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日記

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2019年5月の記事一覧

2019年5月30日(木)

上司にテストデータの作成をぶん投げて私は折坂悠太のライブに行った。罪悪感もないではなかったので精一杯楽しむ決意をした。鶯谷には初めて降りた。恐らく今日本で一番猫背が様になる男がそこで唄っていた。喉の奥から絞り出すような、それでいて伸びやか&軽やかな印象の独特の発声は、落語・講談といった話芸の抑揚を思わせるもので、それが和様な歌詞・曲調と響き合って激烈にいい感じだった。程よく狭い会場で音響も良かった

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2019年5月29日(水)

時折イヤホンを外して歩いてみると街にでは色んな音が鳴っていて、例えば歩道を目一杯広く使いながら私の後ろを歩く若男三人組。自分たち今、いい感じの会話ができている。面白さではこの瞬間、全国で七十位には入っているんじゃないかな。だから退屈そうな顔してとぼついて歩いている皆んなにも聞かせてあげますよ。といった風情の会話がとても支配的で印象的でした。過去の己とそばに居た誰かを反照しているようで。気恥ずかし。

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2019年5月28日(火)

5/26(土)に私に人間としての確かな成長、を実感させてくれたメルカリの荷物が返送されて私は一層人間としての減退した。あれは絶対に潰せば3センチ以内だろう。という具合の悲劇的な事件だったがこんな事件が霞むほどの悲劇的な事件が起きてしまった。悲劇的という単語に収斂させてはならないような。この手の事件・事故が起こるとその日は結構びくびくした感じで生きているというか、そういう悲劇が少なくとも自分には降り

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2019年5月27日(月)

菓子摂取制限宣言が発令された、発令の根拠としては顔の丸みが一層丸みを帯びて来ていることが挙げられた。永久にガムを噛んでいよう。という決意虚しく夕方過ぎると購入されるポテトチップス。オフィスグリコに罪はないし、私にも罪はない。罪を憎んで人を憎まず、暴食という概念のみを憎もう。みたいな概念的なことのみを書くほか無いような、何も起こらないが故に他の日と代替可能な日であった。
#日記 #エッセイ #コラ

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2019年5月26日(日)

オルンガのゴールパフォーマンス。徐ろに脛当てを取り出してtelephoneに見立ててどこか、恐らくは故郷のケニアに連絡をしている。というのがとても良いこと以外は良いことが見当たらない試合だった。連休明けの俺か? という位にミスが目立った。実家から掻っ払って来た「かりんとう瀬戸内レモン味」が一等美味しくて夜ご飯がそれになった。吉田健一【瓦礫の中】を読み進めている。オラオラ単語を詰め込んで主語述語が長

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2019年5月25日(土)

メルカリゆうゆう便の宛先をスムーズに切り取って貼り付けることができた時に人間として確かな成長を感じるようになっていて、コンビニの店員が並行して行なっている処理が完了するまでにこちらの作業も終わらせて手持ち無沙汰な時間を発生させない場合は尚更で、技術向上のためにもっと売っていきたいという別角度のモチベーションが湧き出てきたし普通に金もないので積極的な出品が期待される。実家に行くついでに立川に寄ってズ

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2019年5月24日(金)

餃子パーティはパーティなどではなく作業であることを喝破したのは長嶋有であるがそれを身を以て体験した。挽肉と野菜の配分を多分誤って妙に草の味が支配的な餃子が出来上がったがまあまあ美味だった。その後突如【バチェラー・ジャパン】を観る流れになって終電を逃して結局三時くらいまで起きていた。前月の残業時間が二時間くらいだったのでそれに準じた虚しい給料だった。
#日記 #エッセイ #コラム #小説 #創作

2019年5月23日(木)

Internet上で偶々目にした不条理SF官能小説みたいな小説に非道く心を奪われてしまった、これは大変なことになってしまったという感覚があった、結構な大作なので徐々に読んでいくことに並行してその手のゲーム、具体的にはBLACK Cycの【夢幻回廊】シリーズの購入を決意した。写真は職場近くで発見したトマソン、であるがこの「止マレ」の文言に意味があった時代を私は知っている、拠点を離れていた一年間でガー

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2019年5月22日(水)

別拠点に居たチームが丸ごと私の拠点に引っ越して来た、面識は元々普通にあったが激烈に濃い面子で、また彼らが元居たその拠点は人数が少なく部課長的な存在も頻繁に訪れることがなかったから、結構人目というか周囲の人間の存在を憚らずに大声で話し合うような習慣が身に染み付いているようで、我々沈黙の民は静かな時間・空間が着実に侵食されていくのを成すすべなくしているしかないという感じで、隔離されていた環境がそうさせ

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2019年5月21日(火)

米津玄師は"not ゲンシ but ケンシ"であること、さらにはこれが本名であることを唐突に知ることになった、こと以外に特筆すべき点が見当たらない一日だった。激烈な雨が降っていたが止んで傘をバスに捧げて帰宅した。
#日記 #エッセイ #コラム #小説 #創作

2019年5月20日(月)

精神が未熟というか安寧を追求する保守的な思考・志向の持ち主であるからイレギュラーな事態の発生が苦手であるのであって、今日はそういう事態が重なってしまったのでわずかだが確実に精神が磨耗した感覚があった。中央線開業130周年記念の、車体の側面を完膚なきまでにオレンジ色に塗り潰した電車が中野駅を通過した、ということはそれは国分寺駅を出ると新宿駅まで止まらないという恐怖の通勤特急だった、というのは私には関

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2019年5月19日(日)

新宿⇨中目黒⇨中野。耳飾り贈呈後川沿いを徘徊、中目黒のスーパースターバックスの外観を見る。整理券を配布するためだけに拵えられた建物すら妙に洒落ている。阿呆みたいな量を飲み食いして満足と気持ち悪さが紙一重、という状況になる。沖縄に行くことが決定して嬉しい。
#日記 #エッセイ #コラム #小説 #創作

2019年5月18日(土)

大江健三郎の【万延元年のフットボール】を読み終えた、他者との対峙の状況やその渦中に置かれている際の冷徹な客観視に徹している、にも拘らず個々人の切実さが伝わってくる場面描写の一つ一つがまず圧倒されるし、それが緻密に連なって物凄く厚みのあるものを読んだという手触りが残った。というのが語り口の話で、その語り口で以って語られる内容についても、圧倒、というほかない感じで、これは一種の逃避の姿勢でもあるのだが

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2019年5月17日(金)

部内の歓送迎会が執り行なわれた、レク担当なので広がっている立食に加わることなく受付のところで座りながら飲み食いしてたまに人が来ればチェックをするだけでよかったからよかった。新入社員や司会の二年目の初々しさと呼んでしまいたい滑り感は見ているこっちがいたたまれない感じになるので困る。
#日記 #エッセイ #コラム #小説 #創作