美子(新潮文庫)
読了日:04月02日

三月に読んだ『死の棘』。あれは『小説』だけれど、ではその小説がどのように生まれたのか、登場人物の実際は?に迫る評伝。
感想むずかしい。
まずは、文学の研究ってこうするのかという発見あり。そして、人間のおそろしさ。いや、作家のおそろしさか?それとも、この人たち個人のおそろしさだろうか、に慄く

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2022年3月

2022年3月

読んだ本の数:4冊
光陰矢の如し。

■光の箱(1)(2) (flowers コミックス)
電子まんが。例によってSNSから。
生と死のあいさっこにあるコンビニのはなし。人と人外のあいさっこの存在。
そういえば、『ディヴィ・ジョーンズのロッカーへ行く』なんて言葉もあったか。姉・弟ものには無条件降伏する姉の方のわたし。

読了日:03月12日 著者:衿沢世衣子
https://bookmeter.c

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2022年1月

2022年1月

読んだ本の数:7冊

■&Premium(アンド プレミアム) 2022年2月号 [やっぱり、おやつは大切。]
おやつ特集号。
「おやつ」という言葉のなんと魅力的なことか。これぞパワーワードでしょう。クッキー缶特集うれしい!見た目はぼてっとざくざくしたのがいい。
読了日:01月01日
https://bookmeter.com/books/19186802

■新装版 虚無への供物(上) (講

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2021年12月

2021年12月

読んだ本の数:4冊

■366日の誕生鳥辞典 ー世界の美しい鳥ー
鳥の好きなあのこへ贈る。自分では中身だけ確認。当のあのこは「ハゴロモヅル」。自分は「ルリコノハドリ」。好きな色した鳥でうれしい。
(なんと!受け取り期限超過で戻ってきてしまった。ご縁がなかった。)
読了日:12月05日 著者:小宮輝之
https://bookmeter.com/books/18711437

■猿ヶ島
ふむ、、、ん

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2021年11月

2021年11月

2021年11月の読書メーター
読んだ本の数:6冊

■島原の乱とキリシタン (敗者の日本史)
敗者の視点から歴史を捉え直すことを掲げたシリーズの一冊。
島原一揆をモチーフにした舞台を見にいくための予習に読む。
島原の乱にいたる数世代前から書き起こしているのがいい。ただ、著者のノートをそのまま見せられているかのようで、これで「敗者の視点から一揆を見つめ直す」のは、自分のような一般読者にはだいぶ無理

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2021年10月

2021年10月

読んだ本の数:11冊

■狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選 (新潮文庫)
新潮文庫の100冊に入ってると聞いてから狙っていた1冊。誰もが知ってる?知る人ぞ知る?ラヴクラフト。名前しかしらないのもオタクの名折れかと、妙な気張りをもって読んだ結果。
恐るべき空想力。これがラヴクラフトか。
頻出する特定のモチーフ、事象、イメージは、作者の頭にこびりついて離れない「恐怖」だったのかしら。微に入り細を穿

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2021年9月

2021年9月

2021年9月の読書メーター
読んだ本の数:6冊

■刀 ――文豪怪談ライバルズ! (ちくま文庫)/東雅夫
刀がテーマの怪奇小説を集めた本。
目次に「にっかり」とあっては放っておけない。解説にもばっちり書いてあることだし、食いつく層として想定されているであろう審神者=刀剣乱舞プレイヤー。
刀は、自分にとってはやはり、身近ではないものだ。それで、現代ものよりも時代がかったもののほうがすんなり馴染めて

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2021年8月

2021年8月

2021年8月の読書メーター
読んだ本の数:6冊

https://bookmeter.com/users/31235/summary/monthly
■陰陽師 全13巻 完結セット(ジェッツコミックス)
【再読】
一週間かけて再読。10巻以降は気力体力知力の総動員が必要で刊行当時に読んだ時はなんにもわかってなかったことがわかった。今回読んでもやっぱりわからないんだけど、でもちょっとわかった。

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2021年7月

2021年7月

2021年7月の読書メーター
読んだ本の数:12冊

■山月記
【再読】急に読みたくなって、音読。
何者かになれるかもとおもってた高校生の自分には退屈で眠いだけの作品だったのに、今や李徴のきもちがよくわかる大人になってしまった。さいごまでカッコつけちゃう李徴のダサさとでもほかに道があるか!?という逆ギレ感も。
舟をこぐ生徒が続出するなか、めげずにやたら力の入った授業をしたあの現国教諭は、もしかして

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2021年5月

2021年5月

読んだ本の数:3冊

■戦争に隠された「震度7」〈新装版〉: 1944東南海地震・1945三河地震
歴史と今が繋がっていると実感できる好例。報道管制下においても、被災住民のための情報を発行していたという記者の意識と行動に頭が下がる。第三章以降の被災体験談とそこから発展しての第七章。役に立たなくたって歴史は必要と信じるが、こうしてわかりやすく現代に活かせる面があるとすごく心強い。そして私は自分の街の

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2021年4月

2021年4月

2021年4月の読書メーター
読んだ本の数:7冊

はからずも、旅に始まり旅で終わった4月の読書。
旅したいよね~。ふらっと行って、ふらっとお店入ってさ。

■旅する しあわせ おむすび 具だくさんおむすびとスープのレシピ (昭文社ムック 旅するkitchen)
お腹が空いた。おむすびレシピもたのしいし、ご当地おむすびのおとも情報がすこぶるたのしいおいしそう。
読了日:04月04日 著者:
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2021年3月

2021年3月

読んだ本の数:8冊

■白い病 (岩波文庫)
すごいなー。人間て全然変わらないんだな。そう思うとちょっと絶望しちゃうよね。謎の疫病の下のあたふたする様子も、小汚い思惑も。
本来的にはこの作品、疫病は装飾で戦争と平和が主題なのかな。作者による解題中の一部分に深く頷いてマーカーつけた(だが罪の償いは、何かほんとうに希望が持てない悲観的なものなのだろうか?)。チャペックも、自虐史観なんてことばは嫌いそう

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2021年2月

2021年2月

読んだ本の数:6冊

■アヒル命名会議
Twitterで見た、本人演出・出演のPR動画がすごくかわいくて手に取る(その前に、韓国同世代作家の作品がアツいらしいことが気になっていたからこそね)。
風通しがいいな、というのが第一。閉じた世界を切り取っていても、とても開けている印象。内面で葛藤しながら、きちんと世界とやりあっているかんじ。日本人作家、自己との対話しかしてなくない!?と思ってしまったのであ

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2021年1月

2021年1月

読んだ本の数:6冊

■回送電車 (中公文庫)
ファンを自称しているくせに、随分久しぶりの堀江敏幸。エッセイとも評論とも私小説ともつかない、わたしの知っているなかでは唯一のスタイル。これだこれだ。1980年ウィンブルドン決勝を観ていないことを嘆き、読書を旅行になぞらえる一文に留飲を下げ、『趣味のゴブラン織』からの引用にすべての創作に通じる糸をみつけた2021読み初め。ことしは、また、未読のものをじ

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