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2021年・下半期ロック・アルバムBEST15(洋楽編)

上半期のBEST15の評判が良かったら下半期も書く....…と宣言していたので有言実行。今回は悩みに悩んでBEST20でも30でも良かったくらい選べない。というのも下半期はリリース・ラッシュであったのだ。
ライブが自粛ムードがある中、ミュージック・シーンも巣ごもり需要にシフトしていったのかも知れない。となるとライブ・パフォーマンスが肝となるロック・バンドは相変わらず苦境を強いられるのでないだろうか。

2021年下半期にリリースされた主なアルバム(洋楽)

※邦楽はWANIMAとDIZZY SUNFESTの新作くらいしか聴いてないなぁ。

  • リンプ・ビズキット「スティル・サックス」

  • コールドプレイ「ミュージック・オブ・スフィアーズ」

  • アイアン・メイデン「戦術」

  • エクソダス「Persona No Grata」

  • ドリーム・シアター「A View From The Top Of The 」

  • レディオヘッド「KID A Mnesia」

  • Mdou Mocter「Afrique Victime」

  • ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン「Bullet for My Valentine」

  • アンドリューWK「ゴッド・イズ・パーティング~神童乱舞」

  • スワロー・ザ・サン「Moonflowers」

  • エンジェルズ・アンド・エアウェイブス「Lifeforms」

  • ラナ・デル・レイ「ブルー・バニスターズ」

  • アスキング・アレクサンドリア「See What's On The Inside」

  • ウォーク・ザ・ムーン「HEIGHTS」

  • ジェイムズ・ブレイク「フレンズ・ザット・ブレイク・ユア・ハート」

  • リル・ナズ・X「MONTERO」

  • ビリー・アイリッシュ「Happier Than Ever」

  • アデル「30」

  • ビースト・イン・ブラック「ダーク・コネクション」

  • ワンリパブリック「HUMAN」

  • American Teeth「We Should Be Having fun」

以上がベスト15には漏れた作品だ。(あくまでも個人的な意見)ちなみにコールドプレイの「ミュージック・オブ・スフィアーズ」は全米初登場1位で、相変わらず根強い人気だとは思った。なんでそんなに人気あるのか意味がわからない。
しかしエレポップ過ぎて「これはロック、ロックじゃない論争」以前に、コールドプレイって暗い曲が多く陰キャのイメージだったのだけど、新作はノリノリで陽キャ全開なのが気になり申し訳ないがそっちの方面で好きになれなかった。実は「ゴースト・ストーリーズ」以降のアルバムは全て嫌いだ。

ワンリパブリックも相変わらずセールスは良かったみたいだ。ギリギリ、ランクから外した。ビースト・イン・ブラックももう少しキラーチューンがあればランクインしてた。次作に期待しよう。

リンプ・ビズキットが「ゴールド・コブラ」以来10年ぶりに新作「スティル・サックス」をリリースしたが、かつて全米1位に2度輝いたあのリンプが·····初登場155位と振るわず。

同じく2ndアルバムで全米4位、そして3rdアルバムで全米3位にも輝いた事がある英国ヘヴィメタルの雄ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインも、原点回帰でセルフタイトルの新作をリリースして気合い充分だったはずなのだが、初登場153位。は?という失速。彼らを神話のように崇めてるメタルファンには申し訳ないが、日本でしか人気が無い。
まるで末期のオアシスのようだ。「スクリーム・エイム・ファイア」が最高傑作だった。あれを超えられない。今回、作品は悪くはないが、セールスが酷過ぎて失笑する。

個人的にはポップパンクのAmerican Teethのデビュー・アルバムが気に入ったのだが、あまりにも情報不足なのでランク圏外。良い作品なんだけどね。

完全にロック受難の1年になったような形である。それでも良い作品を選んだ。

ここから先、音楽聴きながら記事も読めてしまうお得感満載だ。しかも広告も入らない。

ちなみにこれはスマホで書いた。スマホで読みやすいと思う。

これが私の2021年(下半期)アルバム・ベスト15だ!

あくまでも個人的な意見なので悪しからず。


15位 ドートリー「DEARY BELOVED」

歌モノ・ヘヴィロックとしてコンスタントに活動してるドートリーの新作が15位。デビュー・アルバムが全米1位、アルバムを出す毎に全米チャート10位以内にランクインする安定ぶりであるが、面白い事にイギリスではまったく人気がない。まぁ、日本でも人気はないが。
もともとアイドル的な立ち位置でスタートしたバンドの宿命だろうか。
しかしながら、なかなかどうして、3doors downやBring Me The Horizonを彷彿させる円熟味を増した良いアルバムだと思う。個性が無い·····と言えばそれまでだが。

14位 チャンク!ノー・キャプテン・チャンク!「Gone Are The Good Days」

イージーコアとかディズニーコア?とか呼ばれてるチャンク・ノー・キャプテン・チャンクの新作。一見、なんの変哲もないポップパンクに思えるが随所に違和感しかないスクリームが散りばめられている。
まぁ、スクリーモ系の一種なんだけどね。ただ、あまりにもポップなので、油断してると絶叫が来る。オールタイム・ロウくらいメロディのクオリティか高ければギャップも楽しめるのだが、惜しい。クセは強い。

13位 クレイドル・オブ・フィルス「エグジスタンス・イズ・フュータル」

まさかのデスメタルがランクインするとは思わなかっただろう。しかも、シンフォニック・ブラックメタルだ。
パンクもデスメタルもポップスもひとつの基準で聴いてる。良いか良くないか。ただ、それだけであって私にとっては知名度もジャンルもさして大きな障害ではない。
それが例え邪悪なブラックメタルであってもクオリティが高ければ私は評価をする。クレイドル・オブ・フィルスは昔からずっと良かったし、軸もぶれていないが、もうこの新作はホラー映画のサントラみたいな壮大さすら憶える完成度。セールス的にもビルボードチャート、ランク圏内だしイギリスを代表するバンドとなりつつある。
チルドレン・オブ・ボドム亡き今、シーンの中心に君臨する王者のエクストリーム・ミュージック。

12位 ザ・キラーズ「プレッシャー・マシーン」

アメリカのバンドでありながらアルバムを出す毎にイギリスでは1位常連のザ・キラーズ。まるでストロークスと同じ道を辿っているようだ。
今回は全米チャート9位、全英チャート1位だそうだ。ちょっと大人しい感じはするが、アコースティックなサウンドを織り交ぜたカントリーミュージックも取り入れた良質のアメリカン・ロックである。もうちょいアップテンポな曲も欲しかったな。その中でもこの「Sleepwalker」はお気に入り。

11位 イマジン・ドラゴンズ「マーキュリーACT1」

なんの説明も要らない。みんな大好きイマジン・ドラゴンズの最新アルバムである。
正直に言うと1曲目の「MY LIFE」が良過ぎたので過度の期待をしてしまったが、尻すぼみの印象はある。シングル曲もそれなりに良いが、最近多いクイーンっぽいサウンドとも言える。ちなみに本国アメリカでは少し人気に翳りが見えてきて、今作は全米初登場9位だった。このバンドの魅力はやっぱりクセの強いヴォーカルよ。将来、キングス・オブ・レオンのような渋いバンドになりそうだ。

10位 トリヴィアム「In The Court Of The Dragon」

スラッシュメタルを軸としながらもブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインとは対称的に地道に実力を積んできたトリヴィアム。なんと今回初のビルボードトップ10入り、過去最高の全米初登場7位という快挙。
今まで完全に上にいたと思われていたブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインの同時期にリリースされた新作が153位と不振だった事から鑑みても(まぁ彼らは音楽性がコロコロ変わり過ぎだからファンが離れたんだろうが)、一途にメタルだけを追求してきたトリヴィアムが完全に立場逆転した。
これはトリヴィアムの最高傑作。現代ヘヴィメタルの最高峰。ジャケット見るだけでも興味そそられる。

9位 ビッフィ・クライロ「The Myth of  The Happily Ever After」

前作とジャケットが似ていて対のアルバムになるのかな?歌詞はわからないけれどコンセプト・アルバムとかではないようだ。
前作が明るくポップなアルバムだとしたら、今作は少し暗くて渋いアルバムだと思う。4曲目くらいまで聴いたら一瞬1位にしようかと思ったくらい良作だ。彼らは「イギリスのフー・ファイターズ」的なポジションを確立していて、アルバムを出せば毎回全英1位になる。しかし、日本ではまったく人気がない。ちなみにアメリカでもあまり人気はない。
まぁ、フー・ファイターズも日本でそんなに人気ではないもんなぁ。
骨太なオルタナティブ・ロックを聴かせてくれる。

8位 トム・モレロ「Atras Underground fire」

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、オーディオスレイヴのギタリスト、変態テクニシャン、トム・モレロのソロ・アルバムである。ブルース・スプリングスティーンやエディ・ヴェダー、Bring Me The Horizon、ダミアン・マーリー·····錚々たるメンバーが客演してる。
ギターの良さがそんなにフューチャーされてないのが気になるが、まぁ豪華である。ただアルバムに統一感はない。
ブルース・スプリングスティーンが参加してる曲はしっかりロックだし、ダミアン・マーリーが参加してる曲はしっかりレゲエっぽいし。ギタリストのソロと言うより最近多いDJ系のアーティストのアルバムを聴いてるような感覚だ。さらにこの路線で「Atras Underground Flood」という対のアルバムを出そうとしているのが末恐ろしい。(サブスクではもう聴ける)何かのオムニバスを聴いてる感覚にはなる。
ただし、ギターテクニックに関しては折り紙付きだ。
みんなの気持ちを代弁して一言。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの新しいアルバムを出してくれ!

7位 ザ・ウォー・オン・ドラッグス「I DON'T LIVE HERE ANYMORE」

ザ・キラーズが12位でこのザ・ウォー・オン・ドラッグスが7位。
作風は似てるかも知れないが、サウンドに厚みと広がりがある。アコースティックサウンドと言ってもヴォン・イヴェールのような幻想的でもあり、泥臭いカントリーロックを奏でていたりもする。
あれ?今、80年代だったっけな?
アメリカのバンドでいかにもな優等生的なアメリカン・ロックだがザ・キラーズ同様、イギリスで先に火がついた。今作は全米初登場22位、全英6位。
今後に期待を込めて。

6位 バッドフラワー「This is How The World Ends」

完全にこれは私好みかも知れない。直訳すると「惡の華」ですか。カリフォルニア州ナッシュビル出身のオルタナティブ・バンド。
いかにもポップパンクをプレイしそうな風貌だが全然違う。パワフルなロックからアコースティックサウンドまで幅広いのだ。それでいて楽曲のクオリティは高い。
ウィーザーのようなパワーポップ·····とでも言おうか。もっと自由度は高い気もする。シューガーカルトを思い出した!まさしくそれだ!
イチオシ。

5位 ヴォルビート「サーヴァント・オブ・ザ・マインド」

いやもうこれはメタル・ファンは諸手を挙げて歓喜してる事だろう。デンマークのメタリカことヴォルビートの最新アルバムである。
前作がまさかの全米4位にランクインし、一気に世界的なメタルヒーローになったヴォルビート。今作もかなりのセールスだそうだ。(ビルボードチャートはわからないけど、Amazonハードロック・メタルチャート1位になっていた)もちろんデンマークの国民的バンド。
キャリアは長いのにアルバムを出す毎にランク上げて認知度も上がってきてるのは素晴らしい。
ロカビリー+メタルが売りらしいが、その「ロカビリー」の部分がよくわからない。私には「キャッチーなメタリカ」という表現がピッタリだ。それでいて男臭いボーカルなのに、声域が広くてキャッチーで·····。
ニッケルバックっぽいバンドはよくいるけど、メタリカに曲調は全然似てないのにメタリカを彷彿させる才能は凄い。バッチリなギターソロもある。文句無しのメタル界の救世主。

4位 アラン・ウォーカー「ワールド・オブ・ウォーカー」

おい!こら!ロックどこ行った?とまたクレームが来そうだ。前回、上半期でジャスティン・ビーバーを2位に入れた前科もあるし·····今回はEDMだしDJだし。
アラン・ウォーカーの2ndアルバムである。ところで彼の代表曲「Faded」はYouTubeで33億回も再生されてるんだね。唖然とする。もちろん今回のアルバムもクオリティ高すぎる。
一昔前まではエレクトロ・ミュージックはサウンドだけで聴かせるタイプのアーティストが多かった。ケミカル・ブラザーズ然り、ダフト・パンク然り、アンダーワールド然り。
近年はDJブームもあるが、きちんとヴォーカリストを起用して「歌モノ」として聴かせる·····その点においてアラン・ウォーカーは完璧なのである。
捨て曲などない。最高のアルバムである。

3位 サム・フェンダー「Seventeen Going Under」

イギリスのシンガーソングライター、サム・フェンダーの2ndアルバム。ブルース・スプリングスティーンに憧れてロックやってる·····そんな好感が持てる。
もう1曲目からアップテンポだし、ストロークスやアークティック・モンキーズを最初に聴いた時くらいの衝撃がある。ドライブの為のBGMと言うべきか。清々しいロックンロールである。ロックも捨てたもんじゃねぇな。1位にしても良いくらい。

2位 エド・シーラン「イコールズ」

うん、サム・フェンダーは凄く勢いのある若手だけど、やっぱりイギリスのシンガーソングライターと言えばエド・シーランでしょ。
55億回も再生されている「シェイプド・オブ・ユー」のイメージが強過ぎて、エド・シーランと言えばアレ·····という感じだし確かに代表曲だけど、あの曲こそ変わり種な感じがする。
彼は1stアルバムからずっと良いんだよ。
今回はバラードも多くて感動的だし、アップテンポな曲は80年代エレポップみたいでa~haやワム!やSTARSHIPなんかを彷彿させる。
1曲目からちゃんとロックだし、ロック・アルバムとして評価出来る。彼のルーツのアコースティック・ギターもしっかり活かされている。言うまでもないが、セールスも好調で今作も全米、全英チャート共に1位である。

1位 ホールジー「If I Can't Have Love,I  want power」

3度の流産、それから待望の出産を経て母となってリリースされたホールジーの4作目。
本人たっての希望でトレント・レズナー&アッティカス・ロスのプロデュースによる作品。トレント・レズナーらしいインダストリアル・ロック、ゴシックなどをベースに前衛的で尖った作風となっている。
ポップでありながらポップさなど微塵も感じさせない。彼女自身の出産に対する恐怖から、いろいろホラーの要素が詰め込まれたそうな·····。同じワードを何回も執拗に繰り返すメッセージ性というか、パンキッシュな歌詞、音楽性すべてにおいて「強いなぁ」という印象だ。
少々、音楽性が地味に思えるかも知れないが、中毒性がある。
それにしても·····「I am not a woman, I’m a god(私は女性ではない、私は神だ)」とか強いな。アルバムのタイトルも「愛を手に入れられないなら、権力が欲しい」との力強い宣言である。この路線で突き進んで欲しい。


以上、2021年・下半期ロック・アルバムBEST15(洋楽編)でした。2022年のロック・シーンからも目が離せませんね。

ありがとうございました。





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