見出し画像

中小企業製造業で役に立った企業研修おすすめを3つご紹介

中小企業製造業の人事担当時代、教育という概念が存在しない企業で、教育を定着させるにはどうすか試行錯誤の日々、「これは当たったぞ!!!」と継続的に行い、従業員の意識レベルも上がったな!!と手応えのあった企業研修をご紹介したいと思います。
今回は、その中でゲーム性のある企業研修を3つご紹介します。

最初に

スタート2

中小企業に人材教育制度を導入するには2step必要になります。

・step1 キーパーソンを味方につける
人事担当時もそうですが、コンサルタントでも同じです。人材教育は直近でお金を生み出しません。むしろ経費が掛かります。
中小企業なら概ね社長がキーパーソン、たまに担当者決済もありますが、お金を出す人を納得させることが、まず最初に行うこととなります。
人材教育計画書等を作り、数字でのアプローチが重要になってきます。
「玉は包むように寄せよ」との将棋の格言があります。そのように・・・
失礼しました、話が逸れますのでこの辺で、詳細は省略します。

・step2 担当者を決めて集中させる
中小企業は大手企業と違って一人の人がなんでもやるってことが多いです。実は中小企業の従業員の方が忙しいのでは?って思ったりすることも・・・
まぁ大手企業も忙しいのですが・・・
話は戻りまして、中小企業では教育担当者がそれだけをするってことは少なく、総務と兼務であったり、各部署の部課長が担当だったり、と人材教育だけで業務をすることが少ないのが実情。しかし、企業研修は準備やフォローに時間がかかります。思い切って外注に!!って手もありますが、予算との相談・・・担当者を決めて集中させることが成功のポイントでもあります。

人材育成

人材育成4

人材育成
・OJT(On the Job Training)
・Off-JT(Off the Job Training)
・自己啓発
とありますが、今回の企業研修はOff-JTになります。

1.ペーパータワーforビジネス

画像3

PDCAを学ぶためにフォローアップ研修(入社から1年及び2年目の人対象)に取り入れました。
1年組 VS 2年組 で毎年開催しました。

実施時間:2時間

・進め方
1.1チーム4〜5名で行う
2.1チームに付き30枚のA4用紙を配布する
3.できるだけ高いタワーを作ったチームの勝利
4.紙は切ったり、折ったりしても構わない
5.紙以外の道具を使ってはならない
6.まずは作戦タイムとして5分間話し合う時間
※この際、チームで1枚だけ紙に触れて良い
7.組み立てタイムは5分間
8.組み立てタイム終了後、全員がタワーから手を離し、10秒間数える
9.10秒後に計測タイムに移行する
※計測タイム中も自立していなければいけない
10.決算
11.作戦タイム
12.2回目
※上記参照
13.優勝チームの発表

効果
表向きの話では
チームワークによりコミュニケーション向上できたり、決算で簡単な収支報告書を書いてもらうので、数字の意識を持ってもらえます。
PDCAサイクルの大切さを学んでもらえます。
裏事情的には
次のリーダー的要素のある人を発見できます。普段しゃべる人が後ろ向きだったり、おとなしい人が実は物事を進める力があったりと潜在的な部分を見ることができ、それを各部門長や社長にフィードバックして、OJTに役立ててもらっておりました。数年経って実感しております。

2.レゴ研修

レゴ車

そうです!あのレゴです!
営業部、生産企画部、設計部、製造部、品質保証部と「ものづくり」にかかわるメンバーに定期的に行った研修です。
毎年ではなく、3年に1度程度でしょうか。
設計図や製造仕様書の大切さを伝える研修です。

実施時間:2時間

・進め方
1.1チーム2〜3名で行う
2.1チームに付き難易度の低いレゴを渡す(組み立て説明書を抜いておく)
3.組み立て説明書無しで、相談禁止で個人組み立て(30分)
4.チーム内で完成度確認(完成した人は時間記録しておく)
※組み立て説明書を配布
5.2回目は組み立て説明書を見ながら、相談禁止で個人組み立て(30分)
6.チーム内で完成度確認(完成した人は時間記録しておく)
7.3回目は組み立て説明書扱い自由、チームで相談ありで組み立て(30分)
8.チーム全員が完成する時間を記録
※チーム全員完成するはずです。
9.チーム内で感想を討議してもらう(10分)
10.各チームへ質問(10~20分)
※担当者は質問を準備しておく
 ・チームワーク
 ・設計図や製造仕様書の大切さ
 ・チェックの仕方 等々・・・
11.優勝チームの発表

レゴ・シリアスプレイという研修もあったり、レゴは幼児教育だけでなく、アダルト教育にも使えるのですね(笑)

効果
表向きの話は
図面の大切さを実感してもらえる。書いてもらう人、書く人、見る人、チェックする人の共通認識となる。チームワークが良くなる。
裏事情的には
製造業の問題点セクショナリズムが多少改善される。これで改善とは言えないが、図面の大切さを多角的に見えることで、立場が違った時の見方ができ、揉め事が緩和される結果となった。
不器用な人と器用な人を判別でき、事故等の注意を各自認識できることとなった。驚くことに、このワークを辞めて数年で不器用組は事故やトラブルを起こすことになった。

3.間違い探し絵

間違い探し2

報連相を学ぶためにフォローアップ研修(入社から1年及び2年目の人対象)に取り入れました。
報連相はビジネスマンである限り必要となるスキルなので、ベテラン社員や管理職も一緒にやっても効果あるかと思います。

実施時間:1時間

進め方
1.二人一組で行う
2.二枚一組の間違い探しの絵を一人一人別々に渡す
3.ルールを伝える
 ルール1:自分の紙を直接相手に見せてはいけません
 ルール2:制限時間30分
 ルール3:ワークを達成したグループは、報告に来てください

4.ルールを伝えただけでスタート
※個別の報告コーナーで待つだけ
5.沈黙が続きますが我慢して様子見
※意見交換しだしたグループが、間違い探しだと気付き始めます
※沈黙時間を記録しておく
6.全ての間違いを見つけた組は終了
7.制限時間がきたら終了
8.優勝チームの発表
9.ワークの振り返り
 ・自分の頭の中にある情報は「声に出して、相手に発信しなければ伝わらない」
 ・沈黙時間の発表「その時間は仕事(間違い探し)をしていないことになる」
 ・仕事ができる人は、自ら動きます。
10.まとめ
 報連相の本質は「情報の共有化」、自分から声に出して発信することが大切。「阿吽の呼吸」で仕事ができるのは、素晴らしいことですが、現実はそのような考え方は通じない。

効果
これは表も裏もなく、報連相、情報の共有化の大切さを認識してもらえます。

報連相は、他にも伝言ゲーム等もあるので、一つのレパートリーにどうぞ

ゲーム研修を進めるときの注意点

チーム

事前準備とタイムキープはしっかりと
ゲームによっては必要なアイテムがありますので、参加人数(チーム数)に応じた事前準備は不備のないように進めましょう。また、盛り上がりに任せてタイムキープがおろそかになると、時間通りに研修が終わりませんのでご注意ください。

ゲームをやって終わりにしない
ゲーム研修は、ゲームを通じて伝えたい社会人としての基礎スキルがあります。ゲーム研修が終わったあとは、その気付きを再確認できるような振り返りの時間や、みずからが感じたことを記すシート記入などを通じて、習得スキルの確認をしましょう

ゲーム研修のメリットは社内コミュニケーション向上

グループワーク

ゲーム研修では、人間性を伸ばしたり、チームメンバーと協力しながら物事を進める方法などを習得することができます。何より、参加する社内のメンバーとコミュニケーションをとれる機会となることが、普段の業務にも大きな効果をもたらします。
今回ご紹介したゲームは3つですが、実際に効果があり、継続的に行ったものとなります。ですが、企業に合ったものがあると思いますので、いろいろ試して社内の相互理解を深めてみてください。

最後に

人材育成2

人材教育は新入社員育成、中堅社員育成、管理職育成と階層別での研修を考えたり、全体的な方向性を合わせる考課者研修・被考課者研修や目標管理制度研修と様々あります。
出来れば計画的な教育プランを各個人に作ってあげてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?