京都舞鶴・ひとり旅(ソロ旅)
郵便ポストから、羊飼い達が送って呉た四角い小包を取り出すと、ボクはそれを大事に抱え部屋に持ち帰り、中から新調したフォールディングナイフを取り出した。
いつものように丁寧に刃先を馴らすと旧独ソ時代のクリミア兵みたく十字を描きながら、アゾフの戦士のような雄叫びを挙げナイフを奥深く突き刺すと、サラブレッドのように鍛えあげられたボクの左上腕二頭筋から大量の鮮血が溢れ出た。
ボクはその一連の儀式が想起する或る種の痛みを伴う時、必ずといっていいほどキミが与えて呉た15年前の出来事が、まる