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【文学賞】芥川賞より、本屋大賞より、私はドゥマゴ賞が好き

今週はドゥマゴ賞が発表された。
たった一人の選者によって
選ばれるユニークな文学賞です。

この賞をきっかけに
支持が増える作家も
何人も出てきました。

今年は木村紅美(くみ)さんです。

木村さんは、まだ単行本が
10数冊くらいの、
これからの作家ですが、
とてもシャープな作品で
印象深い若手です。

一度、Twitterで
私は木村さんから「いいね」を
もらったことがあります(笑)。

私が大好きな作家・色川武大の
ベストエッセイ集(ちくま文庫)の
巻末エッセイを、
木村紅美さんが書いていました。
その巻末がとても刺さったので、
そんな感想を書いたら、
数週間後、木村さん本人から
いいねされて、感激しました。

木村さんが今年のドゥマゴ賞を
きっかけに、今後ますます
活躍されていきますよう
お祈りします。

ところで、ドゥマゴ賞って
どんな人を輩出してきたのか、
書き出してみますね。

顔ぶれが毎年、ユニーク。

本屋さん大賞に選ばれるような
フレンドリーさはないけれど、
私はそこも含めて、
この、選者の独断による?
ドゥマゴ賞が信頼できます。

平野啓一郎さんだって、
芥川賞でデビュー以後、
低空安定飛行だったのが
この受賞から、大活躍が始まった。
町田康さんや、川上弘美、
多和田葉子、金原ひとみも、
このドゥマゴ賞で、
活躍に拍車がかかっていく。

芥川賞だけもらったまま
あれ、あの方はもう一発屋かなと
心配されていた低空飛行な作家が
どれだけ、この賞によって
活を入れられてきた事でしょう。

Bunkamuraドゥマゴ文学賞
受賞作品一覧

第1回、1991年
山田宏一
『トリュフォー ―ある映画的人生』
選者・蓮實重彦

第2回、1992年
三田英彬
『芸術とは無慚なもの〜評伝・鶴岡政男』
選者・吉本隆明

第3回、1993年
久世光彦『蝶とヒットラー』
選者・辻 邦生

第4回、1994年
内田春菊
『私たちは繁殖している』
『ファザーファッカー』
選者・中沢新一

第5回1995年
佐江衆一『黄落』
選者・城山三郎

第6回、1996年
飯島耕一『暗殺百美人』
選者・中村真一郎

第7回、1997年
町田 康『くっすん大黒』
選者・筒井康隆

第8回、1998年
矢作俊彦『あ・じゃ・ぱん』 
選者・椎名 誠

第9回、1999年
川上弘美『神様』
選者・久世光彦

第10回、2000年
吉本ばなな『不倫と南米』
選者・安野光雅

第11回、2001年
堀川弘通『評伝 黒澤明』
選者・小林信彦

第12回、2002年
多和田葉子『球形時間』
選者・荒川洋治

第13回、2003年
米原万里
『オリガ・モリソヴナの反語法』
選者・池澤夏樹

第14回、2004年
田口賢司『メロウ 1983』
選者・浅田 彰

第15回、2005年
大道珠貴『傷口にはウオッカ』
選者・富岡多惠子

第16回、2006年
平松洋子『買えない味』
選者・山田詠美

第17回、2007年
赤坂憲雄『岡本太郎の見た日本』
選者・荒川洋治

第18回、2008年
中原昌也
『中原昌也 作業日誌 2004→2007』
選者・高橋源一郎

第19回、2009年
平野啓一郎『ドーン』
選者・島田雅彦

第20回、2010年
朝吹真理子『流跡』
選者・堀江敏幸

第21回、2011年
磯﨑憲一郎『赤の他人の瓜二つ』
選者・辻原 登

第22回、2012年
金原ひとみ『マザーズ』
選者・髙樹のぶ子

第23回、2013年
恩田侑布子『余白の祭』
選者・松本健一

第24回、2014年
山浦玄嗣『ナツェラットの男』
選者・伊藤比呂美

第25回、2015年
武田砂鉄
『紋切型社会 〜言葉で固まる現代を
解きほぐす〜』
選者・藤原新也

第26回、2016年
中村文則『私の消滅』
選者・亀山郁夫

第27回、2017年
松浦寿輝『名誉と恍惚』
選者・川本三郎

第28回、2018年
九螺ささら『神様の住所』
選者・大竹昭子

第29回、2019年
小田光雄『古本屋散策』
選者・鹿島茂

第30回、2020年
石川宗生『ホテル・アルカディア』
選者・野矢茂樹

第31回、2021年
堀川理万子『海のアトリエ』
選者・江國香織

第32回、2022年
木村紅美『あなたに安全な人』
選者・ロバート キャンベル

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