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インターンシップ通信 Vol.2 キャリア論、鍛え方 インターンの皆さんへ


*これは、弊社インターンに参加する方々のために、時短で作成した研修用メモに少し一般むけに加筆修正したものです。
 
 
お疲れ様です。
一応、インターン継続するという前提でインターンシップ通信Vol2を作りました。

あまりインターンに時間が避けないので、このような通信教育形式になってしまい申し訳ないです。

今回はキャリアについてと、鍛えるべきスキルや鍛え方についてある程度事前にノウハウ共有させていただきます。(相変わらず実践や実力は、現場で鍛え去るを得ません)
 
先日、キャリアカウンセリングシートなるものをお渡ししたと思います。
それはもっぱら自己認識を高めるためのものですので、それそのものに正解はありません。
然し乍ら、「キャリア」という概念にはある程度の輪郭乃至値域や定義域といった範囲や領域を帯びていますから、今回はその件について手引きしておきます。

1.キャリアについて、始める前に考えておくべきこと。



 まず確認なのですが、キャリアってなんぞということです。
 キャリアというのは職業や仕事、社会的な地位を築いていくことに他ならないのですが、
 キャリアの捉え方というのは結構その年代ごとに違っています。いくつか代表的な観点・アプローチを紹介したいと思います。
 
 
 封建制社会では主従関係や上限関係を明瞭化するところに定義が嵌まっていました。
 上司部下といった考え方がそれです。
 
 工業化社会では労働生産と労働時間という概念がキャリアを左右していた側面があり、
 例えば刀鍛冶や窯元では製造物の売れ行きや名誉といった生産価値を生み出すことこそが
 キャリアそのものでした。
 またそれら以前の先史時代では力関係や威力といった武力による関係がキャリアを決めていた頃もあります。文明のなかったその頃にとっては暴力や威迫行為こそがキャリアなのです。
 
 今は何がキャリアを左右するのでしょうか。
 
 その際の観点として妥当なのは、職業や仕事の捉え方、もっと広範に俯瞰するなら
 「産業とは何か」という捉え方から自分のポジションを決めていく作業に持っていくことができるのではないでしょうか。
 
 これは商工業や農業といった産業分類の区別はもちろん、世界経済や金融といった市場原理的な見方もできると思います。

 

a.)得たいスキルや職能、専門知識から勘案するアプローチ


最も世間一般に普及しているのはこのケースですが、
これはある程度産業が安定している時代の前提です。
この前提下にあるうちは簿記や司法試験に受かれば良い、などという考えに帰結するわけですが、この着想が有効なのはあくまで産業がある間だけです。

2023年現在の日本では少々似つかわしくない見方になりますが
資格そのものが無駄なわけではなく資格があれば良いという見方が乱暴すぎると言いたいだけです。
 
いくら資格があってもキャリアや職能、経験がなければ仕方ないし、反対に職能経験があっても資格がなければデータが古いままで時代錯誤甚だしい職業しか選べなくなりどちらも行き詰まる傾向があります。「両方あって然る冪」とするが善。
 
  ちなみに2023年現在は量子コンピュータ社会の黎明期に差し掛かっています。
  量子コンピュータの基本知識を備えていることが最大のアドバンテージになり得ます。
 
  要するに今後のびる業界や産業に必要な知識は持っておいて損はないということです。
 
 

b.)人生哲学としての観念的アプローチ


 
 別の代表的な観点として人生哲学としての捉え方もあると思います。
 自分の人生をどこに置くかという観念的な思想から入るアプローチです。
 
 これにはよりパーソナルな視点に立ちどのような人生を歩みたいのかといったパーソナルビジョンから入る方法もあれば、成し遂げたいこと(ミッション)、価値観(バリュー)について勘案するアプローチも十分に検討の価値があると思います。
 


c.)生物学的観点(より広い視野)


 もう一つの観点としては生物・生態系としての見方もあります。
 
 進化の過程や社会や人類、生物という生態系の中でどのような立ち位置で過ごすのか、どういう振る舞いをするのかといった環境社会学的な観点です。
 
 人間とは何か、生産とは何かといった哲学的な問題からアプローチしてもいいし、自分とは何か、何を目指しているのかといった観念的なアプローチでも構いません。見ているものは同じで側面が違うだけだからです。
 
 生物的な側面を切り出すなら家族形成や資産構築といったファイナンスの面もセットで出てきますから、リテラシーも必要でしょう。
 
 生態系から考えるのなら人間社会が地球とどう関わっていくのか、それに対して自分はどう振る舞うことが、自然と、地球と、自分と、社会にとっての最善なのかという社会的アプローチでも答えは出てくると思います。
 
 これらa,b,cは各個別的なものではなく相互相関的なものですので、結局は「一度全部考えたほうがいい」というのが私なりの結論です。
 

 

2.キャリアがある場合とない場合のプロコン

 
さて、キャリアがあるのとないのとではどう違うのか。少々乱雑さを孕む話題ではあるもののある程度の的中具合を狙って範囲を特定しつつプロコンを挙げておこうと思います。
 
キャリアがある人の場合
 
Pros
–    経済が悪化しても割と食べていける。(食べていけない人の傾向にはっきりとしたキャリアがないことが特徴として挙げられる)
–    時間経過と共に資産を増やしていきやすい。(資産がない人の特徴にはっきりとしたキャリアがないことが特徴として挙げられる)
–    社会生活が豊かになりやすい。(大人になるにつれて社会的信用は社会生活を営む上での重要なステータスになるから)
Cons
–    基本的に苦労は絶えない。というか努力を辞めるとすぐに落ちるので継続力が大事。
–    仕事や勉強以外の時間が相対的には減る。基本忙しい。
–    アテ勘だけでキャリアを築こうとするとどん詰まる。無駄ということはないだろうが伸びもしない産業っぽい領域で頑張っても伸びは弱い。
 
 
キャリアがない人の場合
 
Pros
–    仕事以外の時間がたくさんある。趣味に時間を多く割けるかもしれない。
–    趣味的な繋がりは増える。ある意味では豊かな社会生活かもしれない。
–    普段の苦労は少なく比較的楽な人生といえる。省エネ。
 
Cons
–    お金ない。相続資産はすぐ溶ける。毎日がその日暮らし。
–    経済が悪化したら全面的に詰む。
–    保全がない。安心はない。
 
 

3.環境変化にどう対抗するか


 
世界は絶え間なく変化するため、変化に対する対抗要件は色々と揃えておくべし。
とはいえ、まだキャリアがないうちから環境変化に対してどう捉えるべきかについて
明確に認識するのには無理があるので、設計上抑えておきたいポイントだけ列挙しておきます。
 
・  今後500年以上続く産業は何か?から入る
 
その産業に就くか否かは別として、それほど長期に続く産業なら他の産業にも影響を与え続けるのは間違いないので、参考にしておくと良い。
例えば農業など。
 
現代であれば例えば量子産業や宇宙航空産業はおそらく500年以上続きますよね。
 
・  今一度改めて情報通信のリテラシー
 
どんな職業でも情報リテラシーは最低限必須の要素です。情報が関わらない仕事がまず一つもないので抑えておきましょう。現在は農林水産業やカフェでさえ情報リテラシーに左右されています。というより、ビジネスは情報そのものの取り扱い方でもあるので情報リテラシー≒ビジネスリテラシーです。
 
・  言語
 
現代のキャリアパーソンの主要な使用可能言語数は4ヶ国語が標準モデルです。
国境が曖昧になり国際的なやりとりをするシーンは過去1世紀で見て最も増加している時節でもあります。
最低でも自分が好きな国や好きな人たちのいる国の言語くらいは抑えておきましょう。
 
・  ビジネスリテラシー
 
経済学(環境経済学含む)はもちろんのこと、ビジネスに直結している会計や法律などの基本的な教養は一応一通り抑えておきましょう。一番基本的なところで挙げておくと法律(商法、民法の契約行為)、会計、IT、経営戦略、人事などでしょうか。

 

4.今後伸ばすべきスキル、伸ばしておくと有利なスキル、検討しても良いスキル

 
初めてインターンに参加したり、社会経験が浅いうちは次の社会スキルを身につけることが最優先です。
 
a.) スケジュール
b.) 連絡共有、相談スキル
c.) 自主行動自主管理
 
 
aは言うまでもなく期日管理でもあります。提出物があるときは期日を守らないと「不参加」扱いとなるので注意が要ります。
 
これは実際に就業した後で最終お客様に迷惑がかかるからで、その前に社内で迷惑がかかります。「あいつの所で止まってるなぁあの資料」にならないよう、納品管理とまではいかないですが流石に進捗管理くらいはインターンの段階でも自分なりに努力しましょう。
 
 
bは少し想像力が要ります。が、簡単な話aさえできていればそんなに特殊な技術は要りません。大体、aとbはセットですから片方ができて片方できないなんてことはあまりありません。どっちかができないと言うことはどちらか他方もできていないケースが多いです。
 
なぜなら、どちらも「これ連絡しておかないと相手方が困るだろうな」と想像できるかできないかだからです。現場では例えば書類が整わなければ先に進めないケースは99%あります。完全でないにしろ素案は出しておくとか、状況周知しておくなどの配慮は最低限のことです。これはそもそもが社会への参加意欲があるかないかの問題ですから私があえてこれ以上言うことでもありません。
 
 
cは上の1、2の総合でもあります。自主管理自主行動ができる人は自分から申告ができる人です。誰かの指示を待っているくらい偉い立場になれば別ですが、あぐらをかかず謙虚になりましょう。謙虚な人は健全な姿勢で取り組んでいる人です。健全な人というのは基本的に自主管理が行き届いている人のことです。仕事に取り組む姿勢は例えまだインターンの研修生であっても常に健全さ・清潔さだけは維持しましょう。
 

 

5.各鍛え方

 
リテラシーは勉強習慣で解決しますから敢えて挙げなくて良いでしょう。
どちらかというと連絡相談や報告する習慣は少しコツや努力が要るように思います。
スケジュールや自主管理についてはメンタリティの問題です。何事も挑戦ではありますが、成果というのは努力と姿勢で決まるモノであって運ではありません。
 
その時々で概念としての捉え方に多少変化があったとしてもキャリアを築くということは即ち社会に参加するということです。
 
今一度、なぜ自分はキャリアを築くのか?なぜ自分は社会に参加しようと思うのかについて内省していただき、どんな成果を望むのか、どのような対価を得たいのかについても明確にイメージして参加してください。
 
インターンというのは社会に参加する準備期間のようなもので、責任は伴わないとはいえ責任を負うようになってもへこたれない基礎体力を身につける大切な時期と捉えて真剣に取り組みましょう。練習だからといって真剣さを欠くと大怪我をします。また機会や幸運は誰にでもありますがそれをモノにできるかどうかは本人の取り組み次第です。機会をごみ同然にしてしまうのか、あるいは反対に二度とない僥倖と自ら主体的に取り組むかで将来は大きく違ってくると思います。
 
どこへ行っても得られるものはあると思いますから、私のところで研鑽を積むのは絶対ではないと思いますが、かといっていい加減にやるようなら私は容赦無く切ります。というのをわざわざ念書しておくのは、仕事は遊びではないし趣味とも違います。
 
真剣な人には次から次へと機会が。機会が来ないと僻んだ人生にするか、恵まれた人生と感謝し続ける人生にするかも結局は自分次第なので誰のせいでもありません。そもそも人間は全員運がいいからです。問題はその運をどう扱うかで人生の実り具合に大きな差が開くということです。
 
 10 Jan 2023
 

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