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音楽ドキュメンタリーがすごかった今年のおすすめ7選!

もう早くも年末ですが、今年はとにかく音楽ドキュメンタリー映画がすごかったです。もうすごい良作を連発しています。
動画配信も含めて良かった作品をまとめてみたいと思いましたので、今年劇場公開または動画配信された音楽ドキュメンタリーの中からおすすめ作品をピックアップしてnoteで紹介してみたいと思います!

※ポスター画像にFilmarksのリンクを貼ってます


『ザ・ビートルズ Get Back』 (10月25、26、27日)

Disney+で配信中

1969年、開催直前のビートルズのレコーディング風景を撮影した膨大な記録映像と音声を、『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソン監督が再編集したドキュメンタリー作品。
全3話を10月25日26日27日に3夜連続配信。

これはマジで良かったです!
今年ベスト級の大傑作。ビートルズの音楽って誰でも知ってると思うんですがあの名曲やこの名曲が生まれていく様子とか目撃できちゃいます。

元々『レット・イット・ビー』というドキュメンタリーに収められていた素材なのですが、他にも60時間以上もの知られざる素材があって、今回ピーター・ジャクソンがそれを丁寧に組み立てました。

今回の作品の特徴

今回の作品と特徴としては、
◎映像がめっちゃキレイ!
◎音声がすっごいクリア!
◎とても客観的な編集!

という点が挙げられます。

どうやったの?というくらい昔の映像をはっきりと、それに音声も間近にいるかのように聞き取れます。
昔の映像や音声って粗かったり聞き取りづらいものなんですが、それが一切ないのがすごいです。
この大仕事をやったピーター・ジャクソン。なぜ彼が?と思う方もいるかもしれません。(ロードオブザリングのイメージが強いだけに)
実は彼、前作でも同じような古い映像を修復したドキュメンタリー映画を制作しています。

『彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド』

この作品もめっちゃすごいです。
昔の映像って白黒で動きも早送りのようにカクカクして音声なんてないですが、それをピーター・ジャクソンが修復すると、まずフィルムの足りないコマを埋めて動きをなめらかにします。
そして、木々や空や服などに色をつけます。
その上で今までなかった音までを後から入れます。車のエンジン音や鳥のさえずり、そしてすごいのが人の会話も読唇術で言葉を読み取ってそれで音声を後から入れてるんです!
これによって古びた昔のフィルム映像が最近撮影したかのような映像に生まれ変わるんです。マジですごい。

この作品を知ってる人からすれば、今回の仕事も納得のクオリティです。
そして今回すごいなと思ったのが、とても客観的な編集です。
ビートルズ解散の原因として、彼らが仲が悪かったとかオノ・ヨーコのせいだとかという通説があるんですが、そういう噂に惑わされずに素材のままに徹底的に客観した姿勢を保った編集をしてるんです。

確かにオノ・ヨーコはずっとジョンの隣にいて、部外者じゃねーのかよって思うんですが、他のメンバーも奥さんとか普通にレコーディングに連れてきてるんですよね。それにジョージの友達の謎の僧侶風の人、これにはさすがにアイツ誰なんだよってメンバーが言ってたり笑
そういう部分もちゃんと描かれてていい。

それにみんな仲がいい。笑い合ってセッションしたり。
だけど確実に方向性はズレていて、ジョンとポールがやっぱり中心で、ポールがあれこれ指示出したがりでジョージが不貞腐れたり、すごい生の人間関係も映し出されていて、めっちゃ面白いしドキュメンタリー映画というより超貴重な映像資料って感じです。

パート1〜3の映像

今回の作品は、パート1から3の映画作品となってます。
それぞれ2時間以上あって、合計約8時間という大作です!
元々は劇場公開予定だったらしいのですが、鑑賞できるのはディズニープラスでの動画配信のみとなっています。
めちゃくちゃおすすめなので、これを観るためにディズニープラスに加入しても価値あると思います。観たら止めてもいいし。
お正月休みにいかがでしょうか。



『サマー・オブ・ソウル(あるいは革命がテレビ放映されなかった時) (8月27日公開)

Disney+で配信中

これもすごい作品!
ウッドストックが開催されていた1969年のアメリカで、実は黒人だけのフェスが開かれていたんです。それもブルースの帝王BBキングに若きスティーヴィー・ワンダーにソウルの女王マヘリア・ジャクソン、スライ&ザ・ファミリー・ストーンなど錚々たるミュージシャンたち!
ニーナ・シモンのスピーチなんてすごかった。

ハーレムの公園で開催され30万人以上が参加したと言われるこの伝説の野外フェスは、“ハーレム・カルチャラル・フェスティバル”と呼ばれて撮影もされていたものの一般公開されることなくなんと50年間も眠り続け、今年になってようやく陽の目を浴びた作品なんです。(信じられない!)

それに1969年って、ビートルズの作品と同じ年。すごい時代。。

この作品もめっちゃおすすめです。
野外の開放的な空間でのコンサートで、ミュージシャンも観客もみんな黒人で、マルコムXやキング牧師が暗殺された直後の公民権運動の流れもある中での空気感で行われている雰囲気なんかもビンビンに伝わってきます。
この臨場感ある作品を観ないなんて人生損しちゃいます。


『アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン』 (5月28日公開)

レンタル中

こちらもすごい映画です。
1972年に開催された"ソウルの女王"アレサ・フランクリンが教会で行った伝説のコンサート「チャーチ・コンサート」を記録したドキュメンタリー作品。
アレサ・フランクリンは、グラミー賞を20回受賞し、ローリング・ストーンズ誌による「歴史上最も偉大な100人のシンガー」で1位に選ばれている歌手です。

こちらもなんと技術的トラブルに見舞われてずっと観ることができず、なんと今年になってようやくお披露目となったこれまた超貴重な映像なんです!

アレサ・フランクリンはゴスペルで育った歌手なので教会はいわば彼女のルーツ。スターとなった彼女が原点回帰な場所で開催したのがこのチャーチコンサートで、この時の収録はアルバム「Amazing Grace」に収められています。

この魂が震えるコンサートの様子は、ぜひ予告編だけでも観てください。

ミック・ジャガーが普通に客席にいるのもいいんです。

そして、これに連動する映画がもう1本今年公開されました。
アレサ・フランクリンの半生をジェニファー・ハドソンが演じた『リスペクト』です。こちらも知られざるアレサの人生が綴られていて意外な一面も垣間見れてとっても楽しいし、ジェニファー歌上手いし、よりアレサを知ることができます。
それにこのチャーチコンサートがクライマックスにあってめっちゃいいんです。



『オアシス:ネブワース1996』 (9月23日公開)

こちらはオアシスが絶頂の頃にネブワースで1996年に開かれたライブを収めた映像をまとめたドキュメンタリー映画です。

人気もすごいし、楽曲も全部いいし、ファンにはたまらないサイコーな映像です。こちらの内容についてはnote書いてますのでそれを貼っておきます。


『アメリカン・ユートピア』 (5月28日公開)

レンタル中

元トーキングヘッズのデヴィッド・バーンが2018年にアルバム「アメリカン・ユートピア」を発表し、それを原案にブロードウェイのショーが作られました。それを映画監督のスパイク・リーが映像化したのが本作です。

こちらも以前にnoteを書いておりますのでそちらを貼っておきます。

もうめちゃくちゃ良くて、コロナ禍だからこそこういうライブを体験できるかのような作品は心に響きました。


『映画:フィッシュマンズ』 (7月9日公開)

一部映画館で上映中

こちらは日本の作品。
90年代のバンド、フィッシュマンズの30周年を記念して制作されたドキュメンタリー作品。

ウルフルズやスピッツと同期で、評価をされながらもミリオンセラーを飛ばす同期バンドを横目にセールスの不調でメンバーも脱退し、売れたいのに売れない日々など、当時の映像で足掻きながらも高みを目指すバンドのリアルな姿を描き出していくのがいい。

そして、ボーカルでフロントマンの佐藤伸治の死。
これだけ紆余曲折をしながらも現役のバンドであるのがすごいし、それを集大成的に観られることが本当にすごい。
フィッシュマンズを知らなくても音楽好きなら楽しめる作品です。


『SAYONARA AMERICA』 (11月12日公開)

映画館で上映中

細野晴臣さんが、コロナ禍前の2019年にデビュー50周年を記念して初となるニューヨークとロサンゼルスで行ったツアーを再編集したドキュメンタリー作品。

細野晴臣がアメリカ人に自身のルーツとなったアメリカ音楽を聴かせるという構成のコンサートで、アメリカ人ファンたちを唸らせているのがすごい!
デザインが好きで知った若者から細野のアルバムを全部知ってる往年の夫婦までファンが幅広いし、すごく評価されててすごい。

そして当時の映像と、コロナ禍となって人と合わずライブなどできない今のインタビューも交えつつ再編集された内容で構成されています。

もうライブが最高すぎて細野ファンでなくても楽しめると思います。
とにかくこのコロナ禍でライブにも行けない中で映画でこういう良質な作品を出してくれるのが本当にありがたいです。

その時公開中のドキュメンタリー映画をまとめたnoteでも紹介しています。



Instagramでも

インスタでは、タイムリーに映画情報を発信していますので都度都度その時のいい作品を紹介しています。
こちらもぜひフォローいただけるとありがたいです。
いろんな角度で映画を紹介していきたいと思ってます。


最後に

今年は本当に良質な音楽ドキュメンタリーが連発してました。
ドキュメンタリー作品自体は、前回noteでも書きました。

コロナ禍だから余計に響くのか、映画館の大スクリーンで最高の音響で鑑賞しているからいいのか、とにかくいい作品が多いです。
やっぱり映画館がいいですが、配信やレンタルでもぜひ1本でも観てもらえると嬉しいです。

それと、毎年年末にその年のベストテンを洋画・邦画それぞれ決めていますので年明け早々にでもnoteでも発表していければと思います。


最後までありがとうございます。

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