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距離感のバグ

あぁ、何より恐れてるのって
他人なんかより遠くなる距離なんだなって感じた。
距離感のバグ。
そういうのに誰より敏感に気付いてしまうから……

なかなか扉を開けようとしない人に限って
心を開いた途端、急に近づこうとしてしまう。
相手の意思はどこ?気持ちは重なってるの?
敬語とタメ口が入り混ざったような会話をする。
立場も月日も関係なく、自分の近くにいてほしいと
そんな願いがどこかにあるように思う。

遠い人ほど当たり障りのない会話ができて
そこそこの距離感でいられて、フラットで。
ある意味、初対面なんかには気を使わなくて済む。
なのに近い人ほど感情的に話してしまって、
何でも分かってくれるような気がして
思ったまま、感じたまま、ぶつけてしまう。
ねえ、どっちを大切にしているの?

たまに分からなくなる。
人それぞれの適度な距離感が違いすぎて難しい。
自分だって人と同じように扱って欲しくはなかった。
だってあなたとは違う。同じでしょ?
土足で人の心なんかに踏み込めない。

笑ってほしいのに、投げるものは困らせるものばかり。
笑顔どころか牙を恐れて何も出せなくなる。
歓迎しているのに、振り向けない理由だってある。
自由な発言、言わなくていい発言、
迷った挙句に止まってしまう。消してしまう想い。

面白いねって意味で伝えても、嘲笑か?と疑われたり
好きだよって意味で伝えても、嫌味なの?って勘違いしたり
傷ついたって意味で伝えても、もっと傷つけてるのはこっちだったり……
誤解もすれ違いも耐えないのは、人には感情があるから。
それもお互い様だった。

分かりやすく素直に伝えるってなんだろう。
サラッと使ってしまう言葉の意味も引っかかる。
大衆向けなんかじゃなくて、あなたに向けての言葉。
自分にしかない言葉。自分らしい表現。
それを認めてくれる人が誰よりも強い味方。

奥が深くて、でも難解で、時に空回り、遠ざける。
めんどくさいにも関わらず、それでも面白い。
考えても考えてもキリはなくて、無限な領域。

それでも最後に残したいのは、
ありがとうって意味なんだろうね、なんて
そんなことを思っている。

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