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【ブックセレクト】歴史がちょっと苦手な方に読んで欲しい歴史もの6冊

またまたやります、妄想ブックセレクト。
今回は歴史はあまり興味ない方に、
歴史って面白いなあって思って貰える
オススメ本を。縛りは5000円で。

歴史がちょっと縁遠くなるのは
多分、学校での暗記問題が
きっかけではないでしょうか。

人名、事件名、とにかく
覚えなくてならない項目が
無尽蔵にあるような印象…。

そんな方にまずオススメなのが、
『マリー・アントワネットの日記』
作者はライトノベル作家、
吉川トリコ。新潮文庫、605円。
一巻めはフランスに来るまでの
少女時代のアントワネットの
毎日の日記です。

思春期のワガママなお姫様の秘密の日記。
面白くないはすがないですね。

世界史の授業では、
飢えた市民に「パンがないなら
ケーキを食べたら?」と言って
怒りを買った人。
最後はデモ隊によって処刑された王妃、
としてしか馴染みないけど、
オーストリアからフランスに
14歳で嫁入りした葛藤や恋をつぶさに
読めば、自分と同じただの人間
だったんだなあと実感…。

硬いはずの歴史小説も、
わがままプリンセスの毎日を綴って
ファンに愛され、シリーズは全3巻。

日本の幕末はややこしくて…
とお悩みの方には
歴史探検家・半藤一利の
『幕末史』新潮文庫、825円。
テンポが良い江戸っ子の語り口で、
ペリー黒船から明治維新まで
一気に語り聴かせる力は、
落語家や講談師の技に近い。

今は「乃木神社」で知られる
明治の軍人・乃木大将。
日露戦争で活躍し、
凱旋して後に学習院院長にまで
抜擢されたけれど、
日露戦争では、乃木は作戦失敗で
多くの兵士の命を犠牲にしていた。
そんな乃木が明治天皇崩御に際し
自ら殉死をして世間を騒がせた。
その生と死をあぶり出す
司馬遼太郎の『殉死』。
乃木大将の殉死をもとに
夏目漱石は『こころ』を書くに
至った事を思うと、
歴史は私たちの「人生」に
しっかり痕跡を残してる事が
痛感させられます。
『殉死』文春文庫、605円。

続いては、昨今の人文書部門で
大きな成果だった
『それでも日本人は「戦争」を選んだ』
新潮文庫、880円。
加藤陽子・東大教授が高校生を集めて
講義した歴史の授業の記録です。
だから、分かりやすい。
入り交じった国際情勢や
戦争に至る過程がすーっと
頭に入ってきます。
加藤陽子教授は、最近話題の
学術会議への任命を拒否された
一人ですが、加藤さんは
全然、反権力な人ではない。
なぜ任命拒否にあったんだろう?

塩野七生の代表者『ローマ人の物語』も
歴史に命を吹き込んだ名作。
取り分け、第1作「ローマは1日にして
成らず」は本当に名著です。
世界史の授業では、
「ローマが建国された」と1行で
説明されてしまう経緯が
具体的にはどんなことだったか?
イマジネーション豊かに
語られていきます。
国というのが一人の生き物に見えます。
新潮文庫、上巻539円。下巻572。

最後は、太平洋戦争の本を。
『不死身の特攻兵』
講義社新書、968円。
作者は、劇作家、作家の鴻上尚史。
必ず死んでこいという上官の
命令に背き、9回出撃して
全て生還してきた、
不死身の特攻隊兵士の実話です。
鴻上さんはこの元兵士を探し出し、
許しを得て、他界直前まで話を聞けた
幸運を噛みしめ、渾身の力で
一冊の本にしました。
これぞ、世に生まれるべくして
生まれた本でしょうか。

さあ、どれもみなパッと見は、
歴史の本っぽくない本ですが、
読み始めたら、
そこに書かれてる人物や事柄が
まるで自分と地続きであるような
錯覚が、いや、それこそが
歴史の味わいです、きっと。

今回のブックセレクトはこんな感じで。
歴史が抵抗ある方々に手にとって欲しい、
そんな本たちばかりです。
トータル、4994円でした。


『マリー・アントワネットの日記』
605円。
『幕末史』825円。
『殉死』605円。
『それでも日本人は戦争を選んだ』
880円。
『ローマ人の物語』
1巻539円。2巻572円。
『不死身の特攻兵』968円。

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