門田隆将グローバルクラブ

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作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第12回

門田隆将著『この命、義に捧ぐ』検証シリーズのラストです。これまで100ブロックの疑惑についてご紹介してきました。残り15ブロックの類似点を公開します。 ■門田隆将氏の疑惑(231)〜(235)◆門田隆将氏の疑惑 その231 【根本博「蒋介石の軍事指南番」(「文藝春秋」1952年夏の増刊涼風読本)】63〜64ページ  唯第一線の部隊長は出席しないで現地に在る樣(よう)指示させた。慰労會は豫定(よてい)通り夕方から始まり、午後九時頃に終つて客は散じた。 【門田隆将『この命、

    • 作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第11回

      連載第10回に引き続き、門田隆将著『この命、義に捧ぐ』の疑惑についてご紹介しますね。ときどき旧字体の難読な記述が続くことがありますが、辛抱強くお付き合いください。 ■門田隆将氏の疑惑(211)〜(215)◆門田隆将氏の疑惑 その211 【根本博「蒋介石の軍事指南番」(「文藝春秋」1952年夏の増刊涼風読本)】61ページ  劉少將に案内されて午前九時宿舎を出發、自動車で基隆に赴き直ちにLSTに乗船。先着の萬副總司令、王軍長等と會見。 【門田隆将『この命、義に捧ぐ』】133

      • 作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第10回

        連載第9回に引き続き、門田隆将著『この命、義に捧ぐ』の疑惑についてご紹介しますね。ときどき旧字体の難読な記述が続くことがありますが、辛抱強くお付き合いください。 ■門田隆将氏の疑惑(191)〜(195)◆門田隆将氏の疑惑 その191 【根本博「蒋介石の軍事指南番」(「文藝春秋」1952年夏の増刊涼風読本)】59ページ  久米島からは基隆に直航することにした。石垣や、與那國(よなぐに)に寄ると密輸と誤認されるし、航程が遠くなるので、油と食料の關係(かんけい)から言つても有利

        • 作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第9回

          連載第8回に引き続き、門田隆将著『この命、義に捧ぐ』の疑惑についてご紹介しますね。 ときどき難読な記述が続くことがありますが、辛抱強くお付き合いください。根本博中将の手記が「文藝春秋」1952年夏の増刊号に掲載されたものであるため、戦時中に使われていた旧字体の漢字(画数がムチャクチャ多いもの)が多用されているからです。正確を期すため、原文の旧字体を生かしつつ、読みづらい漢字にはところどころフリガナを入れました。 ■門田隆将氏の疑惑(171)〜(175)◆門田隆将氏の疑惑 

        作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第12回

          作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第8回

          連載第7回に引き続き、門田隆将著『この命、義に捧ぐ』の疑惑についてご紹介しますね。 ■門田隆将氏の疑惑(151)〜(155)◆門田隆将氏の疑惑 その151 【根本博将軍回想録(「師と友」1972年6月号)】33ページ 「私を戦犯にするとか何とか言ふがごときは、児戯に類することである。 【門田隆将『この命、義に捧ぐ』】51ページ  根本は口を開いた。 「私を戦犯にすると言うがごときは、児戯(じぎ)に類することである」  根本はそう言った。静かな口調だった。 「児戯に類す

          作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第8回

          作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第7回

          ■「山本七平賞」受賞作に見つかった115件の疑惑2010年、作家・門田隆将氏の著書『この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社)が評価され、「山本七平賞」(PHP研究所)を受賞しました。この賞の歴代受賞者を見ると、中西輝政(京都大学名誉教授)、半藤一利(作家)、李登輝(台湾総統)、福田和也(慶應義塾大学教授)、高橋洋一(菅義偉政権の内閣官房参与)、デービッド・アトキンソン(菅義偉政権の「成長戦略会議」委員)など、そうそうたる有識者の名前が並びます。 『この

          作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第7回

          作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第6回

          連載第5回に引き続き、門田隆将著『康子十九歳 戦渦の日記』の疑惑についてご紹介しますね。 ■門田隆将氏の疑惑(116)〜(120)◆門田隆将氏の疑惑 その116 【朝野富三『昭和史ドキュメント ゴー・ストップ事件』】184〜186ページ  空襲警報が広島市内に響きわたった。最初は午後九時二十七分。 (略)  午後十一時五十五分に警報解除になったものの、わずか三十分後の六日午前零時二十五分に再び、けたたましく警報発令のサイレンが市内に鳴り響いた。 (略)  午前二時十分に警

          作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第6回

          作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第5回

          ■大宅壮一ノンフィクション賞ノミネート作にまつわる疑惑作家・門田隆将氏は、出版界で最も権威がある賞のひとつ、大宅(おおや)壮一ノンフィクション賞に過去4回ノミネートされています(いずれも落選)。 ▼2009年度(第40回大宅賞) 門田隆将『なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日』(新潮社) ▼2010年度(第41回大宅賞) 門田隆将『康子十九歳 戦渦の日記』(文藝春秋) ▼2013年度(第44回大宅賞) 門田隆将『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』

          作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第5回

          作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第4回

          ■JAL墜落事故・遺族手記との類似点を発見門田隆将著『風にそよぐ墓標』に載っている参考文献リストのうち、「FOCUS」以外にも引き写し疑惑があるのではないか――。そんな素朴な疑問をもちながら、『茜雲(あかねぐも)総集編』(8・12連絡会、本の泉社)という本を開いてみました。これは、JAL御巣鷹山(おすたかやま)墜落事故の遺族が書いた手記を1冊にまとめた本です。 『風にそよぐ墓標』第1章では、事故で亡くなった舘征夫(たて・ゆきお)さんと遺族の物語が綴(つづ)られています。『茜

          作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第4回

          作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第3回

          ※連載第2回から引き続き、門田隆将著『風にそよぐ墓標』と「FOCUS」遺族手記の比較をご紹介します。 ■門田隆将著『風にそよぐ墓標』の疑惑(55)〜(61)◆門田隆将氏の疑惑 その55 【「FOCUS」(90年11月2日号)手記】31ページ  タクシーのドアを自分で開け、家の中へかけ込んだ。 【門田隆将『風にそよぐ墓標』】227ページ  タクシーのドアを開け、家の中へ駆け込んだ領一を、今度は庭から煌々とした灯りが照らし出した。 ◆門田隆将氏の疑惑 その56 【「FO

          作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第3回

          作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第2回

          ■新潮社の週刊誌「FOCUS」との大量の類似点を発見門田隆将著『風にそよぐ墓標』の巻末参考文献リストの中に、〈「FOCUS」(一九九〇年十月二十六日号〜一九九〇年十一月三十日号)〉との記載がありました。ところが『風にそよぐ墓標』の本文中には、不思議なことに「FOCUS」の文字がどこにも見当たりません。 なお「FOCUS」とは、かつて新潮社から発刊されていた写真週刊誌です。2001年に廃刊されたので、20〜30代の皆さんは「FOCUS」と言われても、存在すら知らないかもしれま

          作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第2回

          作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第1回

          ■映画「Fukushima50」の原作者が著作権侵害訴訟で出版差し止め!? 作家・門田隆将氏(かどた・りゅうしょう/本名=門脇護〈かどわきまもる〉)といえば、10万部超えのベストセラーを連発する人気作家として有名です。新型コロナウイルスのパンデミックについて緊急出版したノンフィクション『疫病2020』(2020年6月刊行、産経新聞出版)は、最近ベストセラーになりました。門田氏の顔を、大きな新聞広告で目にした人も多いのではないでしょうか。 2012年には、福島第一原子力発電所

          作家・門田隆将(門脇護)のモラルハザードを問う 第1回