【無料公開しました】人生初の虫歯治療をタイで怯えながら受けた話【タイ移住日記2024/02/08-09】
とうとうこの日が来てしまった。朝からミーティング、仕事をいくつかこなしつつ、16時半から入っているこの予定のせいで今日一日頭の片隅には常に恐怖がつきまとい、びくびくしながら過ごして、先ほど事を終えて帰ってきた。生還したことをまずお伝えして、今日までの道のりをみなさんに共有する。
事の発端
歯が痛み始めたのは年明けた後すぐ。友人が年末年始でチェンマイに遊びに来てくれてトラと写真を撮りに行ったりして楽しく過ごした。
そして友人が帰国し、元旅行会社としていろんなコンテンツを共に楽しんでもらえたみたいで良かった、とほっとして爆睡した翌日。
爆睡したものの疲れがまだ取れない中、仕事の記事執筆を進めねばと思い、午前中からカフェに行くと、なぜか前歯が痛む。痛みというよりは、常に歯が浮いているような感じ。
歯をよく見ると明らかに歯が変色している。きれいな真っ白。ホワイトニングをしたわけではなく、コロナ禍全く歯医者に行っていなかったツケが完全に回ってきていた。そして日々電子書籍を読みながら何も気にせずに歯磨きをしたツケでもあろう。
コロナ前に(就職前に)歯医者に行ったときには「君はどれだけうまく歯磨きしてもきれいにならない歯並びをしてるからね」と突き放しつつ、またすぐに来いと言われてから3年以上が過ぎ去った"跡"がそこにあった。
医者嫌いの私が何とか行かずに済ませようとした結果・・
痛み出した日もあまり仕事が手に着かず、歯も気になるのでずっとネットで、
「前歯 痛み」
「前歯 浮いた感じ」
「下前歯 歯石」
「歯石 自分で取れる」
「歯石 放置」
「歯肉炎 歯の痛み」
と調べられる単語を思いついては検索して一日がすぐに終わった。
そして翌日も、翌々日も、朝起きた段階から気持ち悪さ、違和感を感じて、夜も寝ようとしても気になって眠れない。
しかもなぜかわからないが、めちゃめちゃのどが渇き、常にコップに水を満タンにして、すぐ手が届くところにおいていたせいで、一日に2リットルペットボトル3本消費していた。
そのせいで水中毒なのか、すごく気持ち悪い。でも口がすぐに乾く。そしてなぜかわからないが、奥歯も痛み出し、そして口臭も気になってきた。
調べると「歯石は口臭の元になります」と書いてあり、そうかそうか、そういうことかと思いつつ、でも今までこんな匂いはしなかったぞ、と思い焦り始める。
悩んだ挙句、妻と共に歯医者へ行く
痛くなり始めてから1週間。よくそこまで我慢したものだ。でもまだ、違和感は収まらない。
痛さと我慢の限界の最高潮に達した時、日本語でチェンマイの歯医者を調べてみると家からすぐのところに日本語と英語で見てくれる先生がいるというではないか!
タイはホームページを持っている事業体があまりなく(大企業でもないかぎり)、ほとんどの場合、GoogleMapにFacebookのリンクが張ってある。
リンク先を見ると、あまり日本語で診れますと推しているわけではなかったが、とりあえず日本語でいけるってネットに書いてあるし、FacebookにあったLINEで聞いてみようと思い、フォローする。
タイ語と英語を交えながら予約したいとメッセージを送ると、すぐに「こんにちは」と日本語でメッセージが返ってきた。
名前が明らかに日本人だからだろう、でもそれだけでも安心感をすぐに覚えた。その後空いている日にちを聞くと、全然空いておらず、なんと2週間先。でもネットではめっちゃいいって書いてあったし、、、それだけ予約が取りづらいということは名医だということだし、、、と思い、悩みつつも予約をする。
私は先ほども言ったように、子供のころから医者嫌いになるような教育を受けてきた結果、大人になっても医者にかかるのは不安なので、妻に
「不安だよぉ」と嘆いていると、
「じゃあ私もタイの社会保険の900バーツ使いたいからクリーニング行くわ!」と言ってくれ、夫婦で歯医者を予約した。
プラシーボ野郎
施術が2週間先となり、不安もあったが、予約をした次の日からだんだんと違和感が収まり始めた。完全にではないが、日に日に気にならなくなっていった。
そして日々の仕事や家事をこなしつつ、2週間が過ぎた。
そして当日、歯医者に行くと、そこは清潔感が飛びぬけてて、どこのいいホテルなんだと思うほど、きれい。
そしてお姉さんの感じもよく、英語で接客してくれるのでまずは一安心。
感じのいいお姉さんに連れて行かれるがままに、高級ホテルの中へ。
テーブルへ案内されてパスポートと、妻は社会保険証を持っているのでそれを渡して書類にサインする。初診だからだろう。
歯医者で写真撮影会
まずは写真ブース。
別のカメラを持ったお姉さんが現れ、口を大きく開けるようの器具を咥えさせられる。
そこでおかしい、と思いながらお姉さんに言われるがまま、あっち向いて、こっち向いて、と何テイクか撮りOKが出る。
レントゲンではないの?と思いつつ、妻の写真が終わるのを待ち、その後にまた、最初の感じのいいお姉さんに案内されて大きなソファのあるリビングスペースのようなところに案内される。
歯医者で最高級のおもてなしを受ける
目の前はおしゃれすぎる、外から中が見えるスケルトン手術室。私たちはここで施術されるのだと思いワクワクしながら待っていると、第三のお姉さんが現れて、カクテルのコップに入ったライチジュースをテーブルに置いてくれる。
自然とグラスのことを「コップ」と言ってしまう自分が恥ずかしい。
その後、入口の近くの待合室に案内されて、ほどなくしてお部屋へどうぞ~と呼ばれる。さっきまでいたあのスケルトンのお部屋じゃないの?と思ってて呼ばれた先はいかにも、日本の内科と同じようなお医者さんが待っている施術室というところ。ああ残念。
いざ、診察&クリーニング開始
部屋に入ると、こんにちは~今日はよろしくお願いします、と日本語であいさつされた。そこからすべてペラペラの日本語で荷物そこにおいてくださいね~と言われる。安心感。
事前にLINEで状況を伝えておいたので、お医者さんからは今日はクリーニングしましょう、と言われすぐ施術が始まる。
席に座ると、椅子があおむけになるように背もたれが倒れ、口をゆすいでから背もたれにもたれると、口の部分だけが空いた布をかぶせられ、歯の中の診察開始。
そして一通り見てもらうと、あのしゅーーーーという音が始まる。
これが歯医者さんの苦手ポイント。音。
何が起こっているかが見えないので、音だけで何が行われているかを察知しつつ、口を開け続ける。体感いつもよりも長い。口を開き続けるのに疲れてきてドクターに口大きく開けるのを頑張ってと言われる。
多分ドクターには私が医者慣れしていないことが丸わかりなのだろう。恥ずかしすぎるが、それもこれまでの経験だからしょうがない。
水圧なのか風圧なのかわからないが、それで少し痛みを感じながらも終了。20分ぐらい掃除してくれていた気がする。
クリーニング終了後、虫歯宣告
「奥歯に虫歯がありますので早めに治療してくださいね。」
と言われる。
あれ、え、そこ?
そこは全然痛くも痒くも、違和感もない。まさかの宣告。人生初の虫歯宣告である。
これまで受けてきた健康診断でも言われたことはなく、歯周病だけ気を付けてね~としか言われたことがなかったので静かにショックを受ける。
日本に春に帰るけどそれでは遅いですか?と聞くも、うーんと言われ明確な答えは返ってこなかった。
それはそうだろう、虫歯は発見した時が一番症状が進んでいないし、どれほど進むかは医者にもわからないので私の質問は愚問でしかない。
礼を言って待合室に戻り、ほどなくして妻が呼ばれる。その間まじか、、、と頭を悩ませる。
だが、落ち込んでいる間もあまりなく、10分もせずに終了して帰ってくる。歯のきれいさが時間でわかる。虫歯もなにもなかったらしい。
クリーニング代が。。。そして虫歯治療。。。
受付でもドクターから虫歯の治療早めにね、と伝言を預かってますと言われる。ということは早めにした方がいいらしい。
いったん考えますと言い、その日は帰宅。
皆さんが知りたいのは値段でしょう。
無保険の私は900バーツ。自由診療でこの値段。
妻は社会保険の年間900バーツ枠を利用するので、窓口で書類を作成してサインをしてそれで終わり。
これでクリーニングできるのなら日本に帰ったときに必ず行かずとも気になったときにいけばいいのでは?と思いつつ、人生初の虫歯にショックを受け、妻と共にとぼとぼと家へ帰る。
家に帰ってまたネットで調べれば調べるほど、早めに虫歯治療をした方がいいと思い始め、結局その日のうちにLINEで連絡して予約を取る。決断は早いに限る。今日の先生が良かったのでその先生を指名で予約させてもらうと次は2週間後となった。
そして虫歯治療本番の今日
最初に戻る。
今日はミーティングをしてても仕事の作業をしてても常にドリルで削られているような妄想を抱く。
しかも作業をしているその場で、いかにもクリニックで流れてそうな音源が流れているから余計頭の中で虫歯治療のイメージがむくむくと出てきてしまう。集中できない。
仕事を終えて一旦荷物を置きに家に帰り、すぐ歯医者へ向かう。着くと前の時に入った入り口が締まっており、裏口から入る。裏口の方がきれいなエントランス。1度目の時は歯医者に併設されている「Al Dente(アルデンテ)」という名のダジャレカフェを通り、クリニックに入った。Dentist(歯医者だからDenteはうますぎだろ!と興奮したもののそのカフェの名前に気が付いたのは虫歯だと知った帰り道。そんなことすぐに忘れた。
虫歯治療開始
今回は写真も撮られず、おしゃれなカクテルも出てこず、前の人が終わるまで待合室で待つ。
ぎゅいいいいん
と大きなドリル音が鳴っており、恐怖。
まさかのそれが歯医者の工事の音。やかましいわい。
こっちは虫歯治療初めてなんだからそんなことするなよ!と心の奥で叫ぶ。
そして(普通のほうの)施術室に呼ばれ、そのまま虫歯治療開始。
案の上ドリル使ってるやん、音的に、、、と思ったが、
全く痛くない。
でもこれまで私を支えてくれた歯とおさらばするのか、と思うと悲しくなってくる。これもコロナで歯医者に行きづらかったせいだとコロナのせいにする。この時代を経験した人は病原菌のせいにすればなんでもいいと思っている節がある。
20分ほどで終了。一度も痛みは感じず。かみ合わせの確認をすると少し虫歯側になっていた側が高く感じたので、その旨を伝えるとまたドリルで削られる。また悲しい。もういちど確認してまだ違和感を感じたもののこんなものかと思い、終わりにしてもらう。
辛いモノとか食べれますか?と聞くと、
「なんでもOKです!」と笑顔で答えてくれた。
自由診療の虫歯治療の代金は・・・・
日本のサイトで見ると日本でも1万ぐらいしたり、詰め物などによるが高額だという話を聞いていた。初期症状で安くて1500円とか。
今回は800バーツ、なんと約3200円。(一本だったので)
自由診療でこれで受けられる国、素晴らしい。まあ日本より物価は安いのだが、医療費は高いという国は多い。
安心。いくらでも虫歯になっていいわけではないが、高額請求されずに済んでよかった。でもおそらく初期症状だったのでこの値段と一日で終えることができたのだろう。金属での詰め物とかだったらもっと高額になると思う。
しかも事前に日本で海外療養費請求をしたいから領収書と証明書を作ってほしいと伝えておいたら、前回の分と併せて発行してくれた。しかも無料で。
まとめ:タイでの虫歯治療は・・・
素晴らしい。もし何かあったらすぐにいった方がいい。私が歯科医に行く前に調べまくった結果、歯に異変を感じたらすぐに予約したほうがいい。
日本での治療内容と単純に比較できないが、海外にしては良心的と言えるでしょう。
終わった後すぐ書いているので術後経過については言えませんが、違和感はカオマンガイを食べた後すぐなくなりました。なぜなのかはわかりませんが、痛くもないので一旦これで虫歯治療は終わりとします。
また続編があれば、エッセイで書きますね・・・
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?