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2023年3月

読んだ本の数:6冊

ダリをめぐる不思議な旅
村松和明/ラピュータブックス

オフィス鹿プロデュース「ダリとガラ」を観て、再読。
ダリとガラについての掘り下げが興味深かったはず!今こそ読みなおしたらよい!って本棚捜索するも、いったんは発見できず。ありゃ~もう手放しちゃったかな~と首をひねって一週間。もういちど探したらものすごくわかりやすいとこにささっててまた首をひねった。
舞台の光景とオーバーラップしてまた物思いに耽ること暫し。ああしかし、よくわからないのはむしろガラのほうなのよ。ガラを知りたい。
03月09日 


私とは何か――「個人」から「分人」へ
平野啓一郎/講談社現代新書

ひとりの人間は一個の固定された揺るぎない存在ではない。そのことを「分人」という言葉をつかって考えていく内容。なるほどなるほど、体感としてすでに持ってはいる感覚を言葉にして整理してもらったきもち。自分は自分だけで勝手に構成されていないという考え方も気に入った。一方で、分人を分数や円グラフで表すことはちょっとしっくりこない。もっとこう、液体が器によって形を変えるような、絵の具の混色のような感覚。いずれにしろ、ひとりの中のいずれの分人も嘘や演技ではないという言葉が心強い。
03月24日 


くらしのアナキズム
松村圭一郎/ミシマ社

【それぞれの個人が安全な居場所を確保し…】
これが出発地点にして目標地点。その中で行われるのが
【…それぞれが能力に応じた役割をはたし、必要な人が必要なだけ受け取れること】
これらは、生活レベルでなら当たり前に実現されてきたことだという。うん。いったん、国家の文脈からはなれてみよう。自分の生活がどのような高次の存在に包摂されようとも、安全な居場所を確保することならわかりやすい。
03月25日 


草の辞典 野の花・道の草
森乃おと/雷鳥社

なぜ辞典なのかな、事典じゃないかな、でも敢えてかもしれないからまあいいか。掲載植物も解説もお馴染みのかんじ。透けるカバー紙をつかった装丁がよい。緑色がきれい。
249頁に収載された川端康成の言葉がこわい。
【別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。】どういう意味よ…。知らないとこでじとじとと思い出されたりするの絶対いやです。まあでもそうだよね。川端康成だもんね…という気持ちもある。
03月26日 


百貨店ワルツ
マツオヒロミ/リュエルコミックス

スチームパンクのような、ちがう分岐を選んだ架空の戦前の日本だな~。よい(はぁと)。架空のさじ加減が絶妙でよい。
03月27日 


ねにもつタイプ
岸本佐知子/ちくま文庫

贔屓役者のツイートで読みたかったことを思い出した。
めーちゃーくーちゃーおもしろいじゃないか!なんなのもう!著者による「ヘンな物語」ばっかりのアンソロジーがだいすきなのだけど、なんだ~、そっか~、ご本人もこういう感じなのか~。そっか~と口許が緩みっぱなしである。
継ぎ目なく空想・妄想に移行する鮮やかさったら。
03月27日