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【創作】漫画作品をコンテンツとは、なぜか呼びたくない話

漫画の畑にずっといる者の間で
よく話題になるのが、
『漫画作品をコンテンツと呼ぶのは、
たいてい、別業種からきた人』
そう、昔かたぎの編集者は
漫画作品を、コンテンツとは
めったに呼びません。

たいていは、急に漫画業界に
近づいてきたベンチャービジネスの
人たちがそう呼びます。

でも、これは単なる昔かたぎ?

漫画家と、連日打ち合わせて
吐くような思いで作り上げた、
まるで自分の子供のような存在。

そこには、なぜか片仮名を用いて、
スマートに、デジタル時代風に
呼んでしまいたくない気持ちが
無意識にあるかもしれません。

もちろん、今、漫画の制作過程は
デジタル化されてきましたし、
漫画家さんもおしゃれです。
泥臭い訳ではありません。

ただ、漫画家の前では編集者は、
作品を『コンテンツ』とは呼びません。
呼んだら、いっぺんに業者っぽくなります。
電子書籍に関する打ち合わせでは、
そう呼ぶ営業さんがいますが。

漫画のヒットをムーブメントとは
あまりいいませんね。

ムーブメントって言葉は
たいてい、ビジネス書や人材育成?
ゲーム業界?アプリ業界?などの分野で
呼びあってる印象です。

出版世界も、 かなりジャンルが
多岐に渡ってきましたので、
文学や漫画など古くからのジャンルは
それぞれ、ジャンルなりのこだわりがあり、
新しく伸びてきた実用書やデジタルの世界は
そんな古い人たちを、
あまり快くは思ってないでしょうね。

それから私は、作家や漫画家を、
「クリエイター」と呼ぶ空気にはうまく
馴染めていません。

「クリエイター」とは名乗りやすいですが、
「作家」「漫画家」と名乗るのは、
かなりの矜持が必要だから、です。

それ一本で生計を立ててもいない人は
執筆家、著述者、ライターとは言えても、
職業欄に「作家」とは書かない、書きにくい。

「note」内で
「クリエイター」呼称について
書いたら、異論反論お叱りをたくさん
受けそうですが、
「note」では、作家、漫画家にとどまらず、
写真家やデザイナー、ゲーム開発者、
エッセイスト、カウンセラー、
さまざまな人を一言で呼び表す呼称として、
「クリエイター」が一番
総合的にフィットしたんでしょうね。

今50才で、もうおじさんで、
その職歴のほとんどを漫画畑にいた
元編集者として、
「クリエイター」呼称に関する違和感を、
書かせて頂きました。

きっと「note」の中にも、
賛同して頂ける方も多いのではないか?
と思いまして。

ここまで読んで頂きながら、
ご不快にしてしまったら
本当にごめんなさい。

「お前はじゃあ、なんだよ」と
問われたら、そうですね、、、
「しくじり編集者」と名乗らせて
頂けますかしら?(笑)

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