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読書の記憶

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記事一覧

2024年3月

2024年3月

2024年3月の読書メーター
読んだ本の数:4冊

■土井善晴のレシピ100
土井善晴/学研プラス

名もない料理族は、名のある料理を、ふつうに作ってふつうに食べることに憧れる。
善晴を義晴と勘違いしてて、書誌情報が探せなかったというおまけのはなし。
読了日:03月04日
https://bookmeter.com/books/4583640

■きつね
Dubravka Ugresic (奥彩

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2024年2月

2024年2月

2024年2月の読書メーター
読んだ本の数:3冊

ルース・B・ギンズバーグ名言集: 新しい時、新しい日がやってくる
(岡本早織)/創元社

さらに自分で解釈。
A.現在の反対意見は未来に語り掛けることができる。
B.性差別は男女の対立ではなく人権の問題である。
C.闘うことは相手を攻撃して打ち負かすことではない。
踏みとどまること、少なくとも自分が享受できた良いものを次の世代にも渡すこと、受け入

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2024年1月

2024年1月

読んだ本の数:5冊

魔女に会った (たくさんのふしぎ傑作集)
角野栄子/福音館書店
魔女も越境者で架橋者なのだな。魔女へのあこがれのもとはここか。越境するには知恵と機転と勇気と意地が必要で、それゆえに、越境者は時と場合によって迫害される。それでも越境者でありたい。
読了日:01月07日
https://bookmeter.com/books/801737

ビスケットとクッキーの歴史物語 (お

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2023年12月

2023年12月

2023年12月の読書メーター
読んだ本の数:6冊

家が好きな人
井田千秋/リュエルコミックス
わたしだ~!けど、うちは散らかってる!
読了日:12月03日
https://bookmeter.com/books/20488605

男性の繊細で気高くてやさしい「お気持ち」を傷つけずに女性がひっそりと成功する方法
サラ・クーパー/亜紀書房
全編反語。徹底してる。内側で沸々と怒っているんだ。こ

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2023年10月

2023年10月

読んだ本の数:4冊

■地獄絵ARTBOX
加須屋誠/講談社

「地獄に堕ちろ」といわれたこの著者、いったいなにしたのか気になる序文から始まる一冊。
各作品の成立当時は、人間が痛め付けられる様、身体が朽ちてゆく様は、かなり身近にあったのだろうと想像させる迫真の描写の数々だ。人を痛め付けることへの人の想像(創造)力の豊かさにもおののく。舌を引っ張り出して杭で打ち付けるとか…行灯の芯で竹の根を掘らせる

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2023年9月

2023年9月

2023年9月の読書メーター
読んだ本の数:6冊

■見えない性的指向 アセクシュアルのすべて――誰にも性的魅力を感じない私たちについて
ジュリー・ソンドラ・デッカー/明石書店

再読。再確認。誰憚ることなくこれでいい。「ほんもののの○○」「より正しい○○」なんていない。
[以下2019年の初読時点の感想:概念を知ったのはここ数年。「どんな性自認も性志向もその組み合わせもあり得る」に違和感がないの

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2023年8月

2023年8月

2023年8月の読書メーター
読んだ本の数:8冊

■アメリカ怪談集
荒俣宏編/河出文庫
びっくりするほど読み進まなくてびっくりした。文章と噛み合わないというか米国文学ってこういうかんじだったかね?もってまわったというか、修飾がはげしい?
作品の傾向としては、自然から生まれるホラー、信仰から生まれるホラーあたりに特徴がありそうな。
『古衣裳のロマンス(ヘンリー・ジェームス)』に突然「出雲の神様」

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2023年7月

2023年7月

読んだ本の数:8冊

■末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる
ひるなま(POLARIS COMICS)

Twitterで読んでいたけど、本も持っておきたくなり。
本のその先、の今をおもってやるせない。本の中のひるなまさんはとってもつよくて生きてるのに、変な感じだ。
読了日:07月02日
https://bookmeter.com/books/17133756

■わたしは灯

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2023年6月

2023年6月

2023年6月の読書メーター
読んだ本の数:9冊

インド夜想曲
アントニオ・タブッキ(須賀敦子)/白水Uブックス
なんでかしばらく手に入れにくかった本をこのたびついに。
ぜんぶ夢の中のような生暖かい空気の。薄着で布団に入る季節によく合う。
白水Uは本当にいいよね。セレクトも判型もいいとしか言えない。本屋さんになった暁には、白水Uの壁を作るんだ。
読了日:06月02日
https://bookm

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2023年5月

2023年5月

2023年5月の読書メーター
読んだ本の数:7冊

40歳だけど大人になりたい
王谷晶/平凡社

タイトルですとんと落ちて。だけど、わたしって本当に大人になりたいって思っているのだろうか。そこからまた惑いはじめてしまった今年四十になるよ。似た感覚の事柄とこれはちょっとわからないの事柄が当たり前に継ぎ目なく存在し、モヤってる40歳も一様じゃないんですよ。それはそうよと噛みしめて。同い年の大スターのニ

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2023年4月

2023年4月

読んだ本の数:5冊

やがて魔女の森になる
川口晴美/思潮社
詩を読みたい気持ちと帯の「第30回萩原朔太郎賞」とタイトルの「魔女」と「森」とが決め手で、なんの先入観も事前情報もなく読んでも、文字に繋ぎ止められたものたちはわたしの手持ちのアイテムとしか交換できず、わたしの知っているほうへ知っているほうへと引き寄せてしまう。踏み込んで分け入ったら、思いがけない扉を見つけられるかもしれないのに。
読了日

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2023年3月

2023年3月

読んだ本の数:6冊

ダリをめぐる不思議な旅
村松和明/ラピュータブックス
オフィス鹿プロデュース「ダリとガラ」を観て、再読。
ダリとガラについての掘り下げが興味深かったはず!今こそ読みなおしたらよい!って本棚捜索するも、いったんは発見できず。ありゃ~もう手放しちゃったかな~と首をひねって一週間。もういちど探したらものすごくわかりやすいとこにささっててまた首をひねった。
舞台の光景とオーバーラップ

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2023年2月

2023年2月

読んだ本の数:6冊

今日のわたしは、だれ?
ウェンディ・ミッチェル/筑摩書房
驚きとかなしみと共感に満ちた読書。
ひとりの人の内と外が噛み合わなくなる病(ALSを知ったときのおそろしさとかなしみに似ている)。忘れるのではなくて、わからなくなる。あるはずのものがなくなり、ないはずのものが現れたらパニックを起こすのは至極当然だ。しかし、わからないからといって感じないわけではなく、よい方もわるい方も

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2023年1月

2023年1月

読んだ本の数:9冊

ロシア怪談集
沼野充義編/河出文庫
解説のおもしろいアンソロジーはよいアンソロジー。
ロシア文学のイメージ(擬音)どどーん!ばばーん!どろどろどろ!を言葉にすると、リアリズム・まじめ・重く悲しいということになるのか。表現を面倒くさがってはいけない。
フランスとの関係が偲ばれるもの、多民族の香りのするもの、狂気か恐怖かの境界を行き来するものが好み。『吸血鬼の家族』『ボボーク』『

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