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【読書】隣りの国を、きちんと理解できるのでしょうか?

「隣国を変な国と思っているときは、だいたいそう思っている自国のほうがおかしいことが多い」
自分を正しましょう、という
誠に美しい精神の言葉ですね。
まるで「論語」など古代古典の
文章みたいです。

この文章、どう思いますか?
今の感覚からしたら、
はい、そうですね?とは
なりにくいですね…。

昨今の中国や韓国、北朝鮮、ロシア、
それから海を隔てた隣国のアメリカ…
とても変?というか、
隣人としては警戒こそしても、
敬服したり認め合う
コンディションではない。
うかうかできないというか…。
悲しいですけどね。

昼過ぎから、
米原万里さんの対談本を読んでたら、
こんな文章に出会い、
色々考えさせられました。

対談でこうした話が出て、
対談相手もうなずいてる、
そんな牧歌的な時代があったのか
と思ったら、
今の東アジアや日米関係は
随分とスレッカラシになりましたね。
まず、ヤバい相手を警戒しながら
利害が一致する時は仲良く組む…。
ヤバくなったらまた離れる…。

米原万里さんは、
ロシア語の同時通訳者から
作家になった、博識と情熱の人でした。
1950年~2006年。
活躍なさったのは、特に
1980年代、1990年代。2000年代。
「国際化」「インターナショナル」が
気運として濃厚で、
テレビ番組も「なるほど・ザワールド」や
「世界まるごとハウマッチ」などが
人気だった時代です。

戦争と虐殺が繰り返された20世紀も、
80年代以降は、冷戦もゆるみ、
国と国が、相互に理解し合える?と
思える機運がありました。

今の人からは想像がつかない位、
希望と夢に溢れた時代でしたね。
あの日本財団のコマーシャル
「人類はみな兄弟」が流れても、
お茶の間はそうかそうかと…。

今の時代に「世界はみな兄弟」なんて
コマーシャルを流したら???
全然、誰にも刺さらないし、
詰まらないコマーシャル作って
無駄遣いするなって、非難殺到かなあ。

少なくとも、今のグローバリズムは、
互いに仲良くしましょうという気運では
ないですね。
均一化というか、一強が他国を
支配していこうとする空気…。

でも、また20年後には、
果たしてどうなってるでしょうね?
また、今とは全然違ってるでしょうか。
どう変わるかな。
良く変わるといいな。

ちなみに、冒頭で
米原さんが語った言葉は、
チェコの20世紀初頭の初代大統領
トマーシュ・マサリクさんの
言葉からの引用でした。

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