マガジンのカバー画像

雑文は何の役にも立たない

17
運営しているクリエイター

#エッセイ

パフォーマンスと儀式のこと

パフォーマンスと儀式のこと

儀式が好きだ。
と言っても、葬式や結婚式に参列することに関心があるわけでは決してなく、
儀式という概念そのものに、とても関心がある。

だからなのか、大学院時代の修士論文では二重三重にも「儀式」的であると言っても過言ではないような
宗教の音楽儀式を模した儀式について、取り扱った。

信仰のない民族の儀式をauthenticな儀式たらしめているものは、一体何なのかを考えている。
参列者のほとんどがク

もっとみる
カフカはピラティスをしていたか/dance tight/踊れない身体

カフカはピラティスをしていたか/dance tight/踊れない身体

踊れない身体を何十年も、持て余している。

悲哀と諦念と嫉妬が詰まった、血を抜くことすら許されない腐りかけの身体が残念で、すぐにでも手放したいと日々感じている。
だから、というわけではないが強烈に身体性そのもの、あるいは身体という表象の可能性に惹かれてperformance theoryを専門に選択した。(と、今となっては思う)

動、の肉体/身体。
静、の肉体/身体。

いずれも

もっとみる
いい曲

いい曲

"いい曲"とは、人の変化、変容、進化、進歩…を許容する曲だと考える。

"いい曲"は、演奏するたびに、あたかもその曲の演奏が開始された時点で"初めて演奏する身体が生成された"かのように、わたしたちに"生き直す"許可を与えてくれる。

入力と出力が同時に-しかも同出力で、とどのつまりグルーヴが発生しうる状況で-生成するその地点にそっと、曲のコアがあり、自身の身体と楽器という"器"を通じてそこ

もっとみる
物語について

物語について

物語について、わかったことがある。

物語には、犠牲が必要だということ。
犠牲を払ったところから、犠牲に価値を与える物語というものの存在がちらつく。

犠牲を払わずに暮らしていけば、どんどん物語が不要になっていくのかもしれない。
#エッセイ #音楽家のエッセイ