Juniper Berry

昭和生まれの40代。仕事:私生活=9:1の生活を変革中の元企業広報担当。日常の出来事や…

Juniper Berry

昭和生まれの40代。仕事:私生活=9:1の生活を変革中の元企業広報担当。日常の出来事や感じることなどを、時々のペースで記しながら、心を整えたいと思います。そしてその随想に、共感してもらえる方がいらしたらうれしいです。

最近の記事

渇いた心を潤したもの

職場の備蓄品の入れ替え作業があり、既存のそれらを東北地方のフードバンク活動団体に寄贈するにあたって、チャーター便を1台手配した。 搬出するのは、1箱12kgの荷物を100箱。 直前にかかってきた電話の「これから集荷に向かいますんで〜」の声は男性で、「何名でいらっしゃいますか?」の問いには「オレ1人っす〜」。 確実にチャラそうなノリだったことと、重量のある100箱もの荷作業なのに1人?という点で少し不安になりつつも、夕方、運搬する2tトラックとともに現れたのは、声のイメージ

    • 諦めないカマス

      ここのところ、充実していると言えばそうだけれど、マンネリ化していると言えばそうだ。 仕事は相変わらず、退屈だ。長年、率先垂範して成果を出してきた身としては、いまの部では自己成長につながるような業務もなく、消化不良気味が続いている。 自分の至らなさで逃げた(異動した)わけではないのに、結果的にはドロップアウトということになっているのが、悔しいままだ。 「いまはこれでいいんだ」と宥める自分と、「こんなはずじゃない」と認めたくない自分が交錯する。 そんな時、ひょんなことから

      • 幻惑社会

        最近の女性ファッション誌ときたら、表紙に男性の人気俳優やアイドルグループを起用することが着実に増えているなと感じる。 雑誌のタイトルはこれまでと変わらないのに、視覚的に一瞬、脳が戸惑う。 さらには、最近流行っている “推しメン” とやらを意識してのことなのか、各誌はこぞって若手男性タレントのインタビュー特集とか、売り出し広告的な記事で紹介する。 女性誌の紙面に男性が登場することがおかしいわけではないけれども、純粋に女性向けファッションの傾向や欲しいなぁと憧れるアイテムを

        • 敏感と鈍感

          “繊細さん” とか “HSP” とか、診断されたことはないし、そのことについてよく知らないけれども、私は細かいことによく気づいてしまうほうだと思う。 自分で言うのも何だが、気配りもでき、そこまでやるかというほど丁寧に対応する。むしろそれだけが取り柄でもある。 先々のことを見越して入念に準備する。 相手の思惑を察知し、違わぬように立ち回る。 ただ、おかしいと感じたことに、じっと黙ってはいない。 そういう場面があまりにも多くて、同時になぜ周りはこんなにも気づかないのかと

        渇いた心を潤したもの

          レジリエンス

          学生の頃、自分は40歳まで生きればいいや、と、漠然と思っていた。 家庭は比較的厳しく、学力は低空飛行で優秀な姉と比較され、好きな人には振り向いてもらえず、何かと卑屈になっていた少女時代。未来に期待も希望も見出せなかった。 そんな私でも、ただただ運だけは良く、高校受験でも大学受験でも適度な第一志望校に合格でき、就職活動もさほど苦労せずして中堅商社に入社。能(脳)はなくとも体力と健康のおかげでバリバリと働き、今年で勤続二十数年となる。 そう、とうに40歳を超えてしまっている

          レジリエンス

          マインドフルネスの難しさ

          混沌とした時代の中で、自分はどうありたいか。 どのように生きていきたいか。 これまで考えたことがなかったわけではないけれど、なかなかポジティブ思考になれない私にとって、このテーマは難題であるように思う。 “ここに住みたい” と前から望んでいた地域の住人になれて、程々の仕事量(むしろ少ないくらい)で定時に退勤できるようになれて、やってみたかったことを実行できるようになれて。 振り返れば数年前から私は、少しずつ「なりたかった人」になれている。そうなるまで、理不尽な出来事をい

          マインドフルネスの難しさ

          社会人の端くれ

          先日、部屋の整理をしていると、昨年末に会社から渡された社員持株会の配当金等支払通知書が出てきた。 持株会に入って今年でちょうど20年になる。 これまでは忙しさもあって、定期的に発行されるこの通知書を受け取ってもそのまま放置していたため、中身をほとんど気にかけていなかった。けれど、今回よくよく見ると、かなりの株数が積み上がっていた。 何度、見直したことか。 これらをまとめて引き出し、社員株主としての所有株数を増やすことにしよう。そう決めて総務部に手続きを申し込んだら、何だ

          社会人の端くれ

          この先の10年

          ここ数年、ベテラン社員の退職が目立つ。 終身雇用の考えが薄まり転職が当たり前になった現代、若年層社員の退職はさほど驚くこともないけれど、当社では勤続30年以上のベテラン社員が突然退職するケースも増えており、社内に衝撃が走ることも少なくない。 先月も、営業部門にて順当に昇進していた50代後半の統括部長Mさんが、4月からの組織図では二階級降格になっており、それを知った直後くらいに、同僚からMさんが4月末で退職することを聞いた。 Mさんの所属する組織のボス(=執行役員)とMさ

          この先の10年

          フリーの功罪

          私の働く職場では、フリーアドレス(固定席がない)スタイルを導入しており、毎朝、出社した人からその好みによって座席が埋まっていく。 「どこに座っても良い」というルールなので、早めに出社している私は大きな窓を背にズラっと並ぶ執行役員席の目の前、しかもフロアのカドにあたる席に座るようにしている。固定席であれば、部長クラスが座るような、いわゆる「上座」だ。 以前は広報媒体の編集業務が多かったため、複合機エリアに近い、いわゆる「下座」の席を陣取っていた。そこへ、(私を頼りにしていた

          フリーの功罪

          自分と仕事と生活と

          終業後、気力がある時はできるだけ寄り道をすることにしている。 自宅に帰りたくないわけではなくて、いまの自分には、世の中の広さを街中でもっと視覚的に味わったほうがよいと思うからだ。 東京・大手町が乗換駅である私は、平日18:00、地下鉄大手町駅の雑踏に紛れながら、前方から左右からあらゆる方向に行き来する人々を交わしながら、歩く。 そうすると、世の中にはいろいろな人がいるんだと感じることができる。定時であがってもものすごい人の量なのだから、退勤時間が早いのは私だけではない。

          自分と仕事と生活と

          即今只今

          未来のことを考えない 過去のことを振り返らない いまを 目の前を生きる それをあらためて意識するまで これから先の日々に不安しかなく これまでの思い出を慰めにし まるで壺の中にハマってしまったように 動けなくなっていた 先日 すがるように訪ねた某寺院にて 法話を拝聴した 「即今只今」 という禅語だった この世は思い通りにいかないことばかり だからといって 過去に戻ってやり直すことも 未来に行って小細工することもできない だからこそ 過去や未来に囚われずに 一日一日

          春の夜の書き置きのごとし

          あなたは 私のことが大嫌いかもしれません まるで裏切るかようなやり方をした私を 恨んでいるかもしれません でも私は あなたの立場を守るための 選択をしたと思っています あなたをハラスメントで訴えたら あなたはいまの立場では居られなくなり プライドも深く傷ついたことでしょう 私が病んだようにすることで 私がずるい逃げ方をしたようにすることで あなたは今の立場を維持することが できたのです どんなに私を嫌おうと あなたはいつ そのことに気づいてもらえますかね いつか気づ

          春の夜の書き置きのごとし

          【本日の一句】 まどろみて 目覚めし針は日を越えず 夜ごとに夢の糸口探る

          【本日の一句】 まどろみて 目覚めし針は日を越えず 夜ごとに夢の糸口探る

          おいあくま

          「人間不信」とでもいうのだろうか。 私はいま、職場で何かと疑ってしまう日々が続いている。 ウソをつかれているのではないか。 除け者にされているのではないか。 してやられたのではないか。  自分で言うのも何だけれど、それがもう、病的なのである。 これまでにも何度か記しているが、私は入社して二十数年間、仕事大好き人間で過ごしてきて、近年は自部門の業務のみならず会社の周年行事や社史制作まで主導した。大変だったけれど、それ以上にやりがいを持っていた。 数年前、私の上司は仕事

          おいあくま

          精いっぱいの歩み

          新しい年になり、一カ月が経とうとしている。 年が明けたらすぐに心を入れ替えられる——そう思っていたのに、私の仕事への執着心は想像以上に強かった。 大好きだった広報の仕事。 不本意に離れなければならなくなったことが、いまだに悔しくてたまらない。 なぜ私が逃げなくちゃならないのかと、何度も心の中で叫び、もがく日々が続いていた。 私はハラスメントを受けたほうなのだ。 広報担当として多くの役職員に認めてもらえていたし、目に見える成果も出していた。 私の異動後、総合職3名の増員申

          精いっぱいの歩み

          ごめんね、私

          意を決して行った社内懇親会のディナーで、貧血になり倒れてしまった。 その懇親会は2カ月も前から予定が組まれていたし、経営層も出席するし、ラグジュアリーホテルのディナービュッフェはWEBサイトでメニューを眺めるだけでも楽しみだった。 ——メンタルが、悪化するまでは。 懇親会の前日まで行くか行くまいか迷い、私の状況を知る人事部長も「やめておいたら?」と言ってくれていたけれど、ここは大人らしく大人しく、意を決して予定どおり行くことにした。 こういう時、ホテルまで役員車に乗れ

          ごめんね、私