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一気読みしたミステリー!『あの日の交換日記』読書会

こんにちは。ブックラブ事務局です。

300名目前となったブックラブ。9月の読書会は王様のブランチでも話題になった『あの日の交換日記』(著:辻堂ゆめ/中央公論新社)を使って開催しました。

50人以上の申し込みがあった本イベント、参加者から届いた感想を、著者の辻堂ゆめさんにお届けしたところ「皆様のお言葉が温かすぎて、読んでほっこりしました。優しい世界ですね…!!」といったお言葉をいただきましました。

どのような読書会だったのか、様子をレポートします。

BL_スライドTOP

イベントは「著者トークセッション」「読書会」「質問コーナー」の三部構成。著者トークセッションでは、事務局スタッフが進行役となり『あの日の交換日記』について様々なお話を伺っていきます。

辻堂さんTOP

<第1部:トークセッション>

タイトルにも含まれている通り「交換日記」が題材となっている本作。なぜ交換日記を題材に?という疑問に、辻堂さんにお答えいただきました。

ミステリーでよく使われる往復書簡に対し、交換日記を主題にした作品は少ないのでは?と気が付いたという辻堂さん。また、交換日記はルールやテーマを設定することができる点、長文が成立しやすい点、何往復もすることが前提になっている点など、手紙にはない特徴があるからこそ“深い感情交流”を表現できると題材に選んだそう。
作中に病院の描写が複数出てくることについては「交換日記は自分と向き合いなので、一人の時間が長いときに書くのかな」と思った結果なのだとか。

本作品の特徴でもある、温かな読後感について話が及ぶと、執筆活動に関するポリシーの話をしてくれました。

ハッピーエンドであれ、そうでない終わり方であれ、読んだ人に何か温かいものが残る作品を心掛けているという辻堂さん。「ミステリーの仕掛けも、人間ドラマも100%楽しんで欲しいので、両方頑張りました」というお話には参加者も大いに納得とばかりに頷いていました。


それもそのはず。7話のオムニバスで構成される本作ですが、7話目でようやく楽しくなるのではなく、どの話を読んでも楽しんでもらえるように気を付けたと辻堂さん。その甲斐あって、読者から届く好きなエピソードの感想も、見事にバラけたのだそう。「7話全て違うテーマを違う気持ちで書いたので、どの話も誰かに届いた作品になった」と嬉しそうに話してくれました。

他にも、人物の人柄を知ってもらうために5話構成から2話を加えた裏話や、複雑な時間軸と人間関係を整理するために相関図を作って執筆を進めたこと、リアルな営業日報のネタ元や、「文章を書く」という行為にまつわる辻堂さん学生時代のほっこりエピソードまで、『あの日の交換日記』を絡めながらたくさんのお話をきかせてくれました。
著者の作品執筆の経緯や裏話を知ることができるのもオンラインイベントの魅力です。


<第二部:読書会パート>

第二部は『あの日の交換日記』について語り合う読書会パート。参加者がランダムに4人ひと組に振り分けられ、テーマに沿って語り合うパートです。

今回は「本で印象に残ったところ」「一番好きな交換日記のエピソード」をトークテーマとして語り合っていただきました。

BL_トークテーマ

同じ本を読んでも印象に残ったところ、目のつけどころ、解釈、人それぞれ異なると知れるのが読書会の面白さ。

今回も「見事にグループ全員好きなエピソードが違った」「日記の執筆者によってフォントが異なるという指摘に「あっ!」と思い見直しました」といった自分とは異なる着眼点を各々楽しんでいた様子。ミステリー作品ということもあり、思いっきりネタバレできる点も貴重な機会となっていたようです。

読書会後には「他の方の話をきいた上で、もう一度読み返したくなる」といった声が届くなど、同じ本をより深く味わえるのは読書会ならでは。まさにプライスレスな機会となったのではないでしょうか。


読書会では途中、辻堂さんが参加者のグループにお邪魔し、直接感想をきく場面もありました。辻堂さんに作品の感想を直接伝えたり、交換日記の想い出話をしたりと交流を楽しんでいた様子です。


<第三部:質問コーナー>

最後は辻堂さんに執筆のことから、プライベートなことまで何でもきける質問コーナー。
複雑なトリックをどう作るか気になる方が多かったようで「ミステリーの仕掛けを考えるタイミング」や「作品制作の手順」「インプットの方法とアイディアのつなげ方」など、小説制作の過程や、辻堂さんの思考法に関する質問が数多く寄せられました。

ひとつひとつ丁寧に答えてくださった辻堂さん。たくさんの「ここでしかきけない話」を披露してくださり、最後は参加者と記念撮影をしてイベントは無事終了。
イベント後のアンケートも半数以上の方が長文で感想を送ってくださるなど、事務局としても大変嬉しいイベントになりました。

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ブックラブでは10月も読書会を開催予定。ブックラブ会員のみなさまには「切なくも心温まる」課題本をお届けします。まだ会員でない人も10月10日(土)までにブックラブにお申込みいただくと本が届きますので、ぜひ下記URLをチェックしてみてくださいね。

▼読んでつながる読書会~ブックラブ公式ページ~▼
https://sp.walkerplus.com/booklove/

※月末の読書会は被会員でなくてもご参加いただけます。
※読書会の参加費は別途ご負担ください。


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