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【小ネタ】映画会社「東宝」 名前の由来

こんにちは。
映画会社の東宝って映画ファンでなくても聞いたことあると思います。
実は日本で最大の映画会社なんですが、この「東宝」という会社名には由来があります。

何気なく受け入れていてそんなこと考えたこともなかったですが、「東(ひがし)の宝(たから)ってどういう意味なのか?
ちょっと気になる、そんな小ネタで今回note書いてみたいと思います!


東宝とは

東宝は日本の老舗映画会社で、現在国内最大手です。
演劇部門や不動産部門もありますが、映画部門をみていきます。

<東宝の映画部門>
・製作部門
・配給部門
・興行部門(TOHOシネマズ)

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『天気の子』や『シン・ゴジラ』、かつては『七人の侍』など東宝が製作・配給している作品は大ヒット作が多いです。
その年の興行成績トップ10のうち7作品が東宝なんてこともあります。

興行部門のTOHOシネマズも、70サイト660スクリーンを誇りイオンシネマに次いで国内2位のシェアです。 しかもTOHOシネマズの立地は都心部が中心でその集客力ではトップクラスとなります。

このように映画部門では国内ぶっちぎりのトップ企業です。


東宝の歴史

そんな東宝ですが、実は関西の阪急グループから出てきた会社なんです。
阪急は電鉄会社で、不動産、流通、観光そして娯楽と事業拡大していきます。

ちなみに電鉄会社がなぜそのように事業拡大していくかというのを簡単に説明していきます。

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・不動産事業、流通事業
電鉄会社が何もない土地を買い取って線路を伸ばし駅を作ると、駅前にビルができ、スーパーや百貨店ができ、住宅地ができていきます。そのように価値のなかった土地を買っては駅を作ることで不動産事業や流通事業が成立するようになるんです。

・観光事業
駅は、会社のある中心部と住宅地を結び通勤・通学に使われるようになりますが、電鉄会社は中心部から住宅地を抜け更に行楽地と結ぶようになります。そうすることで平日は通勤・通学、休日には行楽地へと鉄道を使うことになるからです。
そこで、観光事業も成立するようになります。
都市と都市を結ぶ線は更に需要が増します。

<東京の場合>
・小田急線  新宿 ー 箱根
・京王線   新宿 ー 高尾山
・京成線   上野 ー 成田山
・東急線   渋谷 ー 横浜
etc

・娯楽(エンターテイメント)事業
阪急電鉄の場合は、京都・大阪・神戸の都市部を結ぶ路線として発達します。
そして、行楽地ではなく自ら行楽する場の開設に乗り出します。
そこで当時何もなかった場所・宝塚に作ったのがあの宝塚歌劇団です。

ここで阪急電鉄は、娯楽施設・エンターテイメント事業を手がけていくことになります。

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<東京の場合>
・西武線  池袋 ー 西武遊園地
・東武線  浅草 ー 東武動物公園
etc

・東京に進出
宝塚歌劇団でエンターテイメント事業を成功させた阪急電鉄は、エンターテイメント事業で東京に進出します。
そして東京の日比谷に東京宝塚劇場を作り、東京での活動を本格的にスタートします。演劇の他に映画にも進出し、ここから日本一の映画会社となっていきます。


東京の宝塚

ここまで東宝の歴史を話してきましたが、ようやく映画事業に辿り着きました笑
宝塚の東京進出が、映画会社としてのスタートとなった訳ですが、肝心の名前の由来をここで説明します。
東京では、「株式会社東京宝塚劇場」として活動していましたが、映画の製作・配給・興行と演劇興行をまとめることになり、「東宝株式会社」となりました。
そうなんです。東京宝塚は、通称「東宝」と呼ばれていたのです!

塚 →  東宝

結局、その通称が新会社の正式名称となり、東宝が誕生したのです。
そういうことだったのか!
東(ひがし)の宝(たから)とは、東京の宝塚という意味だったのでした。
映画会社の東宝が関西の阪急電鉄からのルーツで宝塚歌劇団を通して名前がつくなんて歴史も感じられて面白いです。


小林一三

東宝の名前の由来を見ていただきましたが、阪急グループの成長もすごく面白いです。創業者で阪急グループを大企業にしたのが、小林一三です。

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鉄道や百貨店やエンタメなど、戦後の人々の豊かさを次々に斬新なアイデアで生み出してきた小林一三はビジネスマンとして超一流ですので書籍も色々と出ています。ご興味ある方はぜひ。
ちなみに、小林一三の曽孫が、あの松岡修造です。


最近の東宝作品

ドラえもんや名探偵コナンなど定番のヒットシリーズもありつつ、菅田将暉主演の『キャラクター』なんかも最近ではヒットしています。
ちょうど公開された『ゴジラVSコング』もハリウッド作品ながらゴジラなんで珍しく東宝が洋画を配給しています。
夏には、細田守監督の最新アニメ作品『竜とそばかすの姫』が公開予定です。


東宝の俳優

かつては映画会社の専属俳優制度がありましたが、現在は「あの人は日活の俳優だよね」みたいな感覚は全くないです。
でも実はちゃんとあったりします。

東宝で言うと、ヒットメーカーで現在のスター女優は、長澤まさみです。
東宝芸能に所属しており、東宝シンデレラオーディションによって選ばれて育成されてきた女優さんです。

そして現在グイグイ売り出し中なのが、浜辺美波です。
彼女たちはこれからも東宝映画を支えていくことになると思います。

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個人的に好きな東宝作品

定番アニメや人気キャストの大作映画が多い東宝作品よりミニシアター系の方が個人的には好きなのですが、そんな中で好きな東宝作品といえば古い映画です。

黒澤明や成瀬巳喜男などの監督作品が特に好きです。

その中でも最近一番のお気に入りは、マキノ雅弘監督の『次郎長三国志』シリーズです。
こちらはあまりにも面白かったので、noteも書きました。


最後に

今回は、東宝の名前の由来という小ネタでnote書いてみました。
ひとつの映画会社の名前の由来が、電鉄会社の事業の歴史ととても密接にリンクしていて面白いです。
またちょっとした映画ネタでも機会があれば、書いてみたいと思います。

最後までありがとうございます。


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