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音楽で宇宙と交信するサイケロックバンドAcid Mothers Templeのライブに行ったときの話

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こんにちは! 北海道函館市の隣町北斗市でベリー栽培専門の農園を営んでます、道産子カナダ人農家のJustinです。(↑写真は秋の畑の様子)

自称音楽狂の僕はライブやコンサートに行くことが生きがいのひとつなんですが、コロナ渦になってほとんど行けなくなる前は、しょっちゅうライブハウスやコンサートホールに行ってました。

特に、カナダに留学していた頃に面白いステージをたくさん見たので、それぞれの思い出話なんかをシリーズものとして書いてみるのも良いかなと思い立ち、この記事を書き始めた次第です。

初回は、トロントのライブハウスで見たAcid Mothers Temple。

日本の古参サイケロックバンドなんですが、どっちかというと海外の人に人気が高くて、カルト的なファンが多くいることで有名。ちなみに僕が彼らのライブを見に行ったのは、確か2009年の冬だったと思います。

↑ライブ動画。最初から最後までブチかましててカッコいいです。

浮世離れ感満載の風貌

まずこのバンドは、なんといってもメンバーの風貌が最高。

数年前にメンバーチェンジしてるから、僕が見に行ったときのメンバーの中で今はいない人もいるんですが(「思い出波止場」でもプレイしてるベースの津山さんと、ドラムスの志村さん)、当時見に行った時は全員年配で(たぶん50代前半くらいかな)、最初に目を引いたのは、肩から背中にかけて伸びたボッサボサの長髪。生まれてから床屋で髪の毛すいてもらったことあんのかな?ってくらい。

あとヒゲも伸ばし放題だし、服装はみんなくたびれたワークパンツかボロボロのジーパンにダルダルのネルシャツかパーカーで、津山さんに至っては、真冬にもかかわらず、足元が100均で売ってるような安っぽいゴムサンダルっていうね。

とても失礼な表現を承知で書きますが、河川敷にいるホームレスにしか見えませんでしたw 良く言えば仙人って感じ。とにかくみんな悟りを開いてる感満載で、見た目のインパクトからしてかなりヤバい(良い意味で)感じがプンプン漂ってるんですよね。

曲尺はだいたいどの曲も長くて、1曲で15分強なんてのもザラ。ソリッドでタイトなドラムスに、フレットの上から下までウネウネ動き回るベースとスペーシーなシンセサイザーが乗っかってて、それに空間系のエフェクトをかけたクリーンなプレイとディストーション全開のノイジーなプレイを縦横無尽に行き来するギターが加わっているのが基本スタイル。

ライブが始まる前、会場の入り口で物販をしているメンバーたちに度肝を抜かれる

僕がライブ会場に行ったときに一番驚いたのは、メンバー全員が、入り口で横一列に座って物販をしてたことですかねw やる気なさそうに「Hello~」とか言いながらTシャツとかポスターとか売ってるんですよ。僕も友達も「うお!いきなりいた!」みたいになってw 

お客さんに対しても凄いぶっきらぼうで、全然会話が続かない。それまでも色々なバンドやアーテイストのライブに行ってたけど、そんなの初めて見たからとにかく驚いちゃって。と同時に、ちょっと不安になったんですよね。「この人たち大丈夫かな~? やる気あんのかな~?」って。

ただ、ライブが始まった瞬間、そんな杞憂は一気に吹き飛びました。

やっぱりコアなサイケロックマニアの間で最強のライブバンドと評されているだけあって、演奏が始まると、物販にいたときの気だるい感じとは打って変わって、みんな顔つきが急にシュッと男前になって、バシッと音を決めてくるんです。

ギターを使って宇宙と交信する河端さんと、悟りを開いている(?)東さん

特にギターの河端さんのぶっ飛びっぷりが半端なくて、テンションが上がってくると、ギターの弦を掻きむしりながら頭を振り乱したりするんですけど、それがとにかく気持ちよさそうで、見ているこっちも気持ちよかったです。

あんな気持ちよさそうにギターをプレイする人は、ジミヘンをおいて他には思い当たらないかも。たぶん、河端さんはギターを使って宇宙と交信してるんでしょう。

で、最後の曲を演奏し終わった後、なぜか分からないけど河端さんがギターのヘッドを天井の照明のケーブルにぶら下げ出してw 音も鳴りっぱなしでプラーンってぶら下がってるのに、他のメンバーも特に気にすることもなく、そのまま放置してステージを去っていったんですよね。

それで、しばらくしてお客さんの大半が帰った後、河端さんがスゴスゴと脚立を持ってステージに戻ってきて、ぶらさがったままのギターを脚立に登って取って、大事そうに抱えながらギターケースにしまい始めてw それがとにかく可愛くてしょうがなかった。

あと印象深かったのが、シンセサイザーの東さん。ライブが終わった後、ツアーのポスターを買ってメンバーの皆さんにサインしてもらったんですけど、隣にいた友達が東さんに「なんで音楽やってるんですか?」って聞いたんです。(いきなりそんなこと聞くのもどうかと思うけどw) 

そしたら、しばらくの間「う~ん」って言いながら考え込んだ後、一言「分かんない」ってボソリ。僕はそれを聞いてえらく感動しました。「なんてカッケーおっさんたちなんだ」って。

その頃、鬱っぽくなっていた僕は大学に行けない日が続いていて、「自分はこれから何をしたいんだろう?」って悶々と自問自答していたんですが、東さんのこの一言で目の前の霧が晴れたような気がしたんですよね。

そうか、何をするにも別に高尚な理由なんか必要なくて、ただただ自分の好きなことをやればいいんだ」って。

オススメのアルバム

http://acidmothers.com/discog-page

そんなイカしたアシッドマザーのおススメのアルバムをご紹介したいと思い、👆公式サイトのディスコグラフィーを改めて見直してみたのですが、正直な話、あまりにもたくさんありすぎてぶっちゃけよく分からないですw

もちろん、大好きなバンドなので結構な枚数を聴いてますが、時代やプロジェクトごとにカラーも異なるので、人によって刺さる作品も違ってくるんじゃないかなと。

最近ではストリーミングサービスでも聴けるようになったので、まずは、はじめての人向けのプレイリストをチェックしていただくのが良いと思います。

それで、やっぱりこのバンドは、ヘッドホンをかけて、目をつぶりながら爆音で聞くのがおススメ。宇宙空間を漂っているかのような浮遊感を味わえるので、是非やってみてほしいです。

今日はこの辺で。最後まで呼んでくださりありがとうございました。それではまた!

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