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介護福祉士国試過去問 第33回 介護過程

みなさんこんにちは!

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今回は、「介護福祉士過去問 第33回 介護過程」について分かりやすく解説します!

YouTube動画で見たいという方はこちら!
https://youtu.be/ePrnXv4936E

第1問 介護過程の目的

介護過程の目的に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 利用者の健康状態の改善

  2. 介護福祉職の介護観の変容

  3. 他職種との役割の分化

  4. 家族の介護負担の軽減

  5. 利用者の生活の質の向上

答え:5 
介護過程とは、目標をもって介護を行っていくこと。利用者が生活する中で直面している問題の解決に向けて、利用者の情報を分析して、検討・計画の立案・実施・評価するという一連のプロセスをいい、利用者を主体とした個別のニーズに対応して生活の質の向上を図るという目標をもって介護を行っていくことを目的としている。

介護過程に関する詳細解説


第2問 介護福祉職の情報収集

介護福祉職の情報収集に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 五感を活用した観察を通して情報を集める。

  2. 一つの場面に限定して得られる情報を集める。

  3. 初対面のときから踏み込んで情報を集める。

  4. 興味のある個人情報を集める。

  5. 実践したい支援に沿った情報を集める。

答え:1 
様々な場面において五感を活用した観察によって情報を集めることが大切である。
初対面からではなく、信頼関係を築きながら、徐々に踏み込んだ情報を集める。
興味のある偏った情報では十分な個人情報を収集することはできない。
情報収集によって利用者にとって実践がふさわしい支援へとつなげていく。介護福祉職が実践したい支援にあわせて情報収集するものでない。


第3問 介護過程の展開におけるアセスメント

次の記述のうち、介護過程の展開におけるアセスメント(assessment)の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 支援内容を説明して同意を得ること。

  2. 具体的な支援計画を検討すること。

  3. 達成できる目標を設定すること。

  4. 支援の経過を評価すること。

  5. 利用者の生活課題を明確にすること。

答え:5 
介護過程の展開におけるアセスメントは、介護過程の第一段階において、収集した情報を解析・分析し、関連付け、統合化することにより、利用者の生活課題を明確にするために行われる評価や査定のことを示している。介護アセスメントは、利用者の現在の状態をよく知り、利用者が何を求めているのか、希望・要望を掴むために行われる。

介護過程の展開に関する詳細解説

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000791444.pdf


第4問 短期目標の設定

短期目標の設定に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 介護福祉職の視点で目標を設定する。

  2. 多様な解釈ができる言葉を用いて設定する。

  3. 実現可能な目標を段階的に設定する。

  4. 長期目標とは切り離して設定する。

  5. 最終的に実現したい生活像を設定する。

答え:3
短期目標や長期目標は、利用者の視点で目標を設定する。
多様な解釈ができる言葉を用いた場合、利用者、介護福祉職等の間の解釈に誤解が生じる原因となる。目標は、わかりやすく、具体的な言葉を用いて設定する。
最終的に実現したい生活像を設定する長期目標を達成するために、実現可能な短期目標がある。


第5問 再アセスメント

次の事例を読んで答えなさい。

〔事例〕
Mさん(78歳、女性、要介護2)は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。
楽しみは、お風呂に入って肩までつかることである。身体機能に問題はない。短期目標を、「見守りのもと、一人で入浴する(3か月)」と設定し、順調に経過していた。
1か月が過ぎた頃、朝の申し送りで、「Mさんが昨日浴室を出ようとしたときに足を滑らせたが、転倒はしなかった。念のため受診したが問題はなかった」と報告があった。その日の夕方、介護福祉職が入浴に誘うと、「行きたくない」と強い口調で断った。それから1週間入浴していないことを心配した介護福祉職が居室を訪ねて、安全に入浴できるように浴室内を整えたことを伝えた。しかし、Mさんは、「怖いから」と小声で言った。

Mさんの再アセスメントに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 順調に経過していたときの状況を分析する。

  2. 「怖いから」という思いを解釈する。

  3. 入浴を断られた介護福祉職の思いを理解する。

  4. 入浴時間の変更を検討する必要があると判断する。

  5. 入浴を面倒に思っていると判断する。

答え:2 
順調に経過していた時の状況を分析しても、現状の新たな問題には結びつかないため、再アセスメントが必要となっている。
Mさんの再アセスメントを行うことに対して、入浴を断られた介護福祉職の思いを理解することは別の問題である。
入浴時間の変更や入浴を面倒に思う解釈は、足を滑らせたことからくる不安とは結びつかない。


第6問 支援の方向性

次の事例を読んで答えなさい。

〔事例〕
Mさん(78歳、女性、要介護2)は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。
楽しみは、お風呂に入って肩までつかることである。身体機能に問題はない。短期目標を、「見守りのもと、一人で入浴する(3か月)」と設定し、順調に経過していた。
1か月が過ぎた頃、朝の申し送りで、「Mさんが昨日浴室を出ようとしたときに足を滑らせたが、転倒はしなかった。念のため受診したが問題はなかった」と報告があった。その日の夕方、介護福祉職が入浴に誘うと、「行きたくない」と強い口調で断った。それから1週間入浴していないことを心配した介護福祉職が居室を訪ねて、安全に入浴できるように浴室内を整えたことを伝えた。しかし、Mさんは、「怖いから」と小声で言った。

再アセスメントによって見直した支援の方向性として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 湯船につかる自信を取り戻す支援

  2. 浴室内の移動の不安を取り除く支援

  3. 浴室まで安全に移動できる支援

  4. 足浴で満足感を得ることができる支援

  5. 身体機能を改善する支援

答え:2 】
Mさんは、浴室を出ようとしたときに足を滑らせており、湯船につかること、浴室までの移動にに不安を感じているわけではない。
Mさんの楽しみは、お風呂に入って肩までつかることであり、足浴で満足感を得ることができる支援は適切ではない。
足を滑らせたこと、滑った後の受診後の結果からもMさんの身体機能に問題があるとは考えにくい。


第7問 主観的記録

次の事例を読んで、答えなさい。

〔事例〕
Aさん(80歳、女性、要介護3)は、パーキンソン病(Parkinsondisease)と診断されている。診断後も家業を手伝いながら、地域の活動に参加していた。
半年前からパーキンソン病(Parkinsondisease)が悪化し、動作は不安定となったが、「家族に迷惑をかけたくない」と、できることは自分で取り組んでいた。また、主となる介護者である娘に服薬を管理してもらいながら、通所介護(デイサービス)を週3回利用し、なじみの友人と話すことを楽しみにしていた。
最近、通所介護(デイサービス)の職員から娘に、昼食時にむせることが多く食事を残していること、午後になると、「レクリエーションには参加したくない」と落ち着かない様子になることが報告された。

介護福祉職がAさんについて、主観的に記録したものを1つ選びなさい。

  1. パーキンソン病(Parkinsondisease)と診断されている。

  2. 帰宅願望から、レクリエーションの参加を拒否した。

  3. 「家族に迷惑をかけたくない」と話し、できることは自分で行っていた。

  4. 週3回、通所介護(デイサービス)を利用している。

  5. 昼食時にむせることが多く、食事を残していることを娘に報告した。

答え:2 
記録は自分の感情や憶測を入れずに、客観的事実を正確に書くことが大切である。担当者が気づいたことや考えたことなどは、主観的な記録となる。
Aさんは、「帰宅したい」とは言っていないため、帰宅願望からレクリエーションの参加を拒否したというのは介護福祉職の主観である。

介護記録に関する詳細解説

http://www.medical-friend.co.jp/pdf/1437.pdf


第8問 生活課題の優先順位

次の事例を読んで、答えなさい。

〔事例〕
Aさん(80歳、女性、要介護3)は、パーキンソン病(Parkinsondisease)と診断されている。診断後も家業を手伝いながら、地域の活動に参加していた。
半年前からパーキンソン病(Parkinsondisease)が悪化し、動作は不安定となったが、「家族に迷惑をかけたくない」と、できることは自分で取り組んでいた。また、主となる介護者である娘に服薬を管理してもらいながら、通所介護(デイサービス)を週3回利用し、なじみの友人と話すことを楽しみにしていた。
最近、通所介護(デイサービス)の職員から娘に、昼食時にむせることが多く食事を残していること、午後になると、「レクリエーションには参加したくない」と落ち着かない様子になることが報告された。

その後、娘が腰痛を発症し、Aさんは短期入所生活介護(ショートステイ)を利用することになった。
次の記述のうち、短期入所生活介護(ショートステイ)におけるAさんの生活課題として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。

  1. 食事を安全に摂取できること。

  2. 服薬の管理ができること。

  3. 通所介護(デイサービス)の利用を再開できること。

  4. なじみの友人ができること。

  5. 地域の活動に参加できること。

答え:1 
服薬の管理は、娘に行ってもらっており、短期入所生活介護では、介護職員等が行うべきである。
通所介護の利用は自宅に帰ってからの生活課題である。
短期間利用するサービスである短期入所生活介護では、なじみの友人をつくること、地域の活動に参加することは最優先する生活課題とは言えない。

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