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【本セレクト】料理本のセレクト依頼があったなら?

「本のセレクト、承ります」の看板を、
いつか掲げて、それを本業にしたい。
そんな本の虫の、妄想ブックセレクト!
今回の依頼は、料理関係、グルメ関連の
本を5000円でセレクトして!という
依頼だとしましょうか?

料理レシピ本として、また遊び心として
料理を捉えさせてくれるのは、
版画家・画家・芥川賞作家
池田満寿夫『男の手料理』。
揚げないコロッケや
巨大茶碗蒸しなど、ついやりたくなる
手抜き料理、もとい、
アイデア料理が何品も出てきます。

ああ、これは中央公論文庫だけど、
今は絶版ですねえ。見送ります。

そう言えば、中央公論文庫は
料理関係がズラリ並んでる。
編集者に料理好きがいるに違いない。
まずは、檀一雄『檀流クッキング』
中公文庫、734円。
ローストビーフの丁寧な解説は
読んでるだけで、つばが出ました。

続いて、
玉村豊男『料理の四面体』713円。
東大を出ながら、自分の腕と頭で、
男性料理研究家になった開拓者。
なぜか最近また、彼のこの本が
話題になって売れています。
料理好きな勉強家?
ウンチク好きな料理家?が増えるのは
彼以降ではないかしら。

おっと。料理だからと気取っていたら
この方を忘れそうになった(笑)。
漫画家で料理エッセイが抜群に上手い
東海林さだおの料理エッセイは
笑えて、食べたくなって、
色々と思い出せて最高です。
まるかじりシリーズは、
文春文庫からすでに第40弾が出てる。
他にも、色々な出版社から出てる。
トータルで100冊近いでしょう。

日本から離れて暮らす人たちに
良かれと思って、
この東海林さだおの料理エッセイを
送ってあげたら、
なめろや納豆やサンマの塩焼だと
ロシアや南米やアフリカや中東に
住んでいる人には、
なかなか手に入らない日本料理の
話でヨダレたらたらになるとか。
でも、作れない、食べられない!
もうこれはど級の拷問です(笑)。

とりあえず、まるかじりシリーズ
最新作『焼き鳥の丸かじり』
文春文庫、726円。

さあて、次はどんな本にしましょう?
やはり料理本の王道は、
写真満載のレシピ本ですね?
『向田邦子の手料理』講談社、1760円かな。
いや、料理レシピ本の決定版は
栗原はるみ『ごちそうさまが、ききたくて』
文化出版局、1628円かなあ。
バブルが崩壊して外食業が
不景気になっていく中、
家庭料理の素晴らしさを知らせてくれた
記念すべきレシピ本。
料理本はこれ以降、しばらく
この本がお手本となり、
似た本が次々に出たものでした。
仕掛人は、カリスマ料理編集者
川津幸子さんだった。

今のところ、734円、713円、726円、1628円。
トータルで、3801円なり。
もう少しいけますね。

辻調理師専門学校を開校した辻静雄。
彼ほど波乱万丈な人生もないでしょう。
元々は早大を出て、
大阪で読売新聞の記者になるも、
2年後には退社し、
1960年、辻調理師専門学校を開校。

当時、日本にはまだ本格的なフレンチは
普及していませんでした。
辻静雄は、フランスやアメリカに渡り、
著名な料理人を次々と訪れました。
本場のフレンチを学ぶことから
辻の料理人人生は始まって…
そんな辻静雄の生涯を描いた
伝記ノンフィクション『美味礼讃』
文春文庫。957円。
書いたのは、ノンフィクションの名手
海老沢泰久でした。
料理とは無縁だった一人の男が
どんな風に料理に魅せられていくのか、
その軌跡がよく分かる名作です。

これを追加したら、4758円。
料理関連の本セレクトは、
こんな感じでどうでしょうか?

檀一雄『檀流クッキング』
玉村豊男『料理の四面体』
東海林さだお『焼き鳥の丸かずり』
栗原はるみ
『ごちそうさまが、ききたくて』
海老沢泰久『美味礼讃」

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