小説「中目黒の街角で」 第39話
「友達のイベントに一緒に行ってくれない?」
土曜の夜。知花の誘いで僕達はタクシーで深夜の六本木に向かっていた。昔からの知人がクラブでイベントを開き、それに顔を出したいと言われたのだ。
「こんな夜中にタクシーで六本木に行くなんて、私達、悪い子だよね」
悪戯に笑いながら言った知花はとてもはしゃいでいた。僕もこの夜はただ二人で楽しむことだけを考えていた。
クラブに入ると独特のラテンのリズムが身体を包んだ。知花は再会する前からカリブのダンスを習っていて、その影響でラム酒