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問題ない長男を療育へ3年通わせてみて

現在5歳児の長男は、
約3年、療育に通っています。

1歳半健診で発達について指摘され、
そこから継続して市のフォローアップがあり、
満3歳で発達検査を受けました。
そしてその結果、
療育を勧められたことがきっかけです。

長男を療育へ通わせてはいるものの、
わたし自身は
彼に大きな問題を感じたことはありません。
家庭において大きな問題はないからです。

発達障害かどうかということも、
社会の枠組みの中ではそうなんだろうけど、
わたしとしては、
そこに重きを置いてはいません。

そんな風に考えている母親が、
なぜ子どもを療育へ通わせることにしたのか。

そして、3年通ってみて、
今、どんな風に感じているのか。

そんなことを書いていきたいと思います。



療育とは


まず最初に、
療育というのは
児童発達支援のことを言い、
主に障害がある未就学児に対し、
日常生活の基本的な動作の指導、
知識技能の付与、
集団生活への適応訓練、
その他必要な支援を行うことを指します。

もともとは肢体不自由児の
自立へ向けたアプローチを意味していたようですが、
現在ではその範囲が大きくなり、
発達障害も含まれるようになったようです。

ざっくりいえば、
障害や困りごとのあるお子さんが
社会でやっていけるように
トレーニングやお勉強するところ

という感じです。


療育への抵抗はなかった。でも…


療育を受けさせることに対し、
抵抗はありませんでした。
長男にとって必要であるならば
受けて然るべきと思ったし、
子育て経験もなく
発達に関しても素人のわたしからすると
専門家からの勧めを
やらない選択肢はありませんでした。

ただ、わたしの目から見て、
長男に大きな問題があるとは
思っていませんでした。

家庭で過ごしていて、

大声を出し続けてしまうとか、
道路に飛び出してしまうとか、
叩いたり噛んだりがあるとか、
物事の理解ができないとか、
言葉が出ないとか、
転びやすいとか、

そういう
明確な困りごとや心配事は
なかったからです。

1人目の子どもということと
保育園に行っていなかったこともあって、
他の子どもと比べる機会もなかったし、
年相応に成長していると思っていました。

だから、
長男が療育を受けるに値する子どもなのか?
という点において疑問がありました。

というのも、
療育というのは、
1回およそ1万円。
受給者証を交付されると、
利用者負担は1割になり、
月の使用回数が多かったとしても、
上限は5千円程度です。
さらに、
幼保無償化対象でもあるので、
3歳児~5歳児まで
利用料の自己負担はなくなります。

利用者としては大変ありがたい話ですが、
大切な税金があてがわれているのも事実です。
親が問題を感じていない長男に対し、
そんなたくさんの税金を使うべきなのか。

それに、療育は通いたくても
空きがないという噂を聞いていたので、
長男がその枠を使うべきなのか。
もっと療育を必要としている家庭があるのではないか。

そんな風に思っていました。

療育の先生からの助言

子どもを障害児と認めたくないとか、
療育に対する抵抗があるということではなく、
必要ならば受けさせたい。
けれど、
長男に本当に療育が必要なのか。

このことを療育の先生に相談すると、
こんな返事が返ってきました。

「お母さん。

まず、療育というのは、
定型発達とされる子が受けたとしても
なんの害になることもありません。

確かに長男くんは
家庭では困りごとがないかもしれない。

でも、恐らく彼の困りごとは
保育園や小学校になって
集団に入ったときに出てくると思う。

お母さんが言うような
声が大きい子、
飛び出してしまう子、
他害がある子は
「あの子は困りごとがあるな」と
誰の目にもわかりやすいです。
だから、配慮してもらいやすい。

でも、
長男くんの困りごとはわかりにくい。

知的に遅れがない分、
色々なことができてしまう分、

「ふざけてる」とか
「手を抜いてる」とか思われやすい。

それはすごく損です。

本人は
本当にできなかったり、
わからなくて困ってるのに、
そんなことを言われたら
すごく傷つきます。

そうならないために、
上手にかわしていくお勉強をした方がいいです。

だから、お母さんが可能なら、
しばらく通ってみませんか?
イヤになったり、必要ないなと思ったら
やめたらいいだけです。

最初に言った通り、
療育を受けてマイナスになることは
何ひとつありません

この先生は
この療育施設で発達検査を担当されていたので、
検査結果をよく理解された上でのお話だったと思います。

今思えば
先生のお話にとても納得しますが、
この当時は
「そういうもんなのかなあ…」と、
もやもやしたままで通っていました。

5歳児になった今、振り返ってみて


保育園に入園してから、
長男や他のお子さんを見てきて
子どもの成長の目覚ましさに驚かされます。

2歳と3歳、
3歳と4歳、
4歳と5歳と
たった1年でも、
身体の大きさや身体能力だけでなく
社会性や言語面なども、
本当に劇的に変わります。

療育を勧められた時は
まだ2歳児で
お友達との関わりであったり、
自分の気持ちの理解や表現であったり、
そういうものは
まだまだ育ち始めたばかりだったのでしょう。
大きなトラブルもなく、
同級生との差を感じることもありませんでした。

進級するにつれ、
親しいお友達や
よくケンカするお友達など
人間関係が深まってきました。
今日あった出来事、
それに対して感じたこと、おもったこと、
そんな会話が成立するようにもなりました。

そういった成長のなかで、
2歳児当時には感じていなかった
(あるいは、感じていても本人が表現できなかった)
長男の困りごとというのが、
徐々にわかるようになってきました。

行き渋るし、
不登園にもなりました。

親の目から見て、
同級生との違いを感じることも増えてきています。

それを鑑みて当時を振り返ると、
発達検査の結果は
長男の結果を的確に示していたし、
先生方の結果の解釈も、
本当にその通りだったと思います。

もちろん発達検査の結果がすべてではないし、
本人の成長と共に
結果も変化はしていくのでしょう。
それでもやっぱり、
彼の土台の性質は
大きく変わるものではないのだと思います。

療育を受けてきてよかった。


長男の成長の要因が
一体なんなのかを測ることはできません。

保育園での生活も、
療育も、
家庭での取り組みも、
あらゆることが彼の成長に影響しています。

療育は、
算数が苦手だから塾に行って
点数が上がった!というような、
シンプルな話ではありません。

一見するとただ遊んでいるだけで、
保育園と何が違うのかと思う時もあったし、
どう役立つのか、
来ている意味はあるのかと思うこともありました。

でも、あの時迷いながらでも
療育を受け始め、
そして続けてきてよかったと
そう思います。

一朝一夕に
長男のしんどさを取り払えるわけではないし、
困りごとがなくなるわけではありません。

でも、
療育を通して、

親を含めた周りの大人が
「長男くんはこういう子なんだな」
「こういう時こんな風に感じるんだな」
「こういう時はこう対応してあげるといいんだな」
と理解すること。

そして、
本人が
「こういう時はこんな風に言えばいいんだな」
「困ったときは誰かに頼ればいいんだな」
という練習を積み重ねること。

そういう小さな積み重ねが、
彼が今後生きていくための礎になっていくのだと思います。


療育につながる難しさ


最初に療育を進めてくれた先生も、
とりあえず、と言ってくれた先生も、
もうお名前もお顔もわからないけれど、
本当に感謝しています。

療育を勧めるということは、
「あなたのお子さん、問題がありますよ」
と言うことであり、
受け入れがたい保護者がいることは
想像に難くありません。

我が子に問題や障害があるなんて、
誰も簡単に受け入れたくないし、
そんなことを言ってくる人を
拒否したくなるものでしょう。

特に、長男のように
「家庭で問題を感じていない」ケースは、
保護者の受け入れが難しく、
非常に繊細な問題だと思います。

けれど、
その人生を生きていくのは子ども本人なので、
親の気持ちがどうであろうと、
本人に必要な支援はしてあげるべきだと
わたしは思います。

ただ、
対象が未就学児である以上、
親が拒否してしまえば
届くはずだった支援も届かなくなってしまうので
どのように療育へつなげていくかというのは
本当に難しい問題なのでしょう。

実際、長男の場合も
1歳半健診のあとのお試し療育では
「何かあれば連絡くださいね」としか言われず、
「何かってなに?
   結局、この子は通う方が良いの?
  どうしたらいいの?」と、
不安感と不信感が募っただけで
療育につながることはありませんでした。

市が手厚くフォローアップを続けてくれたこと、
発達検査をしてくれた先生が
端的に療育を勧めてくれたこと、
通い始めることを勧めてくれた先生がいたこと、
そのどれがなくても、
長男は療育につながっていなかったと思います。


もうすぐ小学生になる長男へ


長男は来年小学生になります。

通いなれた
保育園も
療育も
どちらも卒業して、

新しく
小学校と
放課後等デイサービスへ
行くことになります。

現在進行形で、
就学に向けて
相談している最中です。

正直、
保育園を不登園になった子が
小学校を不登校にならないとは思えないし、

無理解な大人に遭遇したり、
複雑になっていくお友達関係の中で、
彼がつぶされてしまわないか、
彼のいいところをなくしてしまわないか、
とても心配しています。

でも、
結局彼の人生は彼自身のもので、
本人の足で歩んでいくしかないわけで。

療育につながれて、
いい先生に出会えて、
社会で生きていくための修業を積んできたので、

そこで身につけたスキルと、
持ち前の強運で
これからもうまく生きていってくれたらなと
そんな風に思っています。


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