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【仕事の話】地方・零細企業はブラック寄りのグレー?~10年一緒に働いた先輩と話したのはたった数回~

私には7つ年上の先輩がいたました。
既婚者でお子さんもいました。
前職は整備士で、スポーツマン。
休日は地元のクラブチームのコーチをしていて、短髪茶髪で健康的に日焼けしたイケメン。
同業者はスーツ男子が多い中、先輩はポロシャツで、例えるなら佐川急便のお兄さんが近いです。
今回はそんな先輩の話。


先輩にはファンがいた

前述したような風貌の先輩です。
お客様の中には好意を寄せている人も少なからずいました。
先輩の代理で、先輩の営業先に言った際、
「え?〇〇さんお休みですか?」とあからさまに残念がる女性の多いこと。
そんなお客様のことを、社内では「〇〇さんのファン」と呼んでいました。

私の性格と営業スタイル

私は陽キャではありません。
ですが人とコミュニケーションをとるなら、自分から話しかけるタイプです。
自分を知ってもらうなら、まずこちらから相手の懐に飛び込むことが大切。を仕事でもプライベートでも心がけています。(これって陽キャなのか?)
商品の売り込みは苦手でも、「今日の夕飯何を作りますか?」とか、「最近おすすめのスタバメニューありますか?」など、仕事と関係ない会話を通じて、相手との距離感を縮めていくスタイルをとっていました。

先輩の営業スタイルと社内の様子

先輩も見た目だけで仕事をしていたわけではないと思います。
定期的に注文はとってくるし、無愛想ならファンもできないでしょう。
同伴営業はしたことがないので、先輩の営業スタイルは分かりかねますが、社内での電話対応から人並みには営業職に従事していたと思われました。
そんな先輩は、社内では全く話さない人でした。
本当に、一言も。
休日に子どもたちのコーチをしているくらいです。コミュニケーションが苦手、とは思えません。
営業歴は短いといえども、私より営業経験を積んでいます。
それなのに、本当に全く話さないんです。

先輩と2人きりでする会話?

私が入社して間もない頃、昼食はいったん会社に戻って、休憩室でとっていました。
先輩も一緒です。
お弁当を広げ、お昼のテレビ番組を見ながら。
会話はありません
最初は「沈黙も会話の一種。無言が成立するのもいい環境かも」と言い聞かせていましたが、流石に耐えられなくなってきます。
私が話題を振っても、「へー」「そう」「ふーん」「ま、しょうがないね」と言った単語というか、相槌が返ってきて終了。
そしてお昼休憩が終わる15分前には先輩は喫煙する為に外に出る。
そんな日々でした。

もしかしたら先輩は私をよく思っていなかったのかもしれない

相槌のみの昼休憩が3ヶ月ほど過ぎた頃です。
先輩はお昼を社外で取るようになりました。
営業途中に会社へ一旦戻ることはあっても、基本的に帰社するのは夕方。
土曜日出勤の日も、お昼は社外で取るようになった先輩。
もしかしたら、相槌といえども会話するような環境が耐えられなかったのかもしれません。
それまでの私は、なんとか先輩とコミュニケーションが取れないかと、頑張ってきた部分がありました。
(何より若かったし、なるべく気持ちよく働きたかった。その為には会話が続かなくても、こっちから歩み寄ればなんとかなると思っていたんだと思います)
そのうち私も、先輩と休憩が重なった時の空気が耐えられず、外でお昼を取るようになってしまいました。

年に1回の出張・・・車内はもちろん沈黙

年末に取引メーカーの商品勉強会と懇親会がありました。
社内飲み会は一度もなかったので、県内の同業者が一堂に会すこの集まりを、私は密かな楽しみにしていました。日頃は敵対する同業者でも、こういう集まりは貴重な情報交換の場です。
私が従事していたこの業界は圧倒的に男性が多かった為、勉強会で集まる数少ない女性と会えるのも、楽しみにしていた理由の一つでした。
ウキウキしつつ乗り込りこむ会場に向かう車は、先輩の運転。
会場までの1時間。
車中、無言。
どんなシチュエーションでもモチベーションを維持し続ける忍耐力は、この時会得した気がします。
そんな先輩も懇親会では楽しそうに会話してるんですよ。
なぜ同じ会社の人間とは会話ゼロなのか。

そんな日々が10年

他の会社でも、対人関係ってこんなもんなんでしょうか?
仕事の付き合い、なんてこんなもんなんでしょうか?
少なくとも私は先輩を頼りたかった。
社会人としての経験値がない私は、お客様対応、商品のこと、社長夫妻の攻略法。世間話でもなんでもいい。
社長が理不尽なことで当たってきた時、先輩に助けて欲しかったです。
私たちはこの会社のたったふたりの「従業員」だから、もっと歩み寄れないかと思わずにはいられかったです。

馴れ合いたいわけじゃなく、コミュニケーションを取りたいだけ。これはわがままでしょうか?

先輩がこの会社に入社したのは、ヘッドハンティングだったそうです。
入社には幾つか条件があって、私よりも高待遇で働いていました。
先輩的にはその条件があったから「入社した」ということで、色々と割り切っていて、さらに言えば社員同士のコミュニケーションをとる必要性がなかったのかもしれません。
あっさりしていていいじゃない。
と言われそうですね。
でも、たった4人の会社です。
勤務時間や、残業代、その他福利厚生の面でブラックだったとしても
疲れて帰社した時、労える仲間がいたら、それだけで活力になりませんか?
嫌なことがあっても、なんとかなる、とか、しょうがないな、って乗り切ることができるんじゃなでしょうか。
これは社会を知らない若造の勝手な理想、でしょうか?
もし先輩とのコミュニケーションが取れていて、先輩は「社内の味方」と思えていたら、私の転職は、違った話になっていたかもしれません。

・・・いや、やっぱりブラック部分が多くて転職してるかな?



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