見出し画像

【衝撃実話】結婚式1ヶ月前に彼はいなくなった 第一章

第一章・・・彼との出会い
第二章・・・幸せな日々
第三章・・・プロポーズ
第四章・・・彼はいなくなった
第五章・・・彼がいなくなった訳
第六章・・・彼が消えてからの私


第一章・・・彼との出会い


noteをはじめて絶対に書きたかった話。

私は今とても幸せ。

だから書く。

誰にも伝えられなかった本当のこと。これでちゃんと整理できる。心のお片付け。


今からずっと昔、ものすごく昔に感じる。
私は沖縄の離島にいた。
この島に来て2年が経っていた。

この島は海が本当に美しく、東洋一と言われるビーチもある。
私にとってとても住み心地のいい場所だった。
私の仕事はこの島の一番南にあるリゾートホテルのコンシェルジュだった。コンシェルジュとはホテルにお客様が到着してから滞在中、チェックアウトされるまでお客様のお世話をする、いわばなんでも屋さんである。

そもそもなぜ都会育ちの私がこの離島にくることになったかというと、元々私はツアーコンダクターで、主に修学旅行を担当していた。

旅行が好きでこの仕事が大好きだった。修学旅行は関西からだと東京、北海道、沖縄に行くことが比較的多かった。沖縄に行くとなんだか全てが満たされる。海が好きな私は沖縄の自然に魅了された。

行動力だけは人一倍あるので、行きたいと思ったらツアーコンダクターの仕事を退職していた。そしてその1週間後には沖縄に住んでいた。当時22歳だった私はずっと実家暮らしで一人暮らしをしたことがなかった。

それでもどうしても住みたかった。早く実家暮らしから脱出したいという思いもあった。なので不安は全くなかった。旅行の専門学校を卒業していたので、学校に相談するとすぐにアルバイトだが沖縄のリゾートホテルの住み込みの仕事を紹介してくれた。

沖縄本島の那覇空港から車で2時間はかかるホテルだった。事前に自分の荷物を宅配で送り那覇空港からバスで勤務地となるホテルに向かった。バスからずっと窓の外を眺めていた。すべてがキラキラしてどの道を走っても美しくて輝いて見えた。大通りから細い道に入り街灯もなさそうな山道だった。

だんだん不安になってくる。こんなところにホテルが本当にあるのか。沖縄は海のイメージで山のイメージがなかったので驚いた。こんなに山奥までお客さんもくるのか。急にホテルの看板が目に入った。

よかった、、、ちゃんと着いた。

敷地内に私が住む寮があった。なかなか広い。8畳くらいはあった。ワンルームだが清潔感のある部屋だ。わくわくが止まらない。とりあえずホテルの敷地を散策したりビーチにいってみた。

私は海が好きだ。昔から泳ぐのが好きで泳いでいるときは心が満たされる。海からエネルギーをもらっている不思議な感覚。波の音も落ち着く。ずっとずっと聞いていられる。

ここに一生いたい。

そう思わせてくれる。沖縄に住んだ初日のこと、その温かさ、空気感、今でもしっかりと覚えている。

ホテルのビーチから嬉しくてにやにやしながら、自分の部屋へ。ホテルの制服を着た男性スタッフにすれ違った。軽く会釈し部屋に戻った。

手続きを済ませ翌日からホテルのベルスタッフとして働いた。ここでは到着したお客様の車を誘導し預かる。そしてお客様をフロントまで案内し車を駐車場へ移動する。

敷地が広いホテルだったのでお客様をゴルフ場にあるようなカートでお部屋まで案内する。仕事はとても楽しかった。働くスタッフも同世代の20代の人が多く、よく遊びにでかけたり寮で集まってご飯を食べたり、全てが充実していた。

ここで働いて半年が過ぎた頃、同じベルスタッフの男性が明らかに私に好感を持っているのがわかった。彼の年齢は私の2歳年上で身長も高く他のスタッフからも慕われるムードメーカー的な存在の人だった。


彼は「リク」と呼ばれていた。
リクは私の部屋の斜め前の部屋だった。彼女がいるのを知っていた。
部屋から彼女と出てくるのを何度も見かけた。少し膨よかな身長が低い大人しそうな子だった。彼女はホテル内のレストランで働いていた。
私も顔見知りだ。

仕事が終わると、スタッフみんなでダーツやカラオケにいったり、青春ってこんな感じかなって思っていた。学生時代にもそんなに遊びにいくことがなかった私にとっては時間を気にせず遊ぶ、この時間がこの毎日特別だった。みんなで遊びにいった時には必ずリクは私の隣に座った。私にだけお酒を奢ってくれたりした。いつも私を気にかけてくれていた。仲のいい男友達って感じだった。

ある日、3人で遊びに行く約束をしていたが1人来れなくなった。後から考えたら仕組まれたような気もするけどその時リクから「付き合ってほしい。」と言われた。
予想していなかった私は拍子抜けした。

なぜならリクには彼女がいる。
付き合ってくれるなら必ず別れるからと。そんな都合のいい話はない。怒りしかなかった。彼女にも申し訳ない。同じ施設で働く私も顔見知りの人だ。
もちろんお断り。

でもどうして私を好きになったのか聞いた。
私が初日、このホテルに到着してからビーチからの帰りにすれ違ったそうだ。あの制服のスタッフがリクだったのだ。相当恥ずかしい。かなりニヤケ顔だったはずだ。

その時の嬉しそうな表情が忘れられないと。本当に一目惚れってあるんだと思ったと彼は言った。そんなに想ってくれていたのは正直嬉しかったが、彼女がいる人とは絶対に付き合えない。丁寧にお断りした。

しばらく気まずい期間があるかと思っていたがリクはすぐに彼女と別れた。
別れたから付き合ってほしいとまた言ってきた。そんなすぐに気持ちを切り替えられるわけないときっぱり断った。別れた彼女にも申し訳ない気持ちで一杯だった。


しかし1ヶ月の間にリクはなんと5回も告白してきた。


リクは優しい人だった。マジックができたりギターが趣味だったり面白い人でもあった。顔は全くタイプではない。沖縄独特のシーサーのような顔面をしていた。私は濃い顔がタイプだがシーサー顔は違う。
そんなリクの告白は毎回本気だった。私より年上にも関わらず、断るとちゃんと毎回号泣してくる。

本当に号泣。


しばらく泣くので申し訳ない気持ちになりながら、しばらく待つしかなかった。どうしたら付き合ってくれるのか毎回聞かれた。すぐには付き合えないし前の彼女のことも気になると毎回、同じ話をした。

一緒に働くスタッフも私たちの関係を知っていた。リクはみんなに私を好きだということを恥ずかしげもなく公表していたから。そんな私を見かねて一緒に働く女友達のミカが私に助言をくれた。ミカはサバサバした性格でなんかかっこよかった。

「みんなも知ってるようにあいつ悪いやつじゃないから一回お試しで付き合ってみたら?」と。驚いた。

付き合うのにお試しなんかあるの?と。
続けてミカは言った。
「嫌いじゃないんでしょ?好きになることがゼロではないなら正直にそのこと話して付き合ってみたら。」と言ってきた。

ミカだからこそくれた助言。
真剣に考えてみた。

確かにこの先、私のことをこんなにも必要としてくれる人は現れるのだろうか・・・

ちょうどリクからまた話たいことがあると連絡があった。自分の今の気持ちを正直に伝えてみることにした。

「付き合ってほしい」とまたリクは言った。いつもなら「ごめんなさい。」でリク号泣コースだったが今日はちがう。

「私はリクのこと友達として好き。今恋愛感情がないの。でも付き合ってから恋愛感情が芽生えることがあるのかもしれない。それでよければ試しに付き合ってみる。失礼かもしれないから、嫌ならなしで!」

きっぱりとそう言ったらキョトンとした表情の後、彼は泣いていた。今日は嬉し泣きだ。そんなに嬉しいのかというくらいに泣いていた。私の生きてきた人生で付き合うことでこんなに喜んでくれたのは初めてだった。

リクとのお付き合いがスタートした。
リクは同じ職場、寮も私の部屋の目の前だったのでほとんどの時間を一緒に過ごしていた。一度もケンカもしなかった。いつも笑顔が絶えなかった。

一緒にいる時間は長いのにリクは私に毎日手紙を書いてくれていた。手紙は私への愛が溢れていた。この人は本当に私のことが大好きなんだな。と感じることができた。

私は飽きやすい性格だと思っている。実際に彼氏ができても当時はあまり長く付き合えなかった。若さもあったと思うがなんだか飽きてしまう。そもそも付き合うことが向いていなかったのかもしれない。幸せってなんだろう。

リクはそんな私を毎日笑顔にさせてくれた。エンターテイナーのような存在だった。いつも安心感に包まれていた。


続きはこちらをクリック⇨⇨⇨2章 『幸せな日々』



#恋愛小説 #実話 #ノンフィクション #結婚式 #別れ話 #悲惨な話 #恋愛


この記事が参加している募集

ただいま失業中・・・サポートお願いします!面白い記事を書けるようにがんばります♪