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敏感と鈍感

“繊細さん” とか “HSP” とか、診断されたことはないし、そのことについてよく知らないけれども、私は細かいことによく気づいてしまうほうだと思う。

自分で言うのも何だが、気配りもでき、そこまでやるかというほど丁寧に対応する。むしろそれだけが取り柄でもある。

先々のことを見越して入念に準備する。

相手の思惑を察知し、違わぬように立ち回る。

ただ、おかしいと感じたことに、じっと黙ってはいない。

そういう場面があまりにも多くて、同時になぜ周りはこんなにも気づかないのかと、イライラしてしまう。この繰り返しだから、日頃から疲れやすいのだろう。

いっそのこと、ばかになりたいって思う。

ばかというのは、何にも気づかない、言われても気にしない、すっトボケ〜でいること。
(いえ、元々頭の悪いバカですけども。)

そういう意味では、生きる上で鈍感さも大事なんだなと、最近になって思う。

私の場合、天然のそれは身に付けられないから、人工(?)で身に付けるしかない。

なかなか気づかない人には、
「私もついさっき気づいたんですけど…」
と切り出す。

いやいや、
私はずっと以前から気になっていたんだけどね。

何度言っても対応が遅い人には、
「私もすっかり忘れてたんですけど…」
と再度伝えてみる。

いやいや、
私はこれまでに何度も伝えているんだけどね。

そんなふうに演じたりして、何とか精神を保つようにしている。それはそれで疲れるのだけれど、やむを得ない。

皆が皆、よく気づく人である必要はないけれども、皆が皆、何にも気づかない人であることはリスクでしかない。

敏感と鈍感。
生物学上、生き残るのは果たしてどちらなのだろう。