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インターンシップ通信Vol.4 収入と資産

*この記事は、弊社インターンシップ生に向けた研修用ノートです。普段会っていない時間でもノウハウのアップデートができるように考案したものです。

こんにちは。前回までは割と仕事に対するメンタリティなり捉え方、特にキャリア形成に役立ちそうなセルフマネジメントに関するTIPSを提供しました。今回はより個人サイドに立って、仕事とキャリアをどう自分の資産形成に繋げるかについて触れておきたいと思います。

1.キャリアとお金の結びつき

キャリアと必ず結びついてくるのはお金、収入についてですが、キャリアと収入が関係しているのはいうまでもありません。言い換えれば、収入が多い人ほどキャリアの築き具合が人よりも上手く行っているケースだという一つの裏付けでもあります。キャリアを築いているのに収入が少ないというのは少々考えにくく、あるとしてもよほど特殊なケースですので今回は無限小であるとして省いておきます。

キャリア構築がうまく行っていると収入が多いのは単純にスキルの高度化、つまり能力開発がそれだけ進んでいるからです。キャリアと一言に言っても色々ですが、私の周りの人たちの場合、経営者としてのキャリアを歩む方が多いので、経営者に例えるとわかりやすいと思います。

経営者で収入が多い方は当然企業で利益を出している方に限定されます。こういう方はつまるところ経営者としてのキャリアがうまくっている方です。どうキャリア形成がうまく行っているかというと、利益の出し方に関する知性や技能が限りなく高いということです。経営技能は利益の産出相応なので、そのままそっくり業績がその経営者としてのキャリアです。

利益を出すためには苦労辛酸が絶えませんが、それ=パフォーマンスを上げることの難しさは正直他のキャリアも経営者のそれと同様です。

向き不向きの個人差はあるにせよ、自分が向いている職種で頑張っているという意味でもキャリア形成がうまく行っているからとしか言いようがないと思われます。わざわざ向いていない職種を選んだりするのは、どうしてもキャリア形成がうまく行っているとは言えないからです。個人差を理由にキャリアを諦めるのでは本末転倒なので、結果的にキャリアがうまく行っている人は自分の向いている職種を発見しリソースをフォーカスしているということに他なりません。いわばその発見にも苦心してきたはずだからです。それだけその人は努力の仕方が上手なのでしょう。

2.キャリアの度合いと収入の連係

キャリアの進度はスキルの発達度でもあるのですが、スキルが発達すると収入が上がるのは当然です。需要供給の問題で需要側は常により優れた財やサービスを探し続けるため、それを供給できるだけの品質を維持できるスキルを持つ人物はそだけ市場からお金を集めることができるからです。

なので、キャリアをこれから作ろうという方は1にも2にもまずはスキルアップを目指す。それはまぁ普通です。なので結果からするとプロになると高収入になる。1年やそこらではそこまで目立った差異は現れなくても、5年10年と蓄積すると流石にスキルに開きが出ます。同じ職種同じ職業でやっている人たちの間でも大きな差が出るのはこのためで、年齢とともに収入が上がっているということはそれだけ自分のスキルアップにケチらなかった人だということが直ちにわかります。

3.資産形成のススメ

もう一つ、関連指標として考えておいて欲しいのは、資産形成のことです。世の中には情勢を煽っていますぐ株式を買いなさいという本がとっ散らかっていますが、株式にこだわる必要性は全くありません。それどころか、不動産や債券、外貨などある程度分散してバランス良く保有していくのがベターです。

なんのアセットクラスをどのくらいの割合で保有すべきかという課題は、常に付き纏います。ですが、インターンの皆さんは通常貯蓄性資産で十分です。なぜなら元手が必要だからです。

ではどのタイミングで投資を始めたら良いのかというと具体的には30代から40代の間がベスト。そうすると70代80代になった時に公的年金に頼らずに暮らせるからです。

スイスの基準で言えばKantonにもよりますが大体早期キャリア層で年収CHF100.000程度が一般的な目安です。まず学生の皆さんは最初にそこを起点として目指してください。

そして理想的なカーブを描けるならばCHF160.000前後あたりを狙いながらキャリアを築いていく。ただ、一過性のある増額というよりも年々少しずつ上げていき、なるべくブレが少ないようにしていくのがおすすめ。

資産規模ですが、30–40代の間はストックはあまり気にせず、ガツガツ押し倒していってください。ここでケチると老後資産が枯渇しかねないので、先行投資だと思って起業や株式などアグレッシブに攻めていくのがおすすめ。反対に20代のうちからあまりガツガツしすぎると30代で元手がなく八方塞がりになりがちなので、20代のうちはそんなに色々と手を出さなくて良いと思います。

ごく稀に20代から起業して30代で億万長者みたいなタイプもいますが、何かよほど特殊技能があったり将来大産業を築きたいみたいなビジョンを持っていない限りはやめておけ、というのが正直なところです。

反対に20代のうちは30代での元手を形成する時期なので、個人年金や預金性の高い金投資などで力を蓄えておくと良いです。20代はバカをやりがちなので逆を言えば安全資産で担保をとっておけというニュアンスも匂わせておきます。そして、30代で何をしたいか大体の目測でいいので企んでおけばよく、その間色々な体験をしたりスキルアップしたりして事前調査しておいてください。


4.究極の資産はスキルやノウハウの類


なぜスキルにこだわるかというと、時代が移り変わると需要も変わるからです。しかし、需要が変わったとてスキルやノウハウを蓄えてきたことには変わりありません。またどんな啓発書にも書いてあるとおりやはり究極の資産はスキルやノウハウの類だと感じることは度々あります。

とはいえ、時代が移り変わることによって淘汰される業界があることも確かです。実際、コロナ期間中は対面による営業や接客スキルがほぼ無力化されたことを考えると、変化する可能性(リスクという)についても能く能く加味しておくことをお勧めします。

その点については、これまでのインターンシップ通信で掲載した通りです。

5.まとめ

まとめというか余談ですが、なぜ収入を得ることにこだわるのか?その質問ははっきり言って愚問です。
収入が得られない=社会の需要を満たせていないことに他なりません。社会に参加する以上、需要を満たせる何らかの魅力を発揮することが悪いこととは到底思えません。

もちろん、社会につながる必要性を感じない人もいらっしゃいます。そういう方は、大体無収入者です。ただ逆説的ですが、何らかの個としての魅力や性質を発揮してしまうと、必然的に社会の需要を満たすことになり、結果的に本人が望まなくても収入は増えます。

収入の寡多については知り得ませんが、私の大好きな先輩に「旅をする木」の著者である星野道夫さんがいらっしゃいます。星野さんはおおむね一人でカナダに渡り、おおむね一人でアラスカの先住民族と共に過ごした文化的先駆者の一人です。(おおむね一人というのは途中から奥さんも同居したため)

いわゆる世俗的な文明から離れた暮らしではありましたが社会には参加しておられました。そして、どんな社会にしろそこで何かを生産し、交換によって暮らしていたことになります。これは明らかに無収入者ではありません。

一部の極端な自然崇拝者はもしかしたら文明を否定し、文明を構築する人類は敵の象徴だとさえ身構えていらっしゃるケースもあるかもしれませんが、ほぼいません。

ということは、社会に参加しないで生きていくこと自体が人間であることをほぼ否定していることになり、結果生産と交換というごく基本的な経済活動はおそらく0にはできないということです。仮に理論上できたとしてもかなりへそまがりの理論になり、そこを中心に議論を進めること自体がナンセンスだと私自身は感じます。

結局は、理屈はともあれ人は生きている限りは何らかの経済活動をせざるを得ないのです。

そのことからいうと、「収入はいらない」はもう痛々しい独善かもしくは偽善にしかなっていない。ポジティブな面で言えば割とさっぱり人生を諦めているかもしれません。そうでないなら収入はある程度計算しながら生きていかざるを得ないということです、ほぼ一般的に、収入を考えずに生きるのは少なくとも2023年現在の地球文明では不可能に近いです。

だとすれば、どうせ必要ならとことん付き合うつもりの方が、精神衛生上はいいです。その理由は収入がないよりはあった方がいいからです。

資産も同じです。同じ理屈で、資産は必要ない、は現代社会で生きている限りまず通じません。ならばやはり同じ理由でなるべく早めに考えておいた方がいいとなります。当然ながら資産形成は、スタートが早ければ早いほど有利だからです。

日本では金融教育をしていないという大変不名誉な事実が否定できませんが、今更国家主義に染まる必要も、事大主義に流れる必要もありません。今はたいてい誰でも好きな国に住めるし、好きな人生を歩めます。また好きな勉強をして、自分が興味ある分野を極めるだけの環境は既にあります。

これだけ便利になっておいて「でも国が」はあり得ません。明らかに今は誰がみても日本も明治期以前ではないわけで、国よりもあなた自身の人生を優先すべきです。国に尽くしたところで1円も帰ってきません。考えるべきは個性を磨き続け、表現し、発揮することだけが全てです。

その面も踏まえた上で、あなたはあなた自身のキャリア設計をすればいいのだと思いますし、そこに関連した資産形成も同時に独自の方針が見つかるまで大いに勉強したらよろしいのではないでしょうか。

何もしない国をあてにして指を咥えて待っていないで自分から動け。

というのが私の考えですかね。


18 Jan 2023


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