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Ethical&Sustainableな読書キロク Vol.3

こんばんは。
今日はEthical&Sustainableな読書キロクです。

今回ご紹介するのはこちら。

この本は岩波ジュニア新書のシリーズから出ていて、岩波ジュニア新書とは小中学生から大人まで、幅広い世代が読める入門書なんだそう。
なので平易な言葉で書いてくれているから理解しやすくて、それでいて食に対する危機感を覚えさせてくれる良書でした。


いま巷にあふれている大半の食品は、わたしたちの口に入るまで生産・加工・流通では安い労働力を使い、冷蔵や冷房、輸送では膨大なエネルギーと資源を使い、経済成長だけを優先して地球の裏側から運ばれてきています。

でもみなさんご存知の通り、昔はそうじゃなかった。
家族が食べるものも使うものも自分たちで作って育てて、それぞれが目に見える範囲で暮らしていた。

だけど産業革命以降の世界はデブを作る食に変えられた。
栄養ゼロで真っ白で炭水化物の塊である小麦粉、進んで摂取させられる油…。
しかもそれらは、収穫量は増える種だけど、一代で終わるから毎年種を買わなきゃいけないし、害虫や病気に弱いから、農薬も買わなきゃいけない。
それに灌漑も前提。
だから、干ばつにとても弱い。
加えて、その土地固有の生物多様性も奪った。

これが、金持ちだけが儲かって、貧富の差をどんどん広げる資本主義経済システム。
そして、害を被るのはいつも弱者。

資源も人も他国から勝手に奪って、自国を発展させた『北』であるヨーロッパとアメリカ。
彼らが『発展途上国』(=南)を作った。
『北』が経済成長するために『南』をこき使い、戦後には援助と称して地元の農家を廃業に追い込み、その結果、現在のような作っているのに食べられず(生産者)、貧困と飢餓に苦しむ状況を生み出した。
なんで、『北』の傲慢に『南』が従わなきゃいけないんだろう。
足るを知らない『北』。
『北』が持ち込まなければ、ちょうどよく幸せに生きられていたかもしれないのにな。

92ページから94ページに書かれている、実際に起こったエピソードをぜひ読んでもらいたいです。
そうすれば、このデブを作り、金持ちが儲ける資本主義経済システムがどれだけおかしいものか伝わるはず。
わたしはこの本を読んで、海外産の小麦も大豆も、もちろんそのほかの食材も、まじで体に入れたくないなと思った。


ぎゅうぎゅうに押し込まれ、光や風に当たることもなく、短い生命を一方的に終わらせられる動物たち。
大量に生産して稼ぐため、同じものだけを作り、農薬を撒き散らし作られる野菜。
大量のエネルギーを消費し、奪って生産されるのに、世界で1/3が廃棄される。

いまの世界には78億人もの人類がいる。
本当は120億人が十分に食べられるくらいの食物があるのに、飢餓人口は7,8億人、食料不安を感じている人は20億人ほど
一方で、10億人以上が食べ過ぎによって病に侵されている
これのどこが幸せ?

ぜひ読んでもらいたい一冊です。


ちなみに。
わたしの父は暴飲暴食でデブになり、20年ほど前に心筋梗塞で死にかけ、いまはペースメーカーを入れて身体障害者手帳も所持しています。
食生活も倒れて以降、かなり制限をかけられていて、それでもしょっぱいものやお酒が辞められない状況なんだそう(妹談)。
そんな状態を近くで見てきたので、わたしはぜったいに太りたくないし、周りの人にもそうなってほしくない。
父のようになりたくなければ、食生活にはくれぐれも気をつけてくださいね。

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