【福祉講師】見えにくくて聞こえにくい私だからこそ伝えていきたい
大勢が集まる場は見えにくくて聞こえにくかった。
小学校・中学校・高校・大学・会社。弱視難聴でありながら、目の見える・耳の聞こえる人ばかりの環境で生きてきた。どこでも、環境整備をして、周囲に理解してもらいながら、それなりに努力して、精一杯生きてきた。結果もついてきて頑張ったと思う。
でも、どこにおいても、見えにくくて聞こえないことを痛感し、「どうしよう、今ちょっとツライな」と思う場面は多かった。
ときには、まるで全く言葉のわからない外国に、一人放り込まれたみたいに、訳が分からない時間を過ごした場所だってあった。
正直、辛いなと思う場面も沢山あったけど、弱視難聴としてずっと生きてきたから、だんだんと見えにくくて聞こえにくい世界そのものが、私にとって当たり前の世界、当たり前の環境になっていった。
だから、たとえ聞こえにくくて、数時間訳が分からない状況に置かれたとしても、どうにかこうにか心を持ちなおしてやってこれた。
多分私がもう少し若いころなら、きっともっとツラかったかもしれない状況だって、今のわたしにとってはもう慣れっこの世界。
人は、どんな環境でも少しずつ適応していくものなのだ。
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見えにくくて聞こえにくい環境はしんどいと言いながらも、人が集まるところには積極的に出ていく。たとえ、状況をつかめずに、空気になったとしても。きっと、私は人が好きなのだ。
大勢の中から、一人のあなたに出逢うためかもしれない。勇気を出して、大勢の中に飛び込むと、とっても素敵な誰かに出逢って、一生のご縁へと繋がっていく。
理解し合える、理解してくれる人が、この世界には沢山いることを知っているから、私は見えにくくても聞こえにくくてもどこへでも行きたいのだ。
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noteに色んな事を書き綴るようになってから、目のことや耳のことをまるごとしっかりと受け止められるようになっていった。冷静に分析できるようになった。
1児の母。胸を張って子どもを育てるためにも、私にとって必要な過程だったのだと思う。
まるごと受け入れられるようになってから、世界が変わっていった。やりたいこと・やらなくちゃいけないことがパーッと視界が開けたみたいに、くっきりとキラキラと見えてきたのだ。
福祉関係の会社で働くようになり、ますます福祉に興味がわき、昨年別の福祉の会社に転職をして働き始めた。
それから、会社の人にも応援していただきながら、新たな挑戦を始める事にした。
障害当事者講師になって、小学校や中学校・高校などで福祉教育に携わることに決めたのだ。
この冬、養成研修を受講し、無事終了証をいただき、私の住んでいる市の福祉講師として講師登録することが出来た。
養成研修では、福祉教育について学び、先輩講師の講義を聞き、模擬講義を行った。社会や自分自身と向き合いながら学ぶことは、本当に刺激的な時間で私の背中を強く押してくれた。
始まる前まで不安だった「講義についていけるかどうか」という問題。
資料は事前にデータでいただき、タブレットで大きな文字にして読んだ。
講義内容は、同じ難聴の方々に教えていただいた、YYprobe(文字起こしアプリ)を利用して、全て録音・文字おこしをすることで、100%理解することができた。
グループディスカッションも、YYprobeを利用しながら、「大き目な声でハッキリお願いします」と伝えることでしっかり参加することができた。
「障害は、便利な道具を使い、環境を整えたうえで、周囲の配慮があればなくすことができる」
私が体現したのだ。
「障害は、社会が変わればきっとなくなる」
未来を担う子どもたちに、見えにくくて聞こえにくい私だからこそ、伝えていきたい想いだ。この想いが強くなって、「よし!やるぞ!」とパワーが湧いてきた。
今は、オンライン会議だって参加できる。映し出された資料は大きく拡大して見る。字幕もあるし、文字おこしもある、ハッキリ話してくれれば私に障害はない。
見えにくくて聞こえにくい私が、この世界で沢山の素敵な人と出会って話せることがわかった。
以前のわたしなら、「見えにくいし聞こえにくいんだから、そんなことはできないわ」と思っていたことだって、やってやろうじゃないか!と思える。
弱視難聴のわたしだからこそ、大勢の中で話して伝えていきたいし、それが必要な事だと思うのだ。
そして、もう一つ、研修を受け資格取得をすることを目指している。ハードな研修だというから、めげずに修了できるだろうか。
不安はあるけど、やると決めたらやる。だから、ここで宣言したい。決心が揺らがないように。
学校現場での福祉教育だけじゃなく、私の住んでいる地域全体が誰もが暮らしやすい街にするために、私は私のできることから頑張りたいと心に決めた。
noteのおかげでここまで来れた。
「半径1mの人に知ってもらいたい」
と思って始めた障害を知ってもらう活動。
どんな風に広がっていくかドキドキもするけど、楽しくわくわくしながら活動を続けていきたい。
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