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日記

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2020年7月の記事一覧

2020年7月30日(木)

新宿から御茶ノ水までタクシーを使うといういわば暴挙も、取締役と同行するならば可能になる。スムーズに助手席にのることができた自分の社会性を褒めつつも唾棄したい。道中、九段下駅の出入口が散見された。いつもは地下鉄の乗り換えでしか使わない駅なので、地上にも実在しているのか。という不思議な気分になった。

ほかの人よりも一拭きあたりのトイレットペーパーの使用量が多い可能性が出てきたが、確かめようがない。珪

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2020年7月29日(水)

それなりに綺麗目の洋服を突如として用意する必要が出てきて、新宿を彷徨った。その手のシーンで着用すべき洋服がどういうものかを調べられるとおぼしき単語の組合せで検索をした。正解なんて誰も知らないということが、脅迫的なまでに購入へのリンクへと促そうとする記事を眺めていてわかった。財布の紐を緩めることを許してしまえる外部要因が生じたことをいいことに、大変なことになった。店員と対峙するときのコミュニケーショ

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2020年7月28日(火)

双方極めて穏やかで柔らかな朝だった。雨降って地固まる的お決まりの構図に自分たちを、うまく当て込むことができた。けれどもそれとは、おそらくは完全に無関係な事象として、耐えられないほどではないけれども違和感を常時もたらしてくるような痛みが、腹の、表皮のすぐ裏側あたりにたまっている。消化のいいものを食べようと丸亀製麺に行く、けれどもほかの人よりも、胃腸の具合と、口舌に何か味のするものを触れさせていたいと

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2020年7月27日(月)

久々の労働。これから怒涛の五連勤だと思うと、心苦しい。この時期は月次のルーティン的な作業がごっそりなくなるときだから、それはそれでしんどいものがあるのだった。夜は、これまでとは質の異なる険悪さが、わずか三百円程度のことが切っ掛けで、部屋の中に生じた。それは何とか収まった。
#日記

2020年7月26日(日)

万難を排して、家から一歩も出ないという決意を達成することができた。日記を見返せばわかるけれども、しかし今は見返していないから正確ではないけれどもおそらく前回の完全なるステイホームからは二ヶ月程度のあいだが空いているのではないか。四連休の最後に相応しかった。読書と書き物を、時間やページ数などの目標は特に定めることなしに赴くままに、交互にやっていた。レイソルは三連勝。
#日記

2020年7月25日(土)

前日の酒の残留と、四肢を支配する筋肉痛が原因で、何か活動と呼べるような、たとえほんの些細なことでもいいので実行する気力が生じてくる気配は、少なくとも午前中は一切感じられなかった。畳の上に臥せながら、物を書くことを試みている、ということをふとした弾みで同級生に漏らしてしまったことについて、思いを巡らせていた。書くことで金銭を、少なくとも生活していけるだけの金額を稼ぎたい、という気持ちは毛頭ないけれど

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2020年7月24日(金)

車を出してIKEAに行く。IKEAは安くてお洒落だから好き、と無邪気に言うときのその安さの裏にある誰かの苦汁について、あえて言及したりもする。

そのあとはフットサルをする。二年半ぶりの運動なので動けない権利は当然ある、というくらい堂々とした、運動量の少なさを誇っていた。筋肉痛とは別の痛みが、早速はじまっていた。典型的な動けないおじさんになりつつあるけれども、当時の私がいまの私を見ても特に嘆きはし

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2020年7月23日(木)

極めてたくさん歩いていた。積極的に迷うことを、自分に課しているみたいだった。銭湯で流した汗を、その歩行によってそれと同じぶんだけ新たに皮膚に纏わりつかせた。多摩川の、立川から府中にいたるくらいまでの河川敷は、未整備のまま手付かずの自然が残されている、というよりも、樹木が生えているのではなく廃棄されている、という印象がもたらされる。
#日記

2020年7月22日(水)

休日のような在宅勤務。蝉が鳴き始めていた。今日の自分には、横たわりぐったりすることを許してあげてもいいとだという気分に、その判断には正統性のある根拠などまるでないのだけれども、なっていた。床の材質や物の配置が異なっている部屋が三つもあるので、様々な寝そべり方をした。寝そべるという行為が、人間にとってそこまで心地好いものでなければ、もっと活動的になれたのだと思う。レイソルは強かった。
#日記

2020年7月21日(火)

火曜なのに、明後日から休みだという事実があるから、もう木曜みたいな気分だった。木曜は、それまで過ごしてきた平日の三日間が積み重なるのと、今日を終えても休みまでまだ一日あるのだとどうしても思ってしまうせいで、その週のうち最もしんどい日と感じてしまう確率がとても高いので、今日を木曜と取り違えてしまうのは、極めて損なことだった。夜は鰻を食べた。
#日記

2020年7月20日(月)

これに乗ると過不足ないタイミングで目的地に辿り着けるときいう電車の、この立ち位置から乗り込めば階段の近くにおりられる、という場所にいつもいる人間が私のほかにも一人はいて、その人はせっかくのポールポジションを確保しているにもかかわらず、一番端の座席ではなくそのひとつ隣に腰を落ち着ける。理解しがたい。

新宿駅の東西自由通路が開業していた。今まで改札内だった場所が改札外となってぶち抜かれていて、想像し

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2020年7月19日(日)

歩いていて良い気分になれそうな気候に久々になったので、三鷹の自宅から吉祥寺に向かって、最短距離を取らないという方針以外は何も決めずに適当に歩いていたら、かつて内見に行って仮申込まで済ませて、けれども諸般の事情で引越しをしなかったアパートに出くわした。通ったことのない未知の道を歩いているぞ、という感覚が、それまでに歩いていた過去のぶんまで遡及するかたちで、見覚えのある道へと鮮やかに反転した。一度しか

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2020年7月17日(金)

声帯それ自体も、何を話すべきかを考える脳の部分も疲弊していたから、万全の状態であるときでさえ聞き返される頻度が他人よりもあきらかに高いこの声を発することがとても難しいように思える日だった。昼ごはんは何を食べたらよいのかわからなくなったので、しばらく歩いてそのわからなさをはっきりと自覚したときに目の前にあったフレッシュネスバーガーに、吸い込まれることにした。それの美味しさ自体はともかくその瞬間の私に

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2020年7月15日(水)

夜は飲み会だった。仕事の都合でメキシコ送りになる人間の送別会、というのが一応は名目ではあるけれどもそれは単なる口実に過ぎなかった。こうして集まるために口実が求められるというのはこの禍の情勢以上に、各々が人生のひとつの節目を済ませつつあり集まるだけでも大変だ、ということを意味していた。ぽつりぽつりと新たな人間が仕事を終えてやってくるたび、そこの名物だという肉団子の注文がその都度その場に足されたので胃

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